知人のギタリストのK下さんは、『東京1極集中でなく、人は、地方に分散して住むべき。』として、田中角栄氏を評価しており、地方の山村に拠点を持っています。
私は、『経済成長の源泉であり、一番の推進力は、人口の大都市圏への移動である。』という意見が、好きです。
20世紀の歴史は、都市化が大きく進展した歴史でありました。 1950年には、世界の総人口30億人のうち、都市人口は、たかだか4億人ぐらいでした。
それが、2000年の時点で、60億人の人口のうちの28億人が、都市に住んでいます。 実は、人間の生産性を伸ばしてきたのは、この都市化でありました。
日本も都市化に関して、極めて高いパフォーマンスを示しています。 1900年迄、全体の16%だった日本の都市人口比率は、1960年に60%を超えています
いわゆる低開発国、発展途上国について見ると、40%まで行くのにさえ、相当の時間がかかっています。
都市に人口が移動することは、都会に移動した人にとっても、田舎に残った人にとってもプラスを生む行為であり、WIN-WINの関係にあります。
田舎に住んでいて、低賃金だったり、働き口がどこにもなく、全然食えなかったりした人たちが、都会に出れば都会の賃金を稼ぐようになりますし、田舎では、人が減り、労働力が相対的に貴重なものになり、その結果、残った人たちも、まともな賃金を稼げるようになるからであります。
実は、日本においても、人口の大都市圏への移動と、実質経済成長率は、きれいに相関しています。 大都市圏への人口移動が盛んであればある程、GDP成長率が高くなっており、大都市圏への人口移動が減少すると、実質GDP成長率も低くなっています。
人口の都市化が、経済成長の一番大きな推進力であって、日本は1960年代末ぐらいまで、高度成長を続けてきたわけであります。
ただし、大きな人口を都市で受け入れるには、あるインフラが必要です。 『鉄道』です。
鉄道には、ピークロード負荷が高くなっても、大丈夫という特性があります。 タクシーや自家用車やバスは、極端にピークロードを増やすことはできません。
しかし、郊外鉄道は、朝夕のラッシュ時だけ、乗客が増えても、それを吸収できる特性があります。 大都市圏に人が集中しても、交通網として破綻せずにやっていけるのが、鉄道なのです。
しかし、アメリカは鉄道を捨て、自動車で通勤するスタイルを選びました。 そのために、アメリカは没落し、鉄道を捨てなかった東京・大阪圏は、まだまだ都市のキャパシティに余裕を持っています。
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