ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

決定版エボラ熱特効薬!!

2014-11-22 | Weblog
 富士フィルムの子会社が対エボラの特効薬ワクチンを開発したとか、世界数社の製薬会社が開発を急いでいるが、どれも間もなく承認されるだろうとか伝わってきます。一日も早く、西アフリカの庶民にまで薬品配布がはじまり、流行のおさまることが望まれます。
 ところがつい先日、ブルームバーグが報じた「水分補給で治る」という記事には驚きました。4リットルの水が特効薬だそうです。


「エボラからの回復、1日4リットル以上の水分補給が鍵」
 11月17日(ブルームバーグ):エボラ出血熱にかかった人が助かるために今できる最良のことは「飲む」ことのようだ。

 治療薬やワクチンが準備できるのは少なくとも数カ月先になるとみられる中で、医療関係者らはエボラを克服する最良の方法を回復した患者たちから学ぼうとしている。その結果分かったのは、1日4リットル以上の水分補給用飲料を摂取するのが最重要だということだ。これは誰にとっても容易ではないし、特にひどい吐き気に見舞われているエボラ患者には難しいが、これが生き残りの鍵だという。
 シエラレオネでエボラについて世界保健機関(WHO)に助言するサイモン・マーデル医師は「エボラにかかると、非常に短時間で脱水状態になる。そして悲劇的なのは、何か飲みたい気持ちにならないことだ」と話した。
 ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に先週発表された研究が、積極的な水分補給が米アトランタのエモリー大学病院で治療を受けた医療関係者2人の回復の鍵だったことを示した。マーデル医師とWHOの同僚がナイジェリアで回復した12人中6人に対して行った聞き取り調査も、水分摂取の重要性を示したという。
原題:Beating Ebola Hinged on Sipping a Gallon a Day, Doctors Say (1)(抜粋)
<2014年11月22日>
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ナイジェリア・エボラ熱との戦い

2014-11-16 | Weblog
 ナイジェリアではエボラ出血熱との戦いはどのようになされたのか? 共同通信が11月14日に配信しました。

 見出し「エボラ熱終息のナイジェリア 『疑い』で隔離 奉功 公共の利益優先 接触の医師犠牲」 

 世界保健機関(WHO)の12日の発表で死者が5千人を超えたエボラ出血熱には有効性が確認された治療薬やワクチンがなく、感染者の早期発見と隔離が抑え込みの成否を分ける。7月に感染が飛び火したナイジェリアが10月に流行終息にこぎ着けた背景には、「公共の利益」を優先して感染確認前から患者を隔離し最大都市ラゴスでの大流行を未然に防いだ私立病院の判断があった。
 7月20日夜。ラゴスの繁華街にあるファースト・コンサルタンツ病院に、リベリア財務省に勤めるパトリック・ソイヤー氏(40)が空港から搬送されてきた。症状は発熱と頭痛。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の会議出席のため入国した直後だった。
 ベンジャミン・オヒエリ院長(70)によると、約40床の小さな病院が選ばれたのはECOWASの指定病院だったことと、ほかの大半の病院が医療関係者のストで閉鎖状態だったからだ。
 ソイヤー氏は「マラリアが再発した」と説明。だが薬を投与し翌日になっても症状が改善しない。眼球に浮かんだ赤い斑点と血尿に気付いたステラ・アダデボ医師(57)が「エボラ熱かもしれない」と疑い始めたという。
 ソイヤー氏は妹がエボラ熱で死亡したことを隠していた。アダデボ医師は感染の恐れがある人が人口約1千万人のラゴスを歩くのは危険と考え、院内にとどまるよう伝えた。
 「重要な会議があるんだ」。ソイヤー氏は隔離措置に怒り狂って点滴の管を抜き、病室内に血が飛び散った。院長は「あれで何人か感染しただろう」と苦々しげに振り返った。
 院長によると、リベリア大使館関係者は病院に対し、事実上の監禁であり「外交問題になる」と警告、法的措置を取る構えも見せた。悩んだアダデボ医師らは弁護士と相談したが、公共の利益のために隔離措置を続けるべきだと結論付けた。
 数日後に感染が確認されソイヤー氏は死亡。ナイジェリア初のエボラ熱確認例となり、アダデボ医師の判断で接触者が最小限に抑えられたことが証明された。WHOは10月20日に同国での感染終息を宣言。感染者は20人、死者8人だった。
 だが代償は大きかった。医師ら計12人が感染、うちアダデボ医師や妊娠中の看護師を含む6人が死亡した。病院は約2カ月間閉鎖を強いられ、再開後に戻った患者は以前の約1割だ。院長は「機材をほとんど入れ替え、消毒しても、エボラ熱患者がいたという汚名は消えない」と肩を落とす。
 来年引退し、21年間共に働いたアダデボ医師を後継者にするつもりだったというオヒエリ院長。「経済的損失のことをよく聞かれるが、本当の損失はアダデボ医師のような貴重な人材だ。今でも彼女が毎朝、部屋に入ってくる気がしてしまう」と寂しそうに笑った。(ラゴス共同=稲葉俊之)
<2014年11月16日>

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エボラ熱に勝利したナイジェリア

2014-11-02 | Weblog
 エボラ出血熱の拡散はこれからどうなるのでしょう。いまだに感染が終息しないのはリベリア、ギニア、シエラレオネ。隣接する西アフリカの3カ国です。
 ナイジェリアでは20名が感染し、半数近くが死亡しました。しかし10月20日にはWHOが終息を宣言。いかにエボラに勝ったのか? ナイジェリアではまず国内の患者全員について感染経路をたどることに成功したそうです。最初の感染源が、リベリアから入国してウイルスを持ち込んだ男性であることを突き止めた。病院側は男性と押し問答になったが外出を許可せず、これが感染拡大を防ぐうえで大いに役立ったといいます。その後、ナイジェリアでは感染者と接触があった約900人すべてをモニターし、経過観察を行って感染が拡大していないことを確認した。

 Slashdot「ナイジェリアはどうやってエボラの感染拡大を阻止したか」記事を紹介します。若干編集していますが、全文は文末のhttp.からご覧ください。


 ナイジェリアではリベリアから入国した1名のエボラ出血熱患者から感染が広がり、計20名の感染者のうち8名が死亡する事態となった。ただし、最後に感染者が確認された9月8日以降は新たな感染者が出ておらず、10月20日にはエボラウイルスの最大潜伏期間の2倍にあたる42日間が経過。世界保健機関(WHO)は20日に終息宣言を出した。
 ナイジェリアに最初のエボラウイルス感染者、Patrick Sawyer氏が入国したのは7月。ラゴスに到着したSawyer氏は空港の到着ロビーで気を失い、病院に運ばれた。報道によれば、感染者との接触はなかったとの申告によりマラリアとして治療を行ったが、効果がなかったため医師がエボラウイルスの検査を行ったところ陽性と判明したという。Sawyer氏は到着してから5日後に死亡したが、治療に当たった病院スタッフのほか、同じ旅客機に搭乗していた72名の乗客や空港の利用者、病院の患者などに感染の可能性があった。
 ラゴスは人口2,100万人と推計される大都会で人の出入りも多く、感染拡大が懸念されたが、保健当局では「Contact tracing(PDF)」という方法を用いて阻止に努める。この方法では、感染者が接触した人を全員特定して経過観察を21日間行い、症状が現れなければ感染リスクなしとみなす。経過観察中には隔離を行わず、保健当局への定期的な状況報告を義務付け、報告がない場合は地域の人々や保健スタッフによる確認が行われる。症状が現れた接触者は検査結果を待つことなく治療施設に隔離し、さらに接触者を特定。新たな接触者も同様に21日間の経過観察を行う。
 この方法では接触者全員を特定できるかどうかが重要となる。ナイジェリアでは大統領が非常事態宣言を出したことから、患者の通話記録などへのアクセスや、警察による接触者の捜索も可能となり、900名近い接触者が特定できたという。
 なお、セネガルでは8月に1名の患者が確認されたが9月5日には治癒しており、接触者に感染が拡大することもなかったとのことで、9月17日にWHOが終息宣言を出している。

参考
http://slashdot.jp/story/14/10/17/2035224/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%81%AE%E6%84%9F%E6%9F%93%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%82%92%E9%98%BB%E6%AD%A2%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%8B
<2014年11月2日>

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