Sonny Clark Trio
(Blue Note BST81579)
自分がジャズを聞き始めたのは学生時代、新潟に新しくできた”
Jazz Flash"
というジャズ喫茶がきっかけかもしれません。。小さな店でしたが新潟の歓楽街の路地にありました。いまもここでやってるだろうと思います。
オーナーのS氏は学生だった僕たちにとても親切にジャズのことを教えてくれました。常連客にも一風変わった面白い輩がいっぱいいました。その一人、海上
保安庁に勤務するTさんは佐渡の勤務で週末になると新潟に来て、パチンコを閉店までやって10時頃に現れてました。客も少ないから、僕とマスターと保安庁
で次から次へとハードバップばっかり聞いてました。
あるとき保安庁がいつもリクエストする画像のソニークラークがかかっていました。1曲目のTadd's
Delightがかかっていたとき、後ろのボックス席にいた女性が店を出ようとしました。あつかましくも”ねえさん。これを最後まで聞いていきな。”と声
をかけたのです。面識のないOL風の女性はニコッとして元の席に戻って、一言も言わず最後まで聞いていました。大都会のジャズ喫茶や今の時代ではありそう
もない光景で、こんな情景はFlashではよくおこっていたものです。ある意味いい時代だったと思います。
たぶん、彼女も今も愛聴盤となっていることでしょう。
独特の粘りのあるトーンで攻めるクラークのピアノ、マイルスのバンドではほとんど聴くことができないアルコを駆使したポール・チェンバースのベース、リ
ムショットを果敢に繰り出すフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムと最高のピアノトリオ演奏だ!”朝日のようにさわやかに”はウィントン・ケリーの演奏と
よく対比されるのは衆知のことですよね。 今まで珍しいアルバムは
うちのwebで紹介してきましたが、ブログではみんなよく聴いている(当時にFlashでよくかかっていた)ジャズやボーカルのアルバムを中心に紹介していこうと思います。