575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夕焼けを見しより人の無口なる   遅足

2013年08月05日 | Weblog
言葉を無くすような暑さか、赤さか・・・。状景が浮かびます、と結宇さん。

夕焼けをじっと見ていたことがあります。
落日直後の空。とても寂しい世界。でも、どこかに安心感がある。
自分より大きなもの。超越したものが確かに存在するのだ。
そんな気持ちになりました。

自己のなかの勝手なオシャベリが消えました。
無の一端に触れた、という気持ち。
人間としての私は無口になったのです。

すぐにオシャベリにもどります。
いろいろ悩んだり心配したり喜んだり・・・
でも時々は無口になることも。

この句、散文的に表現すれば

 夕焼けをみて私は無口になった。

です。これを韻文にしました。
もう一つ、「私」を「人」に変えました。
コトバを少しずらしました。出来るだけ共感を得るために。
レトリックの一つだそうです。
いつもは無意識にやっていることですが・・・
コメント
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