67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

Elencoでも発売したKAPPのシルビア・テリス

2007-05-04 03:02:48 | jazz & vocal
It Might As Well Be Spring/Sylvia Telles
(Elenco MEV-11)


 先日,女性ボーカルに造詣の深いkuirenさんのブログにKAPP盤の"The Face I Love"がアップされました。そのコメントの中に登場した同内容のモノのが本日アップのブラジル/エレンコ盤です。タイトルもKAPP盤のA-1に収録された"It Might As Well Be Spring"がそのままにタイトルになっているのです。カバーも全く異なっていますし、エレンコにお詳しい方はご存知でしょうがカバーはピラピラで昔の日本のドーナツ盤風で取り扱い注意のカバーなのです。収録曲順も微妙に異なっています。



 彼女はジョアン・ジルベルトにも影響与えたシンガーでボッサ唱法を確立した一人として女性ボッサシンガーの草分けとも言える存在と思います。ジョアンと恋愛関係に合ったと言われていますし、ジョビンとの噂もありジョビンが彼女に捧げた曲"DINDI"はボッサファンでなくとも広く知られていると思います。アメリカ発売を意識した達者な英語を駆使し、ちょっとhuskyな声でemotional、そしてcuteに唄うのが彼女の持ち味です。以前にアップしたエレンコ第一弾「Bossa, Balanco, Balada」はポルトガル語で唄われており、このあたりのポルトガルの濁音の多い歌唱はこれまた素晴らしいものです。収録曲では"It Might As Well Be Spring"、"But Not For Me", "Baubles, Bangles and Beads"などのいわゆるジャズスタンダードもいいですが、マルコス・ヴァーリのKapp盤のタイトルになった"The Face I Love"、ドゥルバル・フェレイラの"Rain", メネスカルの"Voce", ジョビンの"Pardon My English", チト・マジの"Balanco Zona Sul", ルイス・エサの"Image"など純正ボサノバナンバーでのいきいきとした表現は更に素晴らしいと思います。

   

 このアルバムカバーは色刷りがまだ多い方でエレンコカバーとしては典型的ではないかもしれませんが、オリジナル盤(モノ)と思われる所有盤のインナースリーブ,センターラベルをアップしておきますね。キュートなKAPP盤のカバーも良いですが,エレンコのも味があるでしょう!?


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
完全原盤の良さ (サイケおやじ)
2007-05-04 07:49:19
KAPP盤を持っていますが、やはりオリジナルマスターを使ったエレンコ盤の方が音が良いでしょうねぇ。
あぁ、欲しいです!
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気の迷い (サイケおやじ)
2007-05-04 07:51:18
いや、これはやっぱりKAPP盤がオリジナル原盤なんでしょうか?
エレンコ盤は聴いたことが無いもんですから。
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見てみたい、聴いてみたい (mono-mono)
2007-05-04 08:38:05
エレンコにもこんな多色刷りのジャケットがあるんですね。
私全然エレンコ詳しくないんで(笑)知りませんでした。
エレンコといえば2色刷りってかんじ。
それにエレンコのレコードは実物を手にしたことも聴いたこともないので、ホンモノのボッサの音を聴いてみたいです。
イイナ~!
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ありがとうございます (kuiren)
2007-05-04 12:56:06
>67camperさん
早速のアップありがとうございます。
このELENCO盤、ジャケットがペラだろうが何だろうが、この田舎デザイン( 変な言い方ですみません)風なジャケットがたまりませんね。
どこかで見かけたら入手したいと思います。
また愚ブログの紹介有難うございます、恐縮です。
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どっちが原盤? (67camper)
2007-05-04 16:28:43
サイケおやじさん,コメントありがとうございます。
発売はKAPPかエレンコかどっちが先か,自分も知らないです。個人的にエレンコは大好きなレーベルで、日本で言えばTBMに近いインディーズですよね。
ジャケットなど装丁の危うさ、B&Wのカバーデザインと、白いラベル,ボッサのレコードはブラジルからなんていう全く個人的な入れ込みで,KAPPより好きなんですよ。
これはブラジルから輸入した物ですが,若干アメリカからより送料高め,届かないかもしれない危うさを乗り越えてGETした一品です。
自分はKAPP盤が国内盤ということもあり,どうしてもエレンコに贔屓してしまいます(笑)。
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ブラジル盤 (67camper)
2007-05-04 17:13:56
mono-monoさん,コメントありがとうございます。
おっしゃる通りで,エレンコとしては異色の多色刷りカバーです。御指摘のように,B&Wのカバーがほとんどで,手作り的,中のサウンドがBossa, と粋の極致的ビニルだと思います。

まあ,Bossaに興味がなければ,単なるゴミ盤に見えるかも知れませんが・・・。

気の利いたカフェなどの白い壁にはピッタリのアートと思いますね。
既にアップしているエレンコ盤は
http://blog.goo.ne.jp/67camper/e/334b28958c4bb9caa2d084f8452024a1
http://blog.goo.ne.jp/67camper/e/abc66a17b4af9418bb787c770fcad3ee
http://blog.goo.ne.jp/67camper/e/b4112ed14ec3dc90ec457b40b643cb68
です。よろしければ覗いてみてください。
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エレンコ盤 (67camper)
2007-05-04 17:18:18
kuirenさん,コメントありがとうございます。
エレンコ,田舎臭いですか?・・・
自分は上のコメントでも書いたように,むしろ都会的、粋な風情を感じるのですが・・・

エレンコ盤は国内盤再発がありますが,やはり本家におおいですね。結構高価ですが・・・。
ジャケ買いの対象としてもかなりポイント高いと思います。
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こんばんは (kuiren)
2007-05-04 20:50:57
>67camperさん
遅くなりましたが、僕の方からもTBさせて下さい。
田舎臭いという表現ですが、表現力不足ですので気になさいませんようにお願いいたします。

二つを並べて眺めるとKAPP盤は座って所載なさそうに座っているだけでアッサリしたものですね。
顔の写真や表情はELENNCO盤のが好きです, この表情はSYLVIA TELLES U.S.A.(PHILIPS)と同じような印象を受けます。
どちらも所有しておりませんが(苦笑), どちらも欲しいです。
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U.S.A.(PHILIPS) (67camper)
2007-05-04 21:23:17
kuirenさん,TB&コメントありがとうございます。
好き嫌いの話ですから,全く気にしてません。
Bossa好きにはやはりエレンコだと思いますけどね・・・

SYLVIA TELLES U.S.A.(PHILIPS)も良い盤ですね。またそのうちアップを考えましょう。
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オリジは..... (ken-k)
2007-05-04 22:39:35
67camper様、今晩は、お邪魔します。
このLPはエレンコ,KAPP,日本盤の3種類を持っています。エレンコ,KAPP共にモノ・プロモ盤なので、音の違いはそこそこ感じますが、どちらに優劣があるかは聞く人の好みだと思います。
シルビアは55年頃から吹き込みを始めていますが、Philips時代にプロデューサーなどを勤めていたのが、後にエレンコ・レーベルを立ち上げたアロイジオ・デ・オリヴェイラです(彼は歯医者さんの肩書きも持っていたそうです)。オリヴェイラ自身ミュージシャンでカルメン・ミランダとグループを組んでいたこともあり、ジャズ・テイストを活かした音楽で第二次世界大戦前後に人気があったそうです。その頃から米国を演奏活動などで何度も行き来し、あちらのジャズ・ミュージックに関心があり、自国の新しい音楽(ボサ・ノバなど)を米国で広めようとしていた彼が、人気の出てきたシルビアを米国に連れて行き、バーニー・ケッセルやジョー・モンドラゴンなどウエスト・コーストの腕利きミュージシャンと吹き込んだのが、61年の"Philips(伯)/P-630.453L:Sylvia Telles U.S.A."でした。
63年にオリヴェイラがエレンコ・レーベルを創設すると、彼女はこのレーベルに移籍し、発表されたのが代表作となった"Elenco(伯)/ME-5:Bossa・Balanco・Balada"です。
当時オリヴェイラは平行して、米国の音楽を紹介したり、自国のミュージシャンをあちらに紹介する目的で
"MEV"のナンバーで始まるシリーズを創設します。その第一作はFM原盤の"Chris Conner At The Village Gate"です。Verve原盤の"The Astrud Gilberto Album"もMEV-4で出されています。
65年にシルビアは米KAPPからの要請を受け"KAPP(米)/KL-1451:Sings The Wonderful Songs Of A.C.Jobim"を録音します、エレンコでもMEV-5として出されました(残念ながらこれは不所持)。KAPP盤の裏ジャケットには"Recorded In Rio de Janeiro,Brazil"と記載されています。
その翌年気を良くしたKAPPは新たな物の録音のオファーを出します。これがご提示の"Elenco(伯)/MEV-11:It Might As Well Be Spring"で、もちろん録音はリオ・デ・ジャネイロです。これを米国に送り、あちらでリリースされたのが"KAPP(米)/KL-1503:The Face I Love"です。
当時の「録音マスター」の送り方はハッキリしませんが、「マザー」や「スタンパー」の形(曲順が少し違っていますし、レコードの遊び溝の所に刻んであるマトリックスは米盤とブラジル盤でまったく異なっていました)で送ると、コストや品質保持の面でちょっと難点があったのではないでしょうか?「マスター・テープ」の形で送ったと考えるのが一番妥当のような気がします。そうなれば、米国のエンジニアがマザーなどを作る際に、彼等が好むように編集している可能性があるので、それぞれの国の盤で「音」が違うのも当然のような気がします。
私の所有するエレンコの本盤はぺラジャケットの所為か周囲がぼろぼろです。おまけに、プロモのエンボス刻印、ラジオ局所有を表すスタンプが捺してありジャケットはプアー状態です。送られてきたときにはインナースリーブもなく、裸のままペラペラのジャケットに挟まれていました。でも当時のブラジル盤はこの様な薄いボール紙ジャケットが一般的でしたし、こんな物かとあきらめています。そもそも「こんな物」を私が所持できることを「幸運」と感謝しています。
そうそう、エレンコのジャケット・デザインですが、私はどれも秀逸だと思います。所有物の中では"ME-8/MAYSA"が一番のお気に入り。あの目にみつめられると..... 。
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