心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

般若心経

2010-01-11 | 禅語・般若心経
                       ネパール紙 (39×51cm)

何年前頃からだったか・・
書道教室に、七之助さんという方が入られて。

小柄で、耳が不自由でいらしたので、ほとんど会話はできないのに
いつも、なんとも言えない和やかで温かい笑顔で「どぉも」とだけ話され

長年暮らしてきた山形から、娘さん一家の住むこちらに越されて来て
しばらくは元気がなかったそうで、けれど書道を始めてから元気になられたと
いつだったか娘さんのCさんが話して下さった。

それからは、お一人で街を行くお姿をよく見かけた。
私が地元で展覧会をした時、その時もお一人で案内はがきを持って出かけられ、
途中で道に迷い、見知らぬ親切な方からお電話がありお迎えに行ったことがある。

私の顔を見たら、本当にうれしそうにやさしく微笑まれて
ちょこんと助手席に座れた時は、私の方こそうれしくて涙がこぼれた。

地元だけに限らず、どこへでもお一人で出かけられていたらしい。
アメリカに、車椅子の方の介護をするボランティアで出かけられたり
書道展の時も黙々と、けれど楽しそうな笑顔でお手伝い下さったり。

その七之助さんが、昨年亡くなられて。。

体調を崩されたのかしばらくお目にかからないままだったので、
もう一度お会いしてたくさんお礼を申し上げたかったなぁ・・と
昨年末に心静かに般若心経を拝書。

そういえば、七之助さん、このお地蔵さまのようなお顔でした


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新春書展六ヶ所巡り

2010-01-10 | 書展・展覧会情報
                      「虚空の音」 最上静山氏

昨日は母と今年初めての書展巡り。
まずは、国立新美術館で18日まで開催中の第58回独立書展。
前回行った時同様、今回も大作に圧倒される。

会場の一角に、こんな様なことが書かれていた。

・・ただ大きさで主張すればいいってものじゃなくて、そこには大きさに負けない
構図の勉強をしっかりしなければならない。



八木重吉の詩 鏡綵華氏 (写ってる人は無関係)


左:安楽千鶴子氏 右:渡部桂弦氏


「劇」名前を控えそびれちゃった・・


山頭火句 稲垣佐千代氏


左:小木太法氏 右:小林抱牛氏


上左:岡村鉄琴氏  上右:時政荘子氏
下左:会員賞受賞された石原美歩氏(写真はご本人。美人♪)下右:岡本梅山氏  

今年は山頭火や八木重吉の詩が多かったような気がする。
時代が求めているのかな・・ということは、私も時代を生きてるのかとふと。

独立展の作品がどこかしっくりくるのは、構図の捉え方が自分のそれと
どこかしっくりきているのだな・・と、なんとなく思ふ。

小さいものばかり書いていると、たとえば文字ばかりを追ってしまう。
大きいものを書くことで、全体を捉える訓練になる。
小手先のものばかり書いていても、感動は生まれない。

人生もまたしかり・・とな 
そんなことを感じたなり。

会場では『圓融の書 山崎大抱展』も開催中。 
11日(祝)13:30~15:30 国立新美術館3階講堂で、解説会があるよう。
興味のある方は → 独立書人団HP  


山崎大抱「龍馬は」

会場を後にして、銀座へ移動。
母は大作に圧倒されて既にお疲れ気味。。

まずは、鳩居堂で今日まで開催中の幕田魁心展。
前回お邪魔した時より更に・・更に魅力的な作品に唸るばかりなり。

そして、松坂屋別館カトレヤサロンでの毎日新春チャリティー書展へ。
いいなぁ・・って思った作品の一部をご紹介。



それから 昨年もお邪魔した 和光ホールでの現代の書31人展。


今回は(も)写真NGとのことで。。
会場では今も一応所属している会の某先生のギャラリートークが始まっていて
偶然、先輩Iさんにお目にかかり、感激。

で、次の会場へと歩行者天国を歩いていたら、不思議な着物集団発見。
銀座を着物で歩こう会なる集団らしい。。 どことなくレトロ。



で、着いたのはセントラル美術館での「現代の書 新春展」
毎年恒例の干支の文字が入口に。




それから、階上の書燈社展へ。ちょうど席上揮毫の最中で拝見する。
2×8尺に自作の詩をじっくり書かれる様子に母と見入る。


松本靖美氏

会場で、去年この書展 でお話を伺えた栃木郁子さんにもお目にかかれて
新春第一弾書展巡りを終えましたとさ。

強行軍に最後までおつきあい頂いた母は、今頃どうしているやらと
さっき電話をしてみたら、意外と元気そうだったので一安心
力をもらった一日でありんした。
でもって、ブログも長くなり・・おつきあい下さりありがとうございました



書展巡りで作品写真を掲載しておりますが、一人でも多くの方に書への興味を
持って頂けたら、また遠方であったり、ご高齢で会場へは足を運べない方にも
少しでも書を楽しんで頂けたらという気持ちでご紹介させて頂いている次第です。

もし不都合がございましたらご一報頂けましたら、すぐに対応させて頂きます。
よろしくお願いいたします。

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山頭火に恋焦がれ

2010-01-09 | 山頭火・放哉・良寛
                         山頭火句(半紙)

巨視的、微視的ということばがある。

巨視的とは、人間の感覚で直接に識別しうる程度の大きさを対象とするさま。
微視的とは、人間の感覚で識別できないほど繊細であるさま。  (大辞泉より)



「いちりん挿しの椿いちりん」 

いちりん挿しの椿は目に見える大きさなんだけど
そこに「いちりん」とことばが添えられるだけで
胸にすーっと沁み込んでくるものは微視的であるような。

嗚呼いいなぁ・・と、ついことばが漏れる 

儚いようでもあり
たくましくもあり
切ないようでもあり
清々しいようでもあり

今日も山頭火に恋焦がれるのでありんす 

久々に今日の1曲は手嶌 葵ちゃんの  Alfie
この曲を聴きながら、山頭火の椿いちりんを思い描くなり 


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体露金風

2010-01-08 | 禅語・般若心経
                           (半紙)

「体露金風」たいろきんぷう  禅語。  参考:河出文庫「禅の言葉」より

体露とは、丸裸になること。金風とは秋風のこと。
秋風によって煩悩(木の葉)がすっかり取り払われ、今あるのは幹だけ。
つまりは惑わすものがないということ。

木の葉で飾って取り繕う自分よりも、
飾らずありのままの自分で生きる方が、本当は楽な生き方なんだと思うけど
それは意外とむずかしいわけでして。。

でもね、たった一人でもいいから
ありのままの自分をさらけ出せて、それを受け入れてくれる人がいたら
明日もまた頑張れるような 

あるいは逆に、たった一人でもいいから
ありのままのその人を受け入れることができたなら
少しは強く生きられるような 

たったそれだけのことでさえ、日々迷い、悩みは尽きないけれど 


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七草粥でめでたき春を

2010-01-07 | つれづれ
                         (半紙1/2)

瑞春(ずいしゅん) めでたき春の意。
お正月のことばとしても使われる。

今日は七草粥を頂く日。 

春の七草 は、せり、なずな(ぺンペン草)、はこべら、ほとけのざ(おおばこ)、
ごぎょう(母子草)、すずな(かぶ)、すずしろ(大根)。

7日の朝に七草粥を食べて、その1年の無病息災を願うということですが
皆さまのとこではいかがですか?

暦の上では小寒。
節分までを寒(寒中・寒の内)と言って、冬の寒さが一番厳しい時期だけど
それを超えたら春が巡ってくるなり。
あ、でも雪降る処では春はまだ遠し・・かもしれないですね 

年を重ねるごとに、時間が飛ぶように過ぎ去る今日この頃。
まずは瑞春を迎えられるよう、毎日を大事に過ごしたいものでございますう



そうそう、今日夜8時~NHKで始まる書道のドラマ知ってます?
『とめはねっ!鈴里高校書道部』

Kちゃんが、偶然書店で漫画を見つけて面白そうだよって聞いていたんだけど
なんとNHKでドラマになってると聞いて、ちょっと見てみようかなと。

詳細は NHKのホームページ(←クリック)へどうぞ。



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新春書展情報 その2

2010-01-06 | 書展・展覧会情報
                  
新春書展情報その2。

まずは、京都と東京ミッドタウンで開催中の
★書家「宮村弦」ニューワークス 2010  

 ◆1月3日(日)~1月31日(日)まで
 ◆11:00~20:00 水曜定休 入場無料
 ◆会場:【京都】SferaExhibition   >>www.ricordi-sfera.com
      京都市東山区縄手通り新橋上ル西側弁財天町17 スフェラ・ビル2F

     【東京】Sfera Shop Tokyo
      東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン3F にて同時展開

詳細は宮村弦氏HP へ。
プロフィールには、奎星会会員の宮村弦氏は1980年生まれと。
なかなか興味深いので、是非・・と思ってる。


そして恒例の
★世田谷ゆかりの作家よる世田谷の書展

 ◆1月9日~24日(日)10:00~18:00 月曜休館 
 但し11日開館・12日休館 入場無料
 ◆世田谷文学館1階文学サロン  




★第42回現代臨書展

 ◆1月11日(月)~17日(日) 9:00~16:00 最終日は13:00まで
 ◆東京都美術館


 

★有山社書展
 ◆1月12日~17日(日)
 ◆東京銀座画廊美術館
 ◆後援:謙慎書道会




★2010 毎日新春チャリティー書展
 ◆1月7日~12日
 ◆銀座松坂屋別館5階 カトレヤサロン 入場無料
 ◆毎日書道展代表作家の書作品の頒布


いやはや、ほんと書展目白押しなり。
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寅のお年玉袋

2010-01-05 | 季節もの
                        
毎年、甥っ子に渡すお年玉袋は手作りしてる。
いつもは袋も手作りなんだけど、今年はサボって袋は市販の封筒。

小3と中2の甥っ子達は、幼稚園の頃から近所の書道教室に行っていて。
今はそれぞれサッカーと野球に忙しくて辞めたらしいけど。

2日は、その甥っ子達の宿題の書初めを見に妹宅へ。
小3の課題は、「白いはと」 中2の課題は「理想の実現」

・・いかにもってお題だこと

中2のお兄ちゃんは、じっくりきちんとした楷書を書く。
小3の弟くんも、意外と根気はあるようで何枚も書く。

でも弟くんの紙は、指定の清書用が2枚!ときた 
案の定、練習ではうまく書けても清書は・・ふむふむ。。
違う紙でもいいじゃんって言ったら、妹から「みんなと違うと目立つからだめ」と




中学では書道の教科書はあるけど、授業はないらしい 
私でよければ馳せ参じたいでありんす 

・・あ、話はずれたけど、お年玉袋。
一応、ばぁばとおばちゃんが書道をやってるわけだから、
少しでも興味を持っていて欲しいと思って、手書きしてるんだけどね。

渡したら、袋の感想はなくてすぐに中身を見やる 
おいおい・・・・  ま、いっか。
心のどこか隅っこの記憶に残っていてくれれば・・と、おばちゃんは願うよ








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寅年にあやかって

2010-01-04 | 漢詩
                            (はがき)

専心一意 せんしんいちい

一つのことに専念して取り組むこと。

今日から仕事始めの方も多いのでは。 ・・私も。
あっという間のお正月休み。。

年頭に当たり、珍しく今年のあれこれ計画を立てようなんて思っていたのに
なんか落ちつかないまま日常が始まっちゃう。。

う~ん。。たまには、一人になる時間も必要だなって、ふと。

どこでもいい、お気に入りの落ちつける場所を見つけて
頭ん中を整理して、今年は新しいこと始めたいなぁ。。 

ずっとずっと、いつか・・って横着して、後回しにして
・・って言うか逃げてばかりだったから。
それは悪循環で、後悔と焦燥とを繰り返すだけで、得るものは何もなく

寅年にあやかって、寅のように堂々と
逃げずに恐れずに、専心一意に一歩一歩と生きたいものでありんす 

それぞれに、年の初めに思いを馳せて・・
よい年となりますように 



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新春書展情報 その1

2010-01-03 | 書展・展覧会情報
新春を迎え、あちこちあれこれ書展が始まっているのでご紹介。

新年早々、やること色々・・既にたまってきてるから、
行けるものからできるだけ足を運びたいなぁと思っとりますが。

書は手習いも大事だけど、目習いも大事なり~。


まずは、毎年行っている(↑)現代の書 新春展
 毎日書道展の代表書家による多彩な「現代の書」が展示。

 ◆銀座和光ホール31人展     1月5日(火)~10日(日) 
  稲村雲洞・中原茅秋・田村空谷・中野北溟・石飛博光・恩地春洋・小林抱牛
  貞政少登・大井錦亭・小山やす子・皆川雅舟・關正人・船本芳雲・・(敬称略)

 ◆銀座セントラル会場100人展   1月4日(月)~10日(日)

  出品者、席上揮毫等詳細はこちらをどうぞ→ 毎日ジャーナル

毎日書道会作家のショートムービー見れます→ここをクリック
(作家の画像をクリックしてください)


そしてセントラル美術館と同じビルの中にある、銀座画廊・美術館では
 同じく1月5日~10日まで、船本芳雲氏主宰の第21回書燈社新春展も開催♪
 このブログで、昨年の展覧会の模様をご紹介させて頂いたことで、
 栃木郁子先生とのご縁も頂き、蘭秀会展にもお越し下さったのでした~。
 今年もお目にかかれるといいなぁ。。


そして、去年は行けず、おととし初めて行った独立書展
 今年もあの迫力を体感しに是非~と思っておりますです。
 1月6日(水)~18日(月)まで国立新美術館にて。12日(火)休館。




上野松坂屋本館6階催事場で1月9日まで開催中の、現代書道二十人展。

今年の出品作家は、新井光風・江口大象・榎倉香邨・関正人・栗原盧水・
黒田賢一・小山やす子・高木聖雨・高木聖鶴・日比野光鳳・・・(敬称略)


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家族団欒の時間

2010-01-02 | 山頭火・放哉・良寛
                         (大判はがき)

初詣、行かれましたか?

私は昨日父母も一緒に、近所の神社に。
最近、腰が痛い・・を理由にどんどん歩かなくなった父を
初詣くらい!と無理矢理誘って歩いて 

ようやく到着したら、神社はお参りの長蛇の列。
ありゃりゃ・・せっかちの父は帰るって言いかねない。。
案の定、並ぶのは却下、でもお隣には禅寺があり、そちらにお参り。

父よ 
今年はまず「歩く」をちょっとづつ毎日、よろしくね
私も、毎日こつこつ坦々とブログを楽しみますゆえ。

坂や山を登る時、頂上を見上げるとため息も出ちゃうけど、
目の前の足元を見ながら一歩づつ歩いて行くと、いつの間にか行き着くものさね。

すぐに答えや結果がでなくても、いくつになっても、どんな日も、
毎日ちょっとづつ繰り返すこと、これ、きっと大事あるよ 

今日は、妹一家宅に父母も一緒に出かけて、書初め会。
と言っても、甥っ子達のお習字の宿題の指導に来てとの妹からのご下命。
そのあと、みんなで手巻き寿司会。

そんなわけで、今日の作品。またまた山頭火だけど。
「あつまってお正月の焚き火している」

そんな時間、大事にしたいものですね 
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