永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(4)

2008年03月31日 | Weblog
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 源氏物語の内容は、光源氏の生涯を描いた前編と、後編、つまり源氏の死後、薫を主人公とするものとに大きく分れる。さらに前編は光源氏の出生から、貴族の
生活を背景に華やかに上り詰めて行く縦の年齢に合わせ、さまざまな女性を横に配して、一話、一話が成されている。

学校の授業で『源氏物語』を読むとき、光源氏の最も美しい青年期の場面、例えば「若紫」(5巻・源氏18歳)などが多いのではないでしょうか。学生の年齢に合わせても。源氏は帝と桐壺の更衣の子ですが、母が早世し後ろだてのいない身となったので、父の帝は将来を思って源姓を賜い、臣籍に下したのでした。たぐいまれな美しい青年になり、光輝くばかりに、人は「光君」と呼んだのでした。

私たちが今読んで居るところの「夕霧」は、39巻・源氏50歳になっています。
この間のたくさんの巻を読むことにより、光源氏の生き方、内面はもとより、周りの人々の生き方、この時代のものの考え方、生死感が大きな魅力です。
この「夕霧」(源氏と葵の君の子)の巻にくると、父源氏との力関係が逆転しつつあるのを感じます。この先、「御法」でいよいよ紫の上の死を迎えます。

源氏物語を読んできて(3)

2008年03月30日 | Weblog
3/30
 源氏物語は長編で、月1回の読書会なので、かれこれ数年を費やしています。はじめの方は大分忘れているので、自分なりに振り返ってみようと思います。
先生の本で見てみます。
「物語の名称」
  『源氏物語の本来の呼び方は、「源氏の物語」という風に、「の」の字をいれたものであろう。……。主人公の名前に由来する。これらは略して、「源氏」とも呼ばれた。源氏物語は、別に「紫の物語」又は「紫のゆかりの物語」と呼ばれた。どちらにしても必ずしも作者自らが命名した書名であるとは言えない。』(池田亀鑑監修・源氏物語)
源氏物語五十四帖といいますが、若菜の巻は上下2巻、雲隠の巻は、名ばかりで
何も書かれていませんが、始めからなのかどうか分かっていないようです。千年前の原本は無く、写本でしか伝わっていないのです。それで今も作者は男性であると信じて居る人もいて、紫式部と断定していいものか…という話しもあるのです。

源氏物語を読んできて(1)(2)

2008年03月23日 | Weblog
3/23 夕霧は29歳、雲井の雁31歳、柏木の未亡人二宮25歳、この3人の心理描写が大変面白い。夕霧は強引に二宮を第二の妻にしようとあれこれたくらむのです。おそらくこの部分の感想は男性と女性では真っ二つに分れるという皆の意見でした。雲井の雁のやきもちが可愛いです。

源氏物語を読んできて

2008年03月23日 | Weblog
私たちの読書会は、かれこれ30年になります。古典文学の、伊勢物語、更級日記、蜻蛉日記、と全文を原文で読み、解釈し、感想を話し合ってきました。先生の講義を聞くだけでなく、まず自分たちで読み、通釈をすることで続けてきました。
現在は「源氏物語」夕霧の巻。読みゆく程に、紫式部の作家としてのすごさを感じます。5月には、5人で宇治をたづね、奈良を歩いてきます。