湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

美の詩パート8

2015-12-02 00:00:00 | オリジナル
共通テーマ「美」でEが書いた詩を投稿します。    

    11月の公園
薄暗くなっていく公園が
わたしを手まねきしている
自慢したくて仕方ないのだ
フェンスやベンチ 水飲み場のタイルや遊具を
最近 リニューアルしたものだから
気がつくこともなく通り過ぎるわたしに
一陣の北風となって両手を広げ
わたしの足元をぐるぐると巻いてゆく
あまりの寒さに軽く舌うちし
顔をあげると そこには
桜の木がしなやかに伸びている
幾枚もの茂っていた葉は
緑からポツポツと色がぬけ
やがて赤く色づく
すっかり落ちきったあとには
小さくともしっかりした芽が残り
凛として空に広がっている
そんな姿に心をうばわれ
見あげているわたしを打つ北風は
おまえのねたみのつぶやき
まいあがりわたしの目に入る砂は
造形物のおまえの悲しいなみだ
わからないか?
人は おまえの中に
美しく花ひらく木を植えていることを
コメント
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