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永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(屠蘇)

2009年07月29日 | Weblog
 屠蘇(とそ)

 平安時代にさまざまな年中行事が誕生しました。その多くは、中国の古習に則ったもので、悪疫を防ぎ、病魔の退散を祈り、延命長寿、無病息災を祈る行事でした。屠蘇の風習も、中国で生まれた災難予防や疫病逃れの呪術儀式が、日本でも平安貴族の迷信深い思想によって広まり、やがて経済的なゆとりを持った江戸時代の庶民に育てられ、現代の年中行事として伝わっています。

 屠蘇とは「邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇(よみがえ)らせる」ところから名付けられたと言います。「悪鬼・疫病を治し、邪気・毒気を払うとされて、一人でこれを飲めば一家に疫なく、一家でこれを飲めば一里に疫なし、元旦にこれを飲めば一年間病気にかからない」と信じられてきました。

 屠蘇散の処方は、書物によって違いますが、一般的にはオケラの根(白朮)・サンショウの実(蜀椒)・ボウフウの根(防風)・キキョウの根(桔梗)・ニッケイの樹皮(桂皮)・ミカンの皮(陳皮)など、身体を温めたり、胃腸の働きを助けたり、風邪の予防に効果的といわれる生薬を含んでいます。もともと、薬のトリカブトの根(烏頭)や下剤のダイオウ(大黄)なども加えていたようですが、現在の処方には激しい作用の生薬は含まれていません。


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