ふろむ播州山麓

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尖閣の中国漁船軍団

2016-08-10 | Weblog
日本経済新聞8月10日電子版です。編集委員の中沢克二氏の記事「中国公船が操る漁船230隻と習近平氏の狙い」。ダイジェストで紹介します。  


 中国海警局の公船と中国漁船が軌を一にして尖閣諸島の領海に侵入した。同時進入は歴史的にも初めての事態だ。接続水域には230隻もの中国漁船が集結。一時は15隻の公船が領海と接続水域にいた。その一部は機関砲に似た武器を搭載している。意図的に緊張をつくり出す異常な行為だ。
 特に230隻の中国漁船というのは驚くべき数である。中国当局の明確な指示がなければできない“集団行動”と言ってよい。(以下略)


 ずいぶん前ですが、雑誌「正論」(2011年2月号)に用田和仁氏寄稿「国民よ、中国の脅威を直視せよ」が掲載されました。用田氏は2010年まで、陸上自衛隊・西部方面総監だった方です。以下、ダイジェストで引用します。


 軍事的に見るならば、海上における南シナ海や尖閣の動きの中で海上民兵といわれ、平時は漁民だがいざとなったら軍人として正規軍の渡海・上陸作戦を支援する「多数の漁船群」に着目しなければならない。これらと旧軍艦等の監視船、そして現役の軍艦が役割を分担して行動している。ちなみに海上民兵は、小型漁船の二百から二百五十隻で一個歩兵師団を運ぶ(中国軍事雑誌「艦船知識」2002年)といわれているので、それらが島嶼へ侵攻する場合の先導とし、まず港湾に殺到して来る。尖閣のまわりでは、すでに2010年8月から二百七十隻の漁船が操業し、その内の約七十隻が日本領海にいた。見方を変えると尖閣諸島は、約一個師団の海上民兵に長く包囲されていたことになる。漁民の保護、すなわち国民の保護という大義名分で戦争に及ぶのは、古典的な常套手段である。このやり方でいくと、南西諸島まで戦火を拡大することは、いとも簡単なことである。中国は「人海戦術」を得意とする。


 日中間の尖閣紛争が起きた当時、合計1000隻の漁船での襲来計画が準備されていたという。イナゴの大群のごとき船団、実に千隻は4個師団体制にあたる。海上保安庁でも警察でもまた自衛隊でも、雲霞のごとく押し寄せる自称漁民の大軍を防ぐことは困難なはずです。
<2016年8月10日 南浦邦仁>
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