67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

50年代Pepperを代表する一枚

2007-05-05 03:23:54 | jazz & vocal
The Marty Paich featuring Art Pepper/Marty Paich
(Tampa TP28 jp.reissue)
  
 少しマイナーなアルバムが続いたので、皆さんよくご存知のアート・ペッパーでも聴いてみるかって取り出したのがこのアルバム。ご存知,白人アルトでは(勿論テナーもありますが)他の追随を全く許さない,ダントツ人気のペッパーですよね。ペッパーのサウンドについては、いろんな方がコメントしており,皆さん自分の意見を持っておられることと思います。自分にとってペッパーは復帰して来た74年頃がリアルタイムでした。自分がジャズの洗礼を受けた時期とほぼ重なり以前にアップした"Among Friends"は本当によく聴きましたね。それから逆行するかのごとく50年代のペッパーにたどり着き,幾多の名盤と言われるアルバムは大体聴いていると思います。そのスタイルはパーカーとコニッツの中間的スタイルとも言われ、哀愁のあるフレージング,楽器を鳴らしきる演奏スタイルがリスナーを強く引きつける要素だろうと思います。

 このアルバムに付いてはA面の2曲,"You And The Night And The Music"と"Over The Rainbow"に尽きると思います。いずれも有名なスタンダードですがこの曲のジャズバージョンについて語るときに絶対にはずせない名演で前者のスィンガーでの縦横無尽のアドリブ,後者での卓越したバラードプレイのすばらしさは誰もが認めるところと思います。

 ペッパーの所有盤に関しては,ほとんどが30年近く前の再発国内盤ばかりで,資金繰りに困り果てていた学生時代に収集したものがほとんどです。そのためこの盤も例に漏れず国内盤再発です。ペッパーを追っかけ始めたころ、この盤は国内盤すら廃盤となっていて、少し後にこのB&Wのカバーで再発されたときに購入した物です。(この時はうれしかったなあ。)それ以前に出ていた国内盤は,たしかyellowがバックのカバーだったと記憶しています。このアルバムのオリジナルは相当高価だろうと思いますが,一度オリジで聴いてみたい盤ですね。

Elencoでも発売したKAPPのシルビア・テリス

2007-05-04 03:02:48 | jazz & vocal
It Might As Well Be Spring/Sylvia Telles
(Elenco MEV-11)


 先日,女性ボーカルに造詣の深いkuirenさんのブログにKAPP盤の"The Face I Love"がアップされました。そのコメントの中に登場した同内容のモノのが本日アップのブラジル/エレンコ盤です。タイトルもKAPP盤のA-1に収録された"It Might As Well Be Spring"がそのままにタイトルになっているのです。カバーも全く異なっていますし、エレンコにお詳しい方はご存知でしょうがカバーはピラピラで昔の日本のドーナツ盤風で取り扱い注意のカバーなのです。収録曲順も微妙に異なっています。



 彼女はジョアン・ジルベルトにも影響与えたシンガーでボッサ唱法を確立した一人として女性ボッサシンガーの草分けとも言える存在と思います。ジョアンと恋愛関係に合ったと言われていますし、ジョビンとの噂もありジョビンが彼女に捧げた曲"DINDI"はボッサファンでなくとも広く知られていると思います。アメリカ発売を意識した達者な英語を駆使し、ちょっとhuskyな声でemotional、そしてcuteに唄うのが彼女の持ち味です。以前にアップしたエレンコ第一弾「Bossa, Balanco, Balada」はポルトガル語で唄われており、このあたりのポルトガルの濁音の多い歌唱はこれまた素晴らしいものです。収録曲では"It Might As Well Be Spring"、"But Not For Me", "Baubles, Bangles and Beads"などのいわゆるジャズスタンダードもいいですが、マルコス・ヴァーリのKapp盤のタイトルになった"The Face I Love"、ドゥルバル・フェレイラの"Rain", メネスカルの"Voce", ジョビンの"Pardon My English", チト・マジの"Balanco Zona Sul", ルイス・エサの"Image"など純正ボサノバナンバーでのいきいきとした表現は更に素晴らしいと思います。

   

 このアルバムカバーは色刷りがまだ多い方でエレンコカバーとしては典型的ではないかもしれませんが、オリジナル盤(モノ)と思われる所有盤のインナースリーブ,センターラベルをアップしておきますね。キュートなKAPP盤のカバーも良いですが,エレンコのも味があるでしょう!?

この渋いメンバーをみてよ!

2007-05-03 00:45:58 | jazz & vocal
Historic Jazz Concert at Music Inn/Various Artists
(Atlantic 1298)


 Music Innの「inn」とは英和辞典を紐解くと「階下で飲食店・居酒屋を兼ねた旧式の二階建ての小旅館,小ホテル」と記載されています。Music Innのイベントはマサチューセッツ州の山間部の避暑地レノックスでホテル(inn)を経営するBarber夫妻が1950年代の後半にこの地にジャズメンを招き,ジャズに関するパネルディスカッション,レクチャー、コンサートを開いたモノです。このイベントに主役的な役割を果たしたのがMJQとジミー・ジュフリーであります。ジャズファンには1958年のMJQとソニー・ロリンズのセッション(atlantic1299)が知られていますよね。本日アップのアルバムはこのロリンズ参加盤とは一番違いの1298、ジュフリーを中心とするセッションを収録したモノです。

 メンバーはこの美しいカバーからも読み取れますが,Jimmy Giuffre(cl, ts), Pee Wee Russell(cl), Rex Stewrat(tp), Herbie Mann(fl), Teddy Charles(vib), Dick Katz, George Wein(p), Percy Heath, Ray Brown(b), Oscar Pettiford(cello, b), Connie Kay(ds)と言う新旧入り交じった名手からのピックアップメンバーです。演奏はイベントに集ったメンバーのblowing sessionであることから,いずれも長尺の演奏で各面2曲ずつです。A-1はGiuffreとPee Weeのクラリネットの競演が目玉の"Blues In E Flat"で幕を開けます。A-2がエリントニアンのRexのトランペットとGiuffreのテナーが活躍するエリントン曲"In A Mellotone"です。リズムセクションはストーリービルのオーナー, George Weinのピアノ,Pettifordのベース,Connie Kayのドラムです。B面に入って、Giuffreのリリシズムを強く感じるオリジナル"The Quiet Time"が聴かれますが、Charlesの美しいヴァイブソロがいいですね。このアルバムの目玉と思います。ピアノを廃したカルテットの演奏でGiuffreはクラリネット,ベースはPercy Heath, ドラムはConnie Kayです。この曲は有名なTeddy Charles Tentet(1229)でも取り上げられていますね。トリはHerbie MannのフルートとPettifordのcelloが聴きモノの"Body And Soul"です。Dick Katz, Ray Brown, Connie Kayのリズムも手堅いですよね。

 所有盤はアトランティックのモノラル,オリジナルの黒レーベル,シルバーロゴです。コーティングカバーが美しいです。Music Innの貴重な記録を残した渋いメンバーの競演ですね!

ウエストコーストジャズの首領(ドン)

2007-05-02 04:33:44 | jazz & vocal
Music For Lighthousekeeping/Howard Rumsey's Lighthouse All-Stars
(
Contemporary S7008)

 今日は超手抜きでお許しを! 実はこのログ,4/30にアップしたのですが何のコメントもなかったのでおかしいな?って考えていると,このログの後に長々とキャンプのログを書いたモノで皆さんに見てもらえなかったのかななんて考え,今日のログに移動して来ちゃいました。さて,その移動したログです。

 LAXことロスアンジェルス国際空港から海岸線を南に行くとマンハッタンビーチ,ハーモサビーチ,レドンドビーチ,パロスヴェルデスと美しい海岸線が続きます。 50年代中期、このハーモサビーチにある「ライトハウス」はハワード・ラムゼイが幾多のウエストコーストジャズメンを集めて録音を繰り返し,「これぞウエストコーストジャズ!」というようなすばらしいアルバムが制作されています。本日はこの首領ハワードがコンテンポラリーに録音したアルバムをアップしたいと思います。

 メンバーはHoward Rumsay(b)をリーダーに,Bob Cooper(ts), Frank Rosolino(tb), Conte Candoli(tp), Sonny Clark(p), Stan Levey(ds)の3管編成のセクステットです。もう、何れ劣らぬ名手の集まりでありますが,当時新人、ピッツバーグから出て来たクラークのピアノが聴けるだけでも価値がありますよねぇ。既にクラリネットのバディ・デフランコのグループで活躍を始めていたようですが、ハワード自身が書いたライナーノートにも、"Sonny is very talented, shows promise as a composer-arranger, besides a great approach to his instrument. We feel he is a new-comer who bears watching."と絶賛しています。演奏曲はほとんどがBill Holman, Bob Cooperのオリジナルですが、B面2曲目クラークのオリジナルブルース"I Deal"でのクラークのピアノにぞっこんです。既にBN盤に見られるようなちょっと翳のある艶やかなトーンをいかしたブルージーなピアノが捉えられています。B面最後の"topsy"も好きな演奏ですね。また、サイドメンではロソリーノのテクニカルなプレイも聴きモノです。いつもそうですが、ハワード自身のベースは”いたのかい?”って感じですけどね・・・(笑)。

 コンテンポラリーのブラックレーベル、シルバーロゴのステレオ盤です。相変わらずの素晴らしい録音はご存知のとおおりですよね!

Bel Cantoのブルーワックス

2007-05-01 00:01:30 | jazz & vocal
!!!FRAN!!!/Fran Lacey(Bel Canto SR1008)

 先日,リンクさせていただいているbassclefさんのブログでcolored vinylが少し話題になりましたね。そこのコメント欄にも書かせていただいたのですが,通常はvinylはほとんどが黒ですよね。カラードビニルはポピュラー界ではそんなに稀ではないかも知れません。自分も初めてこのカラードビニルに遭遇したのはビートルズの「オールディーズ」か「アビーロード」だったと思います。勿論国内盤ですが。 ジャズ界では何と言ってもファンタジー盤の青盤,赤盤が有名ですよね。びっくりしたのはblog仲間のNOTさんご推薦のJames Moodyのレインボー盤なんてのもありました。本日は、冒頭のbassclefさんのコメントに少し書かせてもらったBel CantoのブルーワックスでボーカルのFran Lacyです。

 彼女は,LA郊外のBuena Parkに住む速記者として働く2児の母だったようですが、チャンスがあればシンガーを夢見ていたようです。友人の紹介でBel Cantoの副社長Russ Molloyを紹介されオーディションを経てレコーディングとなったシンデレラストーリーの持ち主です。アレンジもRuss Garcia等本格派が揃えられ彼女の潔いスタンダードを聴くことができます。特に,サックスのイントロで始まるA-1の"Beautiful Friendship"も良いですし、A-6の"You Do Something To Me"、B-1の”Lonesome Road"等では聴き手をグイグイ引き込んでいく歌唱が聴かれます。

  

 Bel Cantoレコードについてはあまり資料がなくて詳細不明ですが,上がそのブルーワックスとBel Cantoのインナースリーブです。結構,レアな盤と思いますが、所有盤は前オーナー、CAL-TEC(カリフォルニア工科大)のTV-serviceのデカールが貼られていますが、ステレオ・オリジナル盤と思います。