湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

枯の詩パート1&2

2019-02-13 00:00:39 | オリジナル
共通テーマ「枯」でZが書いた詩を投稿します。

枯れ木               

僕らは 根元から伐られた       
哄笑の火を 燃やす為  
薪炭にするのだろうか 
とにかくこの地は 移ろう森になった 
僕らが伐られた為 
森には 日差しが射し込み 
すみれ 野菊が 生い茂った 
そうした喧騒の間に 人知れず 発芽する木がある 
彼らは いくつもの業を消しながら 
いくつもの 枯れ木の間から 
地味な木は 枝を広げ 葉を広げ繁茂する 
下草や 低木が 享受する 日差しを そぎながら 
そう 照葉樹林が生い茂る 
彼らの下には 春 夏 秋がない 
彼らの下には 枯れ木さえもない 


続いて共通テーマ「枯」でSが書いた詩を投稿します。

秋の枯葉

だれも裁かず
目をあけたまま
落下していく 枯葉よ

手あかのついた
秋のバラードが
大きな秋の
地面の耳のなかで
動いている
魚のように

こんなところで
死にたくなかった兵士のように
のたうちまわっている枯葉

指を失くしたピアニストは
生きながら死なねばならない
筋書

「枯葉と秋」にくわしいという
教授たちがあつまっている
乾いた風景

終れないが終っている
枯れてはいないが終っている
枯れてはいないが死んでいる秋の枯葉
みごとな貧困よ
コメント
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