湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

詩「わたしの調理法」

2019-02-26 19:00:08 | オリジナル
Aが自由題で書いた詩を投稿します。

わたしの調理法

2LDKを用意し沸かします
はみ出さないように
広げほぐしながら押し込みます
浮いてきたらタイマーが動き出します
気長にかきまわします
吹きこぼれたら指図を投入してください
硬めのわたしは十三年
柔らかめのわたしは十六年で茹で上がり
火を止め蓋をして十年ほど蒸らします
それから有無を言わさずざるに上げ
すばやく冷たい水に晒し
大量の流水で揉み洗いして
ぬめった自己主張を取り去ります
更に氷水で冷やせば大人しくなります
つゆと薬味をあてがい
次の2LDKへ移します

※ご注意
水質により茹で上がりの時間が変わります
茹で時間または蒸らし時間が少なかったとき
湯量が足りなかったり多すぎたりしたとき
沸騰する前に入れてしまったときには
仕上がりに塩気が残ります 
硬さを確認するときは舌をやけどしないよう
一度冷水を浴びせてから噛んでください
本品は保存剤を使用しておりません
家に穴があいた場合変質することがあります
そのような場合の苦情は一切受け付けません

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