Alone In San Francisco/Thelonious Monk
(Riverside 12-312 jp.reissue)
このアルバムを聴いているとやはりモンクのベストパフォーマンスはソロピアノにあるのでは?といつも思ってしまいます。ピアニストのアルバムとしてはスタンダードなトリオやレギュラーコンボのホーンを配した編成ももちろん良いですが、独特の不協和音を交えながら、いつも妙にスウィングさせられてしまう彼のソロはやはり奇才の面目躍如といった所でしょうか?ソロアルバムにもいろいろあって、既にコロンビアはアップしておりますが、本日はポールベイコンのケーブルカージャケで有名な"Alone In San Francisco"をアップいたします。
もちろんタイトル通りのソロパフォーマンスで、59年録音、リバーサイドでは最後のスタジオ録音でもあります。選曲はモンクの特異なテーマのオリジナル曲とスタンダード曲をバランスよく配した構成で名盤にふさわしい仕上がりです。個人的には、彼のオリジナル曲のソロが好きです。"Blue Monk", "Ruby, My Dear", "Round Lights", "Blue Hawk", "Pannonica", "Reflections"の計6曲が取り上げられています。特にブルースの"Blue Monk", "Blue Hawk"のラグタイム風のピアノスタイルは彼のフレーズの真骨調で不思議にリスナーの身体を揺らせてくれます。真空管を変更して、まるでベースが入っているがごとく、足を踏みならしてリズムをとる音が聞こえるようになって来ました。やはりダイナミックレンジの違いですね。スタンダードではマット・デニスの"Everything Happens To Me"とバーリンの"Remember"がお気に入りです。
所有盤はビクターのステレオ、国内再発盤です。サンフランシスコは一度訪れた事がありますが、ロスアンゼルスと異なりまとまった良い街ですよね。金門橋、坂道、ケーブルカー、ちょっとスパニッシュな印象のこじんまりとした街で大好きですね。