湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

陶展&私たちのポスター

2015-03-20 02:23:04 | イベント
美しい物を創作しようとする努力ほど、人間の魂を清めてくれるものはない (ミケランジェロ)
逗子文化プラザ・ギャラリーで智工房展を見てきました。智工房は桜山にある陶芸教室です。
講師の佐野智子さんの指導・技・センス・人柄のよさを反映しているのか、ここの生徒さんたちの作品は自由な個性があって可愛くて、見ていると気持ちが和むんです。

逗子文化プラザ1階ギャラリーで3月23日(月)まで11:00~18:00(但し最終日は~15:00) 第9回智工房陶芸教室陶展


そして文プラ向かいの交流センターで、掲示してもらっている私たちのポスターを確認。
 奥の方の掲示板のイベントジャンルのところに貼り出してもらっています。
過ぎていく日々を豊かにしませんか? 心を澄ませば詩は書けます
共通テーマで詩を書いて楽しく語り合いましょう
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芽の詩パート8

2015-03-19 00:12:50 | オリジナル
お題「芽」でTが書いた新しい詩です。

  希望

まだ緑はやってこない
色がばら撒かれ始めたのに

マスクやゴーグルを掛け
ナウシカの腐海を歩く
虫も鳥も直接に世界に触れて生きているのに
心も体もむき出しのまま晒すことのできない人間は
衰弱してしまった

カワセミはまっすぐ水に落下し
青緑の捕食行動は明快だ
ミモザは光源のように眩しい
沈丁花の香りは行きつ戻りつする季節の中を漂う
木々の枝先には緑が折り畳まれて格納され
爆発寸前だ
 
緑が来れば 緑が来れば
人々は回復するだろう

毎月、共通テーマで書いた詩の合評会をしています。
次の合評会は4月6日(月)14時~逗子市民交流センター1階で行います。見学・参加希望者は当日お気軽にいらしてください。
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ドラマ「ゴーストライター」大浜海岸で終わった~

2015-03-18 02:15:25 | 文学
昨日最終回を迎えたドラマ「ゴーストライター」。リサと由樹の関係やそれぞれのポジションが大きく変化していくところが面白かった~
昨年11月15日と12月21日に当ブログで取り上げた自費出版が、二人とも復活し文壇の女王が帰還し神埼編集長の裏をかいて逆襲する最終話の流れの鍵になっていました。いや~、素人の自己満足出版と大違いの上手な利用方法だわ! 帯も含めたPRを発行前に入念に行うのも大事なポイントだね!

重めの話があるとよく海岸で会っていたこの二人、最終回でも始めと終わりが葉山の大浜海岸での会話でした。

真名瀬を過ぎたあたりから葉山御用邸方面を撮ったこの写真だと、大浜海岸は矢印のあたり。手前は一色海岸です。静かでいい海岸です。なんたって気の流れがいいから、パワーを吸収しに来る人もいます。葉山の海は海岸近くにも小さい岩礁が顔を出しているのが特徴ですね。
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常識に同調しない

2015-03-17 11:47:20 | 
 丘から海を見る
子どもの頃、親から「そんなの常識だろう!」と言われるのが憤死したくなるほど苦手でした。
精神分析家木田恵子さんの「常識」分析を読んで、詩に通じているなぁと思いました。

常識ってのは大勢の人が同じように考えることでしょう。ただ、積極的な人は強く発言して、消極的な人は違うと思っても言わないから、どうしても積極的な人の考えでまとまっちゃうと思うんですよ。
表層の正論で決めつけてしまうと、深い考察は排除されてしまうのです。常識だろう君ィ、ってやられたらそこで議論は終わりますから、物事を本当に深く追究することができません。


頭の中の「非常識」は、声の小さい人の自由な楽園。
つまらなくって強い人に面と向かって声に出すよりも、詩という書き言葉にして表現していこう
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芽の詩パート7

2015-03-16 00:24:26 | オリジナル
お題「芽」でAが作った新しい詩を投稿します。

山椒

あなたがくれた罅の入った素焼きの鉢
植えられていたのは雄株の山椒
いくつも勲章を持っているあなたの
秘かな幻へのけちな施し 
実のなることがない矮小な木
鉢を叩き割り地面に植えた

葉が枯れ散り落ちて冬になり
強い南風の日が続き
潮風で枯れたと思っていた枝の節目に
ある日 虹色の硬くて小さな実を見つけた
枝はそっぽを向くように曲って
私と違う方を向いて大気を吸い 
地底から小さな弾丸を繰り出している
禍々しい輝きを放つ粒たちは
固い殻に覆われた虫のようだ
ああ、これは実ではない 
虫でもない 芽なのだ
棄てたつもりになっていたものが
しぶとく厳かに芽生えて
鋭い瞳で私を見つめている

あなたと擦れ違うことすらなくなった世界に再び
薄緑の筋と細かいギザギザの輪郭がつく
摘み取った手で挟み
ふくらませた掌の中で復讐のように叩いて
料理に添えて食べてしまう
誰にも言えないことの芽吹きを
秘密の放つ強い香りを
黙って止めなければならないから

毎月、共通テーマで書いた詩の合評会をしています。
次の合評会は4月6日(月)14時~逗子市民交流センター1階で行います。見学・参加希望者は当日お気軽にいらしてください。
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春琴抄の舞台、道修町

2015-03-15 14:25:06 | 旅行
一行の詩を書くためには、あまたの都市、あまたの人々、あまたの書物をみなければならない (リルケ)
旅行カテゴリーがあるのに今まで旅の記事をアップしていなかったことに気が付きました。
そこで今日は、大阪旅行の時に少彦名神社の前で見つけた文学碑を紹介します。
 春琴抄の碑(平成12年建立)
「中央公論6月号」と入稿判が押してある直筆原稿が使われています。文字サイズの指定は9ポイント。小さいですね。
下記のような説明文が刻まれています。
春琴抄(昭和8・1933年)は、谷崎が道修町を舞台に借りて、松子夫人に対する思慕を、架空の人物―幼時に失明した琴三弦の天才春琴と、彼女に献身的に使える佐助に託した、日本文学史上屈指の名作である。
舞台になった道修町は薬の町。町の名が読めなかったんだけど「どしょうまち」っていうんですね。

参道の脇にこの町で創業したさまざまな製薬会社の製品が展示してあるガラスケースが。社務所ビル内に「くすりの道修町資料館」もあります。
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影をテーマにした詩の合評

2015-03-14 00:02:30 | 
3月4日の合評会でTの「離れてしまった影」という詩について話し合ったこと報告です。
:作者の弁 :評者の弁
主語がなくて何(誰)のことなのか分かりにくくて読みとりにくいところがありました。
1~2行目は影のことで、3~9行目は影を追いかける人物のことです。
10~11行目は人類全体みたいなことなのね。ならばこの2行を独立した連にして強調すればよかったのでは?
最初と最後の2行が「離れてしまった影」のことなんですよね。人類から離れた影についてもう少し濃く強く描くか、影より薄くなった人間の存在を主題にして詳しく描くかして、メリハリをつければよかったんだと思います。どちら側から見て書くにしても、現代的・批評的でいいテーマなんですから。
イメージが優先で、自分でも説明ができない詩になってしまいました。もっと深く考えて書くべきでした。お題「羊」の時を境にスランプなんです

 逗子7丁目を歩く影
離れてしまった影 (再録)
晩夏の屋敷街を歩いていく
嫉妬や恨み、怒り、哀しみを抱え込んだ影
うしろを人が追いかけていく
うすっぺらな透明人間
内臓すら透けて
かすかに血管と神経だけが
根のようにうすく垂れ下がっている
走っても追いつけず
どんどん引き離されていく
架空空間で生き始めた人間は
もう影を連れて歩くことはできない
人の気配のまるっきりない昼下がり
動いているのは影だけ
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「芽」の詩パート6

2015-03-13 01:35:51 | オリジナル
芽をテーマにした競作詩、早くも6作目です。今日はAの作品です。

君が芽生えたせいで

生まれた時から晩年だった
全てに失望し退屈していた
物と心のあらゆる貧しさを見た
破滅するために努力してきた
自暴自棄の後悔に向けた航海だった

ある日
君の命を受け取るために両手を差し出した
開いた掌から蛾が飛び立った
美しい鱗粉が眩い君にかかり
その輝きに
唐突に未来を幻視した
君が芽生えたせいで
わたしはおかしくなったのだ
それ以来ずっと木の芽どき
多幸感が続くのは狂っている証拠

実は君と逢う前に逝こうとしていたんだよ
「死なずにいてくれてよかったよ
あなたが好きだから」
君はさらっと言った
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「芽」の詩&3.11キャンドルナイト

2015-03-12 00:00:51 | オリジナル
あの日の海も被災地の夜も冷たかった
と思えば、3月にしては寒過ぎる11日、なんともないですね
 昨日の「6万人のキャンドルを灯そう」@亀岡八幡宮

では、共通テーマ「芽」で書いた詩のパート5をどうぞ。詩と版画はT作。

日々の中

楽園から戻ると
日常はすっかり変質していました
夫が別人でした
過剰なサービス 軽やかな動き
軽佻浮薄になる
不気味な前触れなのでした
根絶したと安堵していた「芽」が
頭をもたげ 育ち始めていたのです
根は奥深くに潜んでいて
ある日 甦ったのです
私の不在が肥料になったのでしょうか

日々芽は成長し
夫の全ては「躁」に乗っ取られてしまいました
自分をコントロールできない夫の
予測不可能な行動を監視 規制することは
困難になりました
入院 入院 入院 9回目です

毎回 私に恋をして
「アイラブユウ」と叫びます
あの芽のしわざです
芽が摘み取られると
夫の中で晴れやかな言葉は全て消失します
歪んだ時間などなかったかのような
ありふれた日常が戻ります

結婚40年目です


毎月、共通テーマで書いた詩の合評会をしています。
次の合評会は4月6日(月)14時~逗子市民交流センター1階で行います。見学・参加希望者は当日お気軽にいらしてください。
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椿書房の記事

2015-03-11 00:03:51 | 
 逗子銀座のお店でもらった商店街ガイド
4ページに椿書房の紹介記事が。椿書房は地元の出版物に力を入れています。掲載写真で店主の中島さんが手に持っているのはすべてこの地域に関わりのある本。土谷精作「随筆歴史あれこれ 鎌倉の吉田松陰」、柳沢光二「葉山にて 絵葉書のなかの葉山」、そして向かって右の黄色い表紙が「北斗七星」第5号です。

「北斗七星」は逗子を拠点とする北斗七星の会の文芸同人誌。これにはTとKの小説とT・A・Kの詩が載っているのだ
Tの小説が載る第6号も現在制作中です。
ということで、今日は「北斗七星」第5号からTの詩を転載します。

理由

あなたは私の中の闇の扉を開けて
灯りをかざし 入り込もうとする
私の止める手を振り払って
まるで支配者のように突き進む
私の気持ちなど意に介さず
自分の想いのままに 私の中にやってくる
私を独り占めするために
周囲には嫉妬をあらわにする
私はそんなあなたが嫌いだ
たまらなく嫌
それなのに
なんで  という目をして
あなたは私を見つめる
どれ程の言葉をついやしても
あなたには届かない
だから 私は
小舟にあなたを乗せ
私の闇の一番奥にある深い湖に浮かべ
そして沈めた
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