五観の偈(ごかんのげ)とは、
主に禅宗において食事の前に唱えられる教え・諭しの文のことであるとか。
食においては
①いたずらに美食や暴食する貪欲、
②食に嫌悪や不満を発する狭量、
③食の意義や作法を弁えない愚昧を戒める
そういった教えのようです。
◎ 偈文
一つには、功の多少を計り彼の来処を量る
(この食事が、多くの人々や生命に支えられていることに感謝します。)
二つには、己が徳行の全闕と忖って供に応ず
(自らの行いがきちんとしているかどうかを反省して、食事をいただきます。)
三つには、心を防ぎ過貪等を離るるを宗とす
(食事の量や内容にかかわらず、正しい心で残さずいただきます。)
四つには、正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり
(食事は身と心の健康を保つための、一番の薬です。)
五つには、道業を成ぜんが為に應にこの食を受くべし
(自分の仏道修行、目標、責務を成し遂げるための食事です。)
●宗派よって偈文の読み下し(当然もとは漢文ですから)に若干の異同があるようです。
以前fbのお友達からお相伴に預かった「薬膳」
五観の偈と銘打ってありました。
その時は「なんて意味かしら?」と、思ったものの特に深くは考えませんでした。
こんなにも深い歴史と意味を持っていたとは。
学んで食すれば、いっそう「心」に深く刻まれることでしょう。
食することも修行の一環である。
わたしは、森羅万象すべてのことへの感謝を忘れてはいけない、との教えだと・・・自己解釈しました。
さて、本日もご訪問くださいました皆様ありがとうございました・・・・・