大津波が来ても地表にとどまり、かつ命を守る。高所に逃げろという津波常識を打ち破る逆転の発想ではないかと思います。高知県沿岸部などでは、想定高からみてまず逃げられないのです。
ネットで調べてみました。やはり高知県がいちばん真剣に取り組んでおられる。7月21日読売、8月20日産経報道などです。
避難所案は大きく分けると、カプセル型とシェルター型の2案。ひとつは海難用救命艇の改良です。実際に大型船が積み込んでいる「ノアの方舟」です。強化プラスチック製のカプセル。25人乗りで1週間の漂流に耐えることを想定している。
この艇の改良型開発がひとつの方向です。建造費は1艇600万円。国土交通省が現在、開発研究しているそうです。今年度中に試作品ができるという。
どうも問題は、激しい揺れに高齢者や病人が耐えられるかということ。それと狭い密封空間に何日もじっとしておられるか? よほど健康で元気でなければ耐えられないのかもしれません。船酔いは強烈でしょう。
つぎの案は、シェルター型です。3タイプが考えられています。建設費用はいずれも数億円。専門家は、どの案にも技術的な問題はないとしています。
①<地下型>海底トンネル用の箱を埋め込む。床面積330平米で、100人以上収容。ひとり当たり床面積は2平米。電源は蓄電池。圧縮空気や酸素用のボンベが必要。
②<地上型>完全地下型では「穴底に逃げたい」という住民の意識が低くなってしまうようです。確かに水漏れを起こすと水棺になってしまいますし、酸素の供給に不安はないか? 津波で壊されなくても酸欠になってしまってはたいへんです。そこで地上型あるいは半地下型なら、外気を取り込めるといいます。
③<崖横穴縦穴式>崖や山腹に横穴トンネルを90米ほど掘り、奥に広いホールを構える。地表に向けて長い縦穴も備える。この階段をよじ登れば、高所の地表に出ることもできます。空気や電気は縦穴から取り入れる。
シェルター型の問題点も多い。だれが、どのタイミングで閉めるか? 大問題です。しかし地上避難という案を、それがために諦め放棄するのは、まだ早すぎるのではないでしょうか。
高知県の担当者は「扉を閉める際の基準を考えたい。また密閉空間で長時間過ごす不安感やパニックなど、心理的な影響も検討が必要だ」
国土交通省の技官は「住民が使いたくないと感じた瞬間に、ただのガラクタになってしまう。安全性を信用してもらえるかが大きな課題」
高知県の津波避難シェルター技術検討委員会の委員は「最初からひとつの案だけに決定して、ほかの案を排除するのではなく、さまざまな可能性を探り、不利な点にどう対処すべきかを考えればいい」。わたしもこの意見に賛成です。
高知県のホームページによると、10月に概略の設計図や工事費用などが発表されるそうです。いずれにしろ、世界初の津波避難所建設計画です。成功すれば、海外の危険津波地帯住民に向けて、人命救助での国際貢献になるはずです。日本こそ、津波対策先進国を目指すべきです。
<2012年9月9日>
ネットで調べてみました。やはり高知県がいちばん真剣に取り組んでおられる。7月21日読売、8月20日産経報道などです。
避難所案は大きく分けると、カプセル型とシェルター型の2案。ひとつは海難用救命艇の改良です。実際に大型船が積み込んでいる「ノアの方舟」です。強化プラスチック製のカプセル。25人乗りで1週間の漂流に耐えることを想定している。
この艇の改良型開発がひとつの方向です。建造費は1艇600万円。国土交通省が現在、開発研究しているそうです。今年度中に試作品ができるという。
どうも問題は、激しい揺れに高齢者や病人が耐えられるかということ。それと狭い密封空間に何日もじっとしておられるか? よほど健康で元気でなければ耐えられないのかもしれません。船酔いは強烈でしょう。
つぎの案は、シェルター型です。3タイプが考えられています。建設費用はいずれも数億円。専門家は、どの案にも技術的な問題はないとしています。
①<地下型>海底トンネル用の箱を埋め込む。床面積330平米で、100人以上収容。ひとり当たり床面積は2平米。電源は蓄電池。圧縮空気や酸素用のボンベが必要。
②<地上型>完全地下型では「穴底に逃げたい」という住民の意識が低くなってしまうようです。確かに水漏れを起こすと水棺になってしまいますし、酸素の供給に不安はないか? 津波で壊されなくても酸欠になってしまってはたいへんです。そこで地上型あるいは半地下型なら、外気を取り込めるといいます。
③<崖横穴縦穴式>崖や山腹に横穴トンネルを90米ほど掘り、奥に広いホールを構える。地表に向けて長い縦穴も備える。この階段をよじ登れば、高所の地表に出ることもできます。空気や電気は縦穴から取り入れる。
シェルター型の問題点も多い。だれが、どのタイミングで閉めるか? 大問題です。しかし地上避難という案を、それがために諦め放棄するのは、まだ早すぎるのではないでしょうか。
高知県の担当者は「扉を閉める際の基準を考えたい。また密閉空間で長時間過ごす不安感やパニックなど、心理的な影響も検討が必要だ」
国土交通省の技官は「住民が使いたくないと感じた瞬間に、ただのガラクタになってしまう。安全性を信用してもらえるかが大きな課題」
高知県の津波避難シェルター技術検討委員会の委員は「最初からひとつの案だけに決定して、ほかの案を排除するのではなく、さまざまな可能性を探り、不利な点にどう対処すべきかを考えればいい」。わたしもこの意見に賛成です。
高知県のホームページによると、10月に概略の設計図や工事費用などが発表されるそうです。いずれにしろ、世界初の津波避難所建設計画です。成功すれば、海外の危険津波地帯住民に向けて、人命救助での国際貢献になるはずです。日本こそ、津波対策先進国を目指すべきです。
<2012年9月9日>
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