芽をテーマにした競作詩、早くも6作目です。今日はAの作品です。
君が芽生えたせいで
生まれた時から晩年だった
全てに失望し退屈していた
物と心のあらゆる貧しさを見た
破滅するために努力してきた
自暴自棄の後悔に向けた航海だった
ある日
君の命を受け取るために両手を差し出した
開いた掌から蛾が飛び立った
美しい鱗粉が眩い君にかかり
その輝きに
唐突に未来を幻視した
君が芽生えたせいで
わたしはおかしくなったのだ
それ以来ずっと木の芽どき
多幸感が続くのは狂っている証拠
実は君と逢う前に逝こうとしていたんだよ
「死なずにいてくれてよかったよ
あなたが好きだから」
君はさらっと言った
君が芽生えたせいで
生まれた時から晩年だった
全てに失望し退屈していた
物と心のあらゆる貧しさを見た
破滅するために努力してきた
自暴自棄の後悔に向けた航海だった
ある日
君の命を受け取るために両手を差し出した
開いた掌から蛾が飛び立った
美しい鱗粉が眩い君にかかり
その輝きに
唐突に未来を幻視した
君が芽生えたせいで
わたしはおかしくなったのだ
それ以来ずっと木の芽どき
多幸感が続くのは狂っている証拠
実は君と逢う前に逝こうとしていたんだよ
「死なずにいてくれてよかったよ
あなたが好きだから」
君はさらっと言った