湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

「芽」の詩パート4

2015-03-10 00:12:08 | オリジナル
小池昌代の小説「わたしたちはまだ、その場所を知らない」の冒頭にこんな記述が。
 彼女は高村光太郎という人を、道徳の先生のようだと思い、もっとぐにゃぐにゃした不良のような、萩原朔太郎という詩人のほうを、ずっと好んだ。けれども光太郎の詩で連打される「か」行の音――きつぱり、来た、きりきり、込む――が、冬の空気にぴったりだと、なんとはなしに気に入っていた。
冬が「か」行なら芽吹きの春は「は」行でしょ!と思ったAが作ってみた詩を投稿します。

は行の季節

雲雀の複雑な節回し
羽ばたきと風の平穏なハーモニー
葉っぱが溌剌と生え出ている
陽が降り注ぐ肥沃な原っぱは
踏むとフカフカしている
馥郁とした香りが鼻に届く
畔の花はポップなピンクと富貴なホワイト
やがて肥料となって次の発芽を励ます
昼の豊潤な光が輻射し
ふっくら肌の福神が
ハイにふんわり浮遊する 
春 春 春
否定も批判も必要ない
悲嘆に暮れてる暇はない
不吉な不安は吹き飛ばし
不平不満を振り切って
春 春 春 春 春野原

コメント
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