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お客様の笑い声にこちらまで顔がほころびました!

2019-02-20 23:07:23 | 落語
いい旅、楽しい出会い
<< 作成日時 : 2013/07/28 23:09 >>

再録。

▼顔がほころぶ客の声
 「縁は異なもの味なもの」なんと申しますが、ひょんなことから知り合いになったり致しまして、とは、あたくしが落語「宮戸川」のマクラで用いる言葉だが、旅をするといろんな方と出会う。今回の夏油の宿でも、楽しい出会いがあった。

 「この度は夏油温泉をご利用いただきありがとうございました。また、楽しい落語をご公演くださりありがとうございました。お客様の笑い声がワっと上がるたびに、こちらまで顔がほころびました」。宿の支配人から早々に、こんなメールが届いた。

▼宿とお客と噺家と
 なに、世話になったのはこちらの方だ。広い和室を落語会のために2日間も提供してくれた。その上、落語会場の設営からチラシの掲示、開演直前の館内放送まで、お願いしたことはすべて引き受けてくれた。こうした宿の全面協力のおかげで、落語会を開くことが出来たと感謝している。

 落語が始まると、ハナからよく笑ってくれるおばちゃんがいた。ダンナは工務店の経営者。何でも三遊亭小円遊のカミさんが新宿でやっているスナックの改装工事を請け負った。出来上がる直前に小円右が天国に旅立ってしまい、代金はいただけなかった、と笑っていた。

▼大工の仕事を見た上で
 そのダンナと偶然、湯舟で一緒になった。会話の途中でおばちゃんの御主人と分かった。店を譲ったセガレには「店は大きくしなくていい。仕事の手を広げると、人手が足りなくなって、変な職人を雇うことになる。うちのような小さな会社は、客とトラブルを起こしたら大変だ。儲けは、そこそこでいい」と言ったそうだ。

 社長のセガレを含め社員は全部で5人だが、抱えている大工は17、8人。付き合いはみんな15年以上の者ばかり、とダンナ。左官などの職人はハッキリしていて、大工の仕事ぶりを見た上で仕事をするそうだ。

 だから、大工がキチンとした仕事をしていると、後の職人もちゃんとした仕事をする。しかし、大工がいい加減と分かると、それなりの仕事しかしない、とダンナは教えてくれた。

▼兄は副住職、弟は農業
 静岡から来た僧侶一家の3人は、脚腰が弱くなったおじいちゃんの面倒を2人の孫がよくみていた。「今どきの青年にはしては珍しくいい子たちですね」、と落語の友がしきりに感心。兄は副住職で、住職の父について現在、修業の身。弟は農業をやりたいそうだ。

 農家がせっかく作ったキュウリやナスが、「形がそろっていない」というだけで廃棄される。そんな野菜を生かしたいと弟。去年は震災ボランティアで10カ月ほど東北に行っていたという。彼は地球の温暖化にも、日本の食糧自給率の低さにも強い関心を持っている。こういう若者に期待したい。

▼いい旅、楽しい出会い
 初めて目の前で落語を聴いた彼は、「昨日の落語、最高でした! 東北に行くイベントや機会があったらお伝えします。相乗りで安くいけますので」とのうれしいメールを送信してくれた。

 2泊3日の夏油温泉。いろんな人との楽しい出会いがあった。今回もいい旅だった。

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 この若者は、私が応援している南三陸の「ホテル観洋」をよく知っていた。ボランティアはタダでここの温泉を利用できたそうだ。私は、若者が通っていた大学で約4年間、教えていた。不思議な縁である。

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