円高や電力不足、貿易の自由化の遅れなど、国内製造業を取り巻く、「6重苦。」が指摘されて、久しい。 厳しい逆風の中で、日本経済のけん引役だった、家電産業は、極度の不振に沈み、強かった、日本車も、ライバルの追い上げが急だった。
◇、逆風下でも、増産投資
だが、目を凝らせば、逆風を克服し、新たな成長の手掛かりをつかむ、企業も、現れ始めた。 歴史的な円高が、進む中で、11年末に、新工場を、国内で、稼働させた企業がある。
山梨県の忍野村に、本社を置く、工作機械メーカーのファナックだ。
生産ラインには、人の姿が、ほとんどなく、ロボットが、ロボットをつくる無人工場。 同社は、国内で、集中生産し、海外に輸出するという、伝統的な、事業モデルを続けながら、生産革新によって、40%近い、驚異の売上高営業利益率を、誇る。
●マツダは、中型車【充てん座。】の、米国での、現地生産を取りやめて、日本からの輸出に切り替た。
広島県などにある、同社の生産拠点は、別名「77円工場。」。 すなわち、円ドルレートが、1ドル77円の水準でも、輸出で、利益を出せる体制を整えたのだ。
カギを握るのは、「相似形の共通化。」と呼ぶ、新たな設計・開発手法だ。 クルマづくりの常識に反して、小型車から、大型車まで、サイズの違う車に、同系の設計レイアウト(配置)を、●採用することで、部品や設備の【単価】を、大幅に引き下げた。
巨人のひしめく、世界の自動車市場で、マツダは、小さな存在だが、企業規模とイノベーションを生み出す力は、必ずしも、比例しない。
サービスと製品を組み合わせて、競争力を磨く手もある。 三菱重工は、今春、韓国で、ガス発電設備10基の大型受注に、成功した。
同社の強みは、センサー技術を駆使した、遠隔監視サービスにある。
設備の生産拠点でもある、高砂製作所(兵庫県高砂市)に、監視ルームを設置、世界各地で、稼働する発電機の温度や、圧力のデータをチェックし、トラブルを防ぐ。
電力会社の最大の関心事である、設備の安定稼働を、支えているのだ。
こうした例は、ほかにも、たくさんある。 成功の要因も、各社各様だが、あえて、共通点を探せば、IT(情報技術)や、デジタル技術を活用し、従来型のものづくりと、癒合していることだろう。
遠隔操作は、大量のデータから、意味ある情報を引き出す「ビッグデータ。」の先駆け的なサービスであり、マツダなどの取り組みも、情報技術なくしては、難しかった。
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