湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

こぼれるの詩パート3

2016-11-19 14:54:22 | オリジナル

逗子市民交流センター折紙シリーズ。現在飾ってあるのは馬たちです。ギャロップ感出てますね。
明日は逗子海岸流鏑馬。櫓の準備ができました。

では、共通テーマ「こぼれる」でIが書いた詩を投稿します。

5000億人の友達

何もない
誰もいない
光さえない
空間もない
時も流れない

何もない
誰もいない
光さえない
空間もない
時も流れない

ふと光がさした
大地が広がる
空が高くなる
水があふれる
風が呼ぶ

生きものや植物が育つ
動物や緑が育つ
いつのまにか
時も流れる

太陽がのぼる
太陽が沈む

星がささやく
星が消える

雨が降る
雪が降る
滝になる
川になる
河になる
海になる
水平線になる
地平線になる
砂漠になる

星座ができる
星も瞬く
飛べたらいいな
あの星まで行きたいな
そしてそれは、ロケットになる

音で遊ぼう
音どおし組合せる
そしてそれは音楽になる

あの時代まで
知らない未来の世界
そしてタイムマシンができる

食べたらうまい
これをかけたらうまいね
そしてそれは料理になる

言葉ができて
本というものができて
フロッピーに保存しよう

泳いで行こう
楽に泳いで行こうね
そしてそれは船になるのさ

身に付けてみる
服どおし組合せる
ファッション感覚が生まれる

どちらが勝つか
ルールがいろいろあるよ
スポーツやゲームが生まれる

先生がいる
生徒がいろいろ学ぶ
勉強や学問ができる

ロボットができ
ハイテクノロジーができ
テレポーテーションができる
村、町、国、
世界、宇宙

広がれ広がれ

文化、文明、芸術
伝われ 伝われ

ビルが集まり都市になり
大地には花が咲く

星、星座、
天の川、銀河
広がれ 広がれ

人が集まり創り出し
活用、応用する
技術、魔法、超能力

これらの行方は?
政治、経済、
社会、理科
どうなる どうなる

ビルが集まり都市になり
大地には花と散る

機械、進歩、発展して
これらの行方は?

人が集まり創り出し
活用、応用する
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失うの詩パート6

2016-11-18 11:11:23 | オリジナル
共通テーマ「失う」でAが書いた詩を投稿します。

理由を問うてはいけない

なぜと問うても答えは返らない
あなたには許せない事柄がある

あなたは私たちを失ったのか
私たちはあなたを失ったのか

日頃は主張しない
あなたの主義で
関係を失ったのだ

それについて
あなたが悩む必要はない
あなたはそこに留まる
悩むのは
反応された私たちだ
断られた私たちだ
それでも進む私たちだ
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失うの詩パート5

2016-11-17 21:59:09 | オリジナル
 秋のまんだら堂
共通テーマ「失う」でTが書いた詩を投稿します。

いのち

私の中には
失われた膨大な時間があり
私まで辿り着いた数知れない人々がいる
無辺世界の中
全てにつながれた私は
座標軸上の交点だ
交点が笑い 嫉妬している

次の点と交代し消滅するまで
灯台の灯りよろしく
自ら強く発光しなければならない

時々はおいしいものを食べたい と欲したり
抱きしめられたい と思ったりもする
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逗子ゆかりの文学の目印シール

2016-11-16 23:08:54 | 文学
今日は沼間のコミュニティセンター(旧沼間公民館)で、もっと知りたい逗子のまち講座・地域の変遷とゆかりの文学の講師をしました。
それに合わせて沼間コミセン1階にある逗子市立図書館沼間分室に、逗子ゆかりの作家が書いた逗子が登場する図書館資料を展示していただきましたよ。かわいくディスプレイしていただきありがとうございます。

講座終了後に写真を撮らせてもらったので、参加者が借りていった後で少し減ってますけど。
住んでいてよく知っている場所がどんなふうに書かれているのか、興味をもって読んでもらえるとうれしいです。
沼間での出張講座なので、写真に写っている林京子「谷間」「三界の家」に出てくる沼間についての記述を、講座の中で紹介しました。
図書館資料についてこんなお話もさせていただきました。
図書館に背表紙に小さい金色のシールが貼ってある資料があるのをご存知でしょうか。逗子が出てくる作品の目印です。どこに逗子が出てくるか、どんなふうに描かれているかを楽しみに読めるので、探してみてください。
図書館2階カウンターに「逗子が出てくる作品リスト」があります。リストでチェックして効率よく探すこともできます。
背表紙に青いシールが貼ってある本は、逗子ゆかりの作家・文化人が書いたものです。つまり青いシールと小さい金色のシールが貼ってあったら、逗子ゆかりの作者が逗子を舞台に書いた作品が載っているということになります。

実は私、借り出した比較的新刊の本を読んでいたら逗子の花火大会に行くシーンを見つけ、差し出がましくも返却時に伝えて、小さい金色シールを貼ってもらったことがあるんです。かなり色っぽい小説だったのでちょっと恥ずかしかったんですけど。
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白田彩乃展

2016-11-15 19:32:42 | イベント
 今日は横浜の画廊に行ってきました。
逗子に住む洋画家、白田彩乃さんの個展が開催されているのです。

仲通りギャラリー賞受賞記念展だそうです。右の大きな絵が受賞作です。おめでとうございます。
素敵な静物画を堪能させていただきました。
白田彩乃展 11月15日~20日 11:00~18:00(最終日~17:00)@仲通りギャラリー(横浜市中区南仲通4-39-2)
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小説の基にした詩

2016-11-13 23:01:04 | オリジナル
不確かな現実を生きている感触がある
よく分からないがそれがチャーミング
全体として魅力がある

今年の第46回神奈川新聞文芸コンクールで入賞したAの短編小説に対する山田太一さんの評です。

分からないことが魅力になるのは小説よりむしろ現代詩。以前書いた詩をベースにして書いた小説だったからかな。
それはこんな詩でした。

海山ドッペル

―ねえ、あなた昨日近所の山に登ってなかった?
―君、先週海で泳いでたでしょ
―そうそう、よく海とか山にいるよね
どれも私じゃございません
他人の空似でございましょう

ドッペルゲンガーを見たら死ぬのだそうだ
自分と全く同じ人間とはこの世で共存できないのだ
双子だって一生懸命互いに差別化する
キャラとルックスがカブったら片方が消えるしかないのだ
違う感覚、価値観、人生観、生い立ち、癖、趣味、センス、好み、言葉遣い、顔、声、動作
つまりは違和感のある人々に囲まれて
違和感隠して無難に接して
その気持ち悪さを振り切れないまま
死ぬまで生き続けるしかないのだ

この瞬間にドッペルゲンガーが現れてくれないかな
この人生を今すぐ交代してくださいよ
私は海か山の上空によろこんで消えますから
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書き過ぎ、説明し過ぎはNG

2016-11-12 21:33:56 | 
今日Aは横浜の神奈川新聞本社で開催された第46回神奈川新聞文芸コンクール授賞式に出席してきました。
短編小説部門で入賞したのです。審査員は山田太一先生(写真前列中央)。
 
現代詩部門にも応募したんですけどね…。
10月6日の神奈川新聞に載った現代詩部門審査員・廿楽順治先生の総評の前半が大変為になるので下に転記しておきます。
 詩は、油断するとつい言葉を書き過ぎてしまう。書けば書いた分だけ熱意が相手に伝わるような気がしてしまう。また、自分が思いついた発想とその意味を伝えることに夢中になって、ついつい説明し過ぎてしまうこともある。しかし、書き手の気分や発想、書きたかった意味を理解することと、詩を味読することはイコールではない。むしろ、冗舌や説明は読み手に苦痛を与え、詩から遠ざけてしまう場合がある。
 読み手の側から言えば「分かる」ということと「感動する」ことは似ているようで実は違う。笑いのことを引き合いに出して考えてもよい。人はどこがおかしいか、そのことの意味を理解してから笑う訳ではない。同じように、作品の意味を理解した後でなければ、感動はやってこないという訳ではない。


廿楽先生(写真前列中央)と現代詩部門入選者の皆さんです。
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自由題「鍵」

2016-11-11 08:37:19 | オリジナル
Kが書いた新作を投稿します。



鍵がかからない
鍵穴が動かないのだ…
身支度も整え
新しい靴も履いた
戸締も何度も確認した

時間がない
鍵を閉めたふりして行ってしまうか?
身勝手な言葉で叫び
嘘を言い放したまま飛び出してしまうか?
一刻も早く出かけたい

焦り 行き場のない現状に振り回される
指の間から大切なものがこぼれていく
もう鍵がかからないことなど
問題ではない
今日も又 出かけられない
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高村光太郎最後の彫像

2016-11-10 12:08:51 | 旅行
青森に行きました。旅の最後に十和田湖畔に着いたら雨が降ってきてしまいました。

乙女の像の除幕式が行われた昭和28年10月21日も雨でした。式典に出た作者の高村光太郎は清めの雨だと言ったそうです。
雨に洗われて紅葉も一層きれいです 詩碑も雨で清められて読みやすくなっているような。

十和田湖畔の裸像に与ふ   高村光太郎

銅とスズとの合金が立ってゐる。
どんな造型が行はれようと
無機質の図形にはちがひない。
はらわたや粘液や脂や汗や生きものの
きたならしさはここにない。
すさまじい十和田湖の円錐空間にはまりこんで
天然四元の平手打をまともにうける
銅とスズとの合金で出来た
女の裸像が二人
影と形のように立ってゐる
いさぎよい非情の金属が青くさびて
地上に割れてくづれるまで
この原始林の圧力に堪えて
立つなら幾千年でも黙って立ってろ。


彫刻家として完成させた最後の彫像になったこの作品の制作に、光太郎は強く厳しい集中力をもって臨んだのですね。
奥入瀬源流水とアップルラガーを飲みながら新幹線で帰ってきました。

※投稿時「最後の彫刻」としたところ、お読み頂いた方からその後記念メダルを彫ったこと、未完の彫像があることをお知らせいただきました。ご丁寧にありがとうございました。乙女の像は高村光太郎が最後に完成させた彫像であるという内容に変更させていただきました。
コメント (1)
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こぼれるの詩パート2

2016-11-09 12:18:50 | オリジナル
共通テーマ「こぼれる」でTが書いた詩を投稿します。

零れる滴

寡黙なあなたの言葉が
凍ったぶどう一粒からの滴のように
私の中へ零れ落ちる
丹念に掬い集め やがて発酵して
あなたの香りのアイスワインができる

突然 発病したあなたは
妄想世界に入り込んで迷ったまま
あなたは社会を失い
私はあなたを失った

あなたのワインを飲み干して
はじめて私は自分の言葉の滴を集め
自分の中で発酵させ
新酒のワインを作った
まだまろやかにはいかない
いつか私のアイスワインができたら
閉ざされた中にいる
あなたに届けたい
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