67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

私的モブレイ1500番台ベスト!

2007-05-14 00:03:49 | jazz & vocal
Hank Mobley/Hank Mobley
(Blue Note 1568, KING reissue)


ジャズ喫茶でも屈指の人気盤"Dippin'"は後期モブレイのベスト,4000番台のワンホーン”Soul Station"はベストオブベストとすれば,1500番台初期からBNで活躍するモブレイの1500番台ベストとして挙げたいのがこのアルバムです。モブレイのこれぞテナーと言う逞しいグルービーなサウンドはもちろんですが,クラークの参加、オリジナルを2曲提供したCurtis Porterのプレイが聴けるなど聞き所が多く,他のモブレイの1500番台のアルバムから比べるとやや地味な印象ですが、渋み溢れるアルバムに仕上がっており愛聴盤となっています。

 あらためてメンバーに触れると、Mobley(ts), Curtis Porter(as, ts), Bill Hardman(tp), Sonny Clark(p), Paul Chambers(b), Art Taylor(ds)というセクステットです。A-1の"Mighty Moe And Joe"はポーターのオリジナルで最初からファンキーなプレイが全開です。ある意味このアルバムを象徴するかのような一曲と言えると思います。ポーターはアルトでこれにモブレイ,ビルがユニゾンで応える形式のテーマがエキゾチックですばらしいですね。ポーターの硬質なアルトが冴え渡ります。ビル,モブレイのプレイも良いし,次に出るクラーク、やっぱり君は最高だねと頷いてしまいます。あの艶やかな陰鬱でグルービー、メジャーとマイナーが交錯するようなフレーズ、これぞジャズピアノ!!(批判を浴びるのはわかっていますが)パウエルもモンクも自分のなかではクラークにはかなわない。続くスタンダードの"Falling In Love With Love"を挟んで,ミルト・ジャクソンのオリジナルブルース"Bags' Groove"に引き継がれます。こういうブルースはおてのもの。 マイルスの決定的名演もいいですが、この曲の名演に入れても良いような強烈なグルーブ感が得られますよね。ポーターはテナーに持ち替えますが,アルトの様な細かいフレーズで迫るポーターと,逞しくゆったりとしたメロディアスなモブレイとはタコ耳の自分でも比較的クリアに区別が出来ますね。B面のツウィンテナーのモブレイのオリジナル"Double Exposure",ラストのポーター2曲目のオリジナル"News"でも各人のソロはファンキーで「これぞハードバップ!」という仕上がりです。

 今までモブレイを登場させてなかったのですが、好きなアルバムが多すぎるのが原因でどれにしようか迷いに迷っていました。モブレイのリーダー盤はほとんどが当然の国内盤再発ですが、この盤は出ると知って嬉しくて発売日に買いにいったアルバムでもあります。オリジはスゴイ”音とプライス”でしょうね。おそらくずっとこのキング盤でしょうね(笑)。