67camper's Blog

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ラストレコーディング!

2007-05-10 01:21:39 | jazz & vocal
MGM Records presents BiIlie Holiday/Billie Holiday
(MGM E3764)


 ジャズボーカルを語る上でレディ・デイことビリー・ホリデイは避けて通れないグレイテストですよね。自分の場合、あまりに重すぎて,陰鬱でこちらの体調が良くないと途中で針を挙げてしまうこともしばしばです。この意味では,コルトレーンにも同じような感覚にとらわれることがあるのは自分だけでしょうか? 今日は体調もいいしととりだしたのが死の4ヶ月前に録音されたと言うラストレコーディングです。自分の所有盤には"Last Recording"のタイピングはありません。Verveが再発したCDなどにはこのタイピングがしっかりと書かれています。59年の録音で,MGMでは彼女の遺作になるだろうとは全く考えてもなかったのかもしれませんね。ここでのビリーの声の艶には全く驚いてしまいます。素晴らしいです。彼女独自の節回しも健在でこの4ヶ月先に一生を終えたことを考えると余計に感動を呼びますね。

 バックのRay Ellisのアレンジの美しさも特筆モノです。ストリングスもありますがHarry Edison, Joe Wilder(tp), Billy Byers(tb),Al Cohn(ts), Danny Bank(bs), Hank Jones(p), Barry Galbraith(g), Milt Hinton(b), Osie Johnson(ds)のコンボ,あるいはSweets(tp)の他にGene Quill(as), Jimmy Cleveland(tb)を含むセットの伴奏もあります。彼らの好バッキングでのビリーの歌唱は素晴らしく感動的です。Sweets, Al Cohn, Jimmy Cleveland, Gene Quillのソロも楽しめます。サイドAの"All Of You"のビリーの出だしにはゾクッとしてしまいます。続く"Sometime I'm Happy", "You Took Advantage Of Me", "Deed I Do"等,得意なナンバーが目白押しです。サイドBでは何と言ってもシナトラの十八番"All The Way”が抜群です。それまで録音してなかったらしく最初で最後的な歌唱は貴重ですね。

 所有盤のMGMのモノラル盤のカバーの美しさ,ビリーの横顔のアップですが皮膚の毛穴まで見えるかのような生々しいフォトは再発盤ではありえない鮮明さで素晴らしいです。このカバーも名作カバーの一つと思います。