ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

日本列島襲来・17大津波の各地高

2024-06-29 | Weblog

 この連載欄で12年ほど前、津波の高さ記録を載せました。過去300年ほどの間に日本列島を襲った17大津波、高さ3ないし5メートル以上の各地記録の一覧表です。結構時間をかけて作成した一覧表ですが、残念ながらあまり注目されなかったようです。しかし各地域で生活されている住民の方々には、きっと何らかの形で参考になろうと思い、いくらか書き換えてまたもや再録します。

 なお2011年3月11日の大津波については、5メートル以上のみを記しています。また岩手県と宮城県の記録もすべて5メートル以上に限定しました。あまりにも膨大な表になってしまうためです。ご容赦ください。その他の地域は3メートルを掲載。

 ただ注意すべきは、ここに記したのは1703年以来、わずか300年間ほどの記録です。歴史文献に津波高の記載は残っていませんが、最近注目された869年の貞観津波は東北地方東部に甚大な被害を及ぼしています。

 津波高の記録は不明ですが、1498年の明応津波、そして1605年の慶長津波も東海沿岸にたいへんな災害をもたらしています。

 そして地質学の調査、津波考古学も新しい発見をもたらしつつあります。古くは2000年ほど前の弥生時代、とてつもない巨大津波が南海から東南海地方を襲撃しています。下記300年間の記録はいつか間違いなく更新されます。

 

<注1> (数字)は福嶋第1原発近隣の測定値。

 東京大学大学院の藤槇司教授(海岸工学)研究グループが福島県と共同で、福島第1原発に近い地域の津波痕跡調査をはじめて実施した。南相馬市から県南部の楢葉町までの警戒区域約40キロの28カ所。 調査期間は2012年2月6日7日。 (数字)はその発表波高。<2012年2月19日報道>

 

<注2> 「数字」は中央防災会議発表の推計値。

 内閣府中央防災会議は南海トラフ巨大地震による津波高推計値を発表しました。10メートル以上を追記します。「数字」はその推計値です。これまでの予想値をかなり上回ります。たとえば高知県黒潮町 34.4メートル。<2012年4月1日報道>

 

<注3> 【数字】は内閣府発表の被害想定。

 内閣府は昨日、南海トラフ巨大地震津波の被害想定を発表しました。市町村別想定津波高2m以上がホームページ「内閣府・防災情報のページ」に載っています。「南海トラフの巨大地震に関する津波高・浸水域、被害想定の公表について」2012年8月29日発表、「都府県別市町村別最大津波高一覧表<満潮位>」。 2m以上ですのでたくさんの市町村が並んでいます。あまりに多すぎますので、今回は4月と同様、10m以上のみを【数字】で表示します。   ぜひ内閣府ホームページをご覧ください。これまでほとんど注目されていない地域が載っています。たとえば瀬戸内海沿岸では、大阪府4~5mが多い。兵庫県淡路島6~9、尼崎西宮芦屋市各5。岡山県、広島県各地4。山口県各地5。被害予想は32万人以上が死亡、その7割が津波被害といいます。とんでもない数です。<2012年8月30日報道>

 

 

一覧表の記述について、

 (数字)/福嶋第1原発近隣の測定値。

 「数字」/中央防災会議発表の推計値。

 【数字】/内閣府発表の被害想定。

 

 下記アルファベットは順不同ですが、各津波に対応しています。

※印は遡上高ですが、無印でもいくらか遡上高を含んでいます。

 

 

A 宝永津波          宝永4年10月4日  1707年

B 八重山津波         明和8年3月10日  1771年

C 安政東海津波       安政1年11月4日   1854年

D 安政南海津波       安政1年11月5日   1854年

E 明治三陸津波       明治29年6月15日  1896年

F 関東大震災津波      大正12年9月1日   1923年

G 昭和三陸津波       昭和8年3月3日    1933年

H 東北地方太平洋沖津波   平成23年3月11日   2011年

J 東南海津波         昭和19年12月7日  1944年

K 南海津波          昭和21年12月21日  1946年

L 昭和27年十勝沖津波   1952年3月4日      1952年

M 新潟津波          昭和39年6月16日  1964年

N 昭和43年十勝沖津波   1968年5月16日     1968年

P 昭和58年日本海中部津波 1983年5月26日     1983年

Q 平成5年北海道南西沖津波 1993年7月12日    1993年

R チリ津波           昭和35年5月22日  1960年

Z 元禄津波          元禄16年10月23日   1703年 

 

 

北海道

<浜中町>幌戸R3 浜中R3.9 霧多布R4.2 L3.2

<厚岸町>門静R4.1 L3.9 厚岸L6.5

<釧路町>昆布森L3.1

<釧路市>音別町キシベツH5.7

<白糠町>白糠R4

<広尾町>タンケソG6 浜ハンペG3.6 音調津G4.6 モイケシG4.6 タニイソG4.6

<えりも町>咲梅G6 ドンドン岩G9.1 トセップG9.1 ルーランG5 千平G4.6 苦別G3 小越E3.6 G4.6 襟裳崎G3.6 歌露G4,6 歌別G4.6 幌泉E3 G3 猿留E3.6 庶野E3.6

<様似町>冬島L3

<積丹町>幌武意P3.1

<神惠内村>珊内Q4.2 神惠内Q4.4 南の入り江Q4.7 盃K3

<泊村>渋井Q3

<岩内町>岩内港Q3.5 敷島内Q3.3 港尻別川河口左岸Q3.3

<寿都町>歌島Q4.6 歌島川河口北Q4.9

<島牧村>島牧村漁港外Q6.1 栄磯Q3.9 豊浜漁港外Q5.7 永豊Q5.1 千走Q10 千走川河口右岸Q4 元町漁港内Q3.9 原歌Q4.6 栄浜漁港Q3.6

<せたな町>太櫓小学校Q5.9 太櫓言主神社Q6.7 大田Q6.5 宮野Q6.1 平浜Q6.6

<松前町>松前湾P3.5 小島P3.2

<奥尻島>勘太浜稲穂岬Q7.2 稲穂Q9.7 海栗前Q9.1 海栗前‐滝ノ間Q6.8 美ノ歌‐磯谷岬Q5.9 磯谷岬‐蚊柱岬Q5.7 幌内Q6.5 北国岬‐穴澗岬Q7.4 屏風立岩‐神威脇港Q5.7 神威脇港P4.6 Q6.3 神威脇鴨石トンネル南Q6.4 神威岩P4.9 神威岩‐モッ立石Q7.7 湯浜モッ立石北Q10.8 湯浜ホヤ石P6.5 Q12.2 ホヤ石対岸Q17.6 藻内ホヤ石岬Q31.7 藻内無縁島対岸Q15.8 藻内川南Q16.1 米岡西Q21.8 砥石民宿寺屋敷Q22.2  奥後空港南Q12.3 青苗西海岸Q15.3 青苗集落センターQ8 青苗右股川河口Q10 青苗橋東神社前Q9.7 初松前赤川河口Q11.3 初松前Q19.2 初松前‐松江Q13.6 松江郵便局Q8.3 長浜‐恩顧歌Q5.3 赤石南Q4.2 奥尻谷地Q3.3 奥尻港北Q4 仏沢‐球浦川Q7.5  球浦川自治振興会館Q6.4 球浦‐東風泊Q6 宮津漁港北Q3.4 藻内P6.1 群来岬P6.9 青苗P5.2 青苗岬P3.7 富里P6.5 松江P3.2 下カカリ岩P3.6 奥尻P3.3

 

青森県

<三沢市>三沢漁港H7.4 砂森H 6.5 四川目H9.3※10 G4.5 六川目H5.8 G4.5 二川目G4 淋代H5.4 織笠H5.7 三沢塩釜H5.3 五川目H7.9 天ヶ森H5.1 細谷H5.7 ミス・ビードル号記念広場H9.5※10 三林代G3 

<七戸町>白石港N4

<おいらせ町>市川漁港H8.3 深沢地H8.8

<八戸市>八戸港H9 八戸港八太郎公園H5.8 八戸新港H5.5 鮫漁港E3 H5.6 鮫町種差R4.1 白浜海水浴場 H8.7※9.3 新湊H5 種差漁港H8.5 種差津N3.3 北沼N4.1 大久喜N3.3 橋向G3

<階上町>大蛇漁港H10.7 大蛇G6 小船渡E6 G4.5 追越G6 N3.1 榊N3

<中泊町>保内P3.3 小泊港P5.3

<五所川原市>十三湖P6.1

<鰺ノ沢町>出来島P3.8 川尻P4

<深浦町>桜沢P3.6 田野沢P4.7 目民木P4.3 風谷瀬P4.4 轟木P4.2 広戸P3.7 町内P3.3 太間P4.4 舟戸作P4.5 沢辺P3.4 村内P4.2 森山P5.1 黒崎P4.9 大間越P4.6 木蓮寺P5.9

 

秋田県

<八峰町>須郷岬P6 岩館P5 滝ノ閣P8.1 中浜P11 東八森P11.5 峰浜P12.9 水沢川河口左岸Q3.4

<能代市>河口P7.8 黒岡P7.1 落合浜Q3.1

<男鹿市>若美P6.6 神谷P5.5 北浦3.1 西黒沢P5.1 入道崎P5.9 戸賀湾P3.2 賀茂青砂P3.3 門前P3.4

<秋田市>下浜P4.7

<潟上市>天王P3.6

 

岩手県

<洋野町>種市海浜公園H5.5 種市H6.1※13.8 種市川尻E12 G7 陸中八木E10.7 G6 H※10 小子内E20 G6.6 大浜G7 中野G7

<久慈市>久慈漁港H9.9※18.5 三崎漁港H16.2 久喜漁港E12.2 H18.6 久喜G5.5 久喜川水門H12.8 小袖海岸E13.7 H14 小袖G8.2 本波漁港H14.7 玉の脇H14.1 侍浜町麦生E26 G6.6 H※17 侍浜村G10 夏井町閉伊口H※17.8 長内町下諏訪H6.7 長内町舟渡H※10 湊E15.7 二子E23 G6.5 大尻E23 G6.5

<野田村>安家漁港H16.8 野田漁港H23.2 十府ヶ浦H21.4 玉川E18.3 G5.8 野田玉川駅H※28.6 中沢H※14.3 米田H※37.8 下安家H※16.8 堀内E12.9 G9.1

<普代村>太田名部漁港H12.4 普代E15.2 G11.5 譜代川河口H※22.6 黒崎E18.1 黒崎漁港H※15.7 黒崎トンネルH※16.8 宇留部水門H※18.7 堀内漁港H※18.1 馬場野H※24 浜向堀内大橋H※19.6 臼井海岸駅H※22.6 大田部G13

<田野畑村>切牛海岸H28.4 羅賀E25.8~29.1 G13 H※27.8 鳥ノ越E17~23.6 G9.7 H22.1※27.6 机浜の谷H24※27.7 机おおみなとトンネルH※24.5 平井賀浜H19※22.3 平井賀G8.2 九持H15.2 明戸G16.9 明戸キャンプ場H22.5 明戸北 H19.1 小本港H※18.4 熊野神社下H16.5 

<岩泉町>小本E5.4~8.2 G13 下小成E20.4 G15.4 

<宮古市>宮古港H8.5 白浜地区H11.5 白浜E8.5 津軽石H※11.4 閉伊川河口H9.3 田老小堀内漁港 H29.3※37.8 田老小堀内E12.2 田老沢尻H25.1 田老南の沢H25.5 田老出羽神社H※19 三陸鉄道田老駅北H※11.7 田老湾口部H20 田老青砂里G5.6 田老館ヶ森G8 田老北真崎H25※34 田老松月谷H※31.4 田老三中H9.6 田老沼ノ浜H26.2※30.2 田老和野H24.3※35.2 田老水沢H25.2 田老三王H※29.6 田老樫内漁港H※25.5 田老乙部野沼の浜H※34.1 田老乙部E8.5 G7.6 田老青野滝漁港H※34.8 田老水沢H25.3 田老樫内G7 H※21.5 田老下摂侍G7 田老小林E12.9 G9.8 真崎谷奥H※29.2 重茂姉吉E18.3 G12.4 H26.4※40.5 重茂姉吉キャンプ場H※38  重茂立浜H※26.2 重茂宿浜H※24.9 重茂里漁港H※33.9 重茂石浜G12 H※26.8 重茂荒巻 H※27.6 重茂川代H20.7※29.7 重茂千鶏E17.1 G13.6H※31.3 重茂音部E9.2 G7.6  重茂仲組漁港立浜H※20.3 鵜磯小学校H ※27.1 岩泉村小本H22.1 茂市H24.6 茂師G17 茂師漁港H27.9 摂待漁港H27.9 崎山町女遊戸G7.5 H26 鍬ヶ崎H11.1 道の駅みなとオアシスH11.1 日立浜町浄土ヶ浜H※12.6 崎山町松月H※31.4 太田ノ浜H17.4 赤前H※12.2 藤の川H※13.1 山老G10.1 磯鳥E6.1 

<山田町>山田漁港H10.1 船越E10.5 G6 H9.8※29.2 山田織笠川漁港H7.9 織笠H9 山田湾川代H※23 船越小谷鳥H18.3※26 大浦H10.6 田の浜E9.2 H12.1 大沢浜川目H8.9 大沢漁港H7.2 大沢G6 北浜町H8.5 本町E5.5 荒川G7.8

<大槌町>大槌湾H12.6※15.3 大槌町中心部H12.6 大槌新港H13 大槌町吉里E10.7 G6 吉里吉里港H22.1 赤浜H13.4 新港町H12.9 大町H10.9 安渡H※12.3 浪板E10.7

<釜石市>釜石港E5.4 G5.2 H9.3※30.4 釜石観音H11.4 両石湾H17.7※32.6 両石湾オイデ崎北側55.6※(東北地方太平洋津波最大遡上高) 両石E11.6 G6.4 H29.3 唐丹町熊野川河口H16.8 唐丹町下荒川H※16.1 唐丹村花露辺G8.3 唐丹町本郷E14 G6 H13※20.3 唐丹町小白浜E17.1 G6 箱崎町白浜H14.1 箱崎町大仮宿H※31 鵜住居町仮宿H17.2※21 鵜住居室浜G5.2 平田漁港H9.2 黒崎H10.8※13.4 馬田岬H※24.9 片岸G5.4 

<大船渡市>大船渡港H11.8 大船渡湾H8 下船渡E5.5 末崎町門之浜G6.5 H13.9※14.7 末崎町舟河原G8.9 末崎町泊里E11.1 G5.7 H12.1 末崎町高清水H※13.9 末崎町碁石崎E12.8 H13 末崎町大田H※14.7 末崎町中森H※13 末崎町鳥沢H※12.3 末崎町鴨巻E13.8 末崎町大浜E12 末崎町細浦E6.7 三陸町吉浜千歳H17.4 三陸町吉浜E24.4 G6.1 H16.3 吉浜千歳漁港H※17.8 吉浜湾根白漁港H※15.7 吉浜増館H14.6 吉浜漁港H14.5 吉浜中井H※18.9 吉浜横石H※18.9 吉浜本郷G9 三陸町甫嶺E15.3 G8.2 H※17.8 綾里湾H16.7 三陸町綾里白浜E38.2※(明治三陸津波遡上高最高値)G23 H23.3※30.1 綾里新釜H13.3 綾里石浜G9 H※12 綾里小石浜E17.1 G13.6 H16.4 吉浜綾里砂子浜E10.9 G7.9 H14.3 綾里合足漁港H17 綾里大久保G28.7※ 大船渡市三陸町綾里田浜G7.7 プラザホテルH8.4 野々田H9.6 越喜来浜崎漁港G7.8 H10 越喜来小壁漁港H※22.6 越喜来浦H17.3 越喜来井戸洞H※18.4 越喜来浜H12.7 越喜来浦浜E11.2~13.4 G5.6 越喜来漁港浪板G5.5 H12.3※13 越喜来泊H※18.3 越喜来泊漁港 H15.2 越喜来崎浜E15.7 山田湾大浦H11 赤崎町山口H※10.1 赤崎町合足G7.3 H※12.3 赤崎町長崎漁港H10.7※11.6 赤崎中学校H9.9 赤崎川口橋H9.5 明神前H※10.4 湊E10.7 

<陸前高田市>陸前高田港H9.5※10.8 高田地区海岸部H15.8※18.9 高田町下宿H14.6 高田町中田H17.2 高田町法量H17.6 高田町荒沢H18.5 高田町曲松H15.4 高田町砂地H15.8 高田町中川原H14 高田町鳴岩H15.5 高田町荒谷H15 高田町下和野H15.7 高田町砂盛 H16.7 気仙町中堰H14.4 気仙町田の浜H15.1 気仙町荒川H※18.4 気仙町上長部H※14.7 気仙町川口H13.7 気仙町小淵H15.7 気仙町愛宕下H15.2 気仙町垂井ガ沢H※16.9  気仙町要谷H14.5 気仙町二日市H14.3 陸前高田市街H15※19 矢作町H14 大野海岸 H12.5 長部漁港H13.5 竹駒町細根沢H12.4 市民体育館H15.8 広田湾H14 広田町集 E26.7 G11.2 H14 広田町根崎H14.2 広田町中沢H※10.2 広田町御城林H※12.2 広田町後花貝H13 広田町大陽岬H11.5 広田町泊E7.6 米崎町米ヶ岬H16.3 米崎町沼田H※15.5 米崎町川西H18.3 米崎町樋ノ口H※21.1 米崎町館H17.9※18.8 米崎町神田H17 米崎町脇ノ沢H15.3※18.4 米崎小学校H※18.2 小友町H16.8 小友町獺鼻H13.5 小友町両替H※15.8 小友唯出E10.7

 

宮城県

<気仙沼市>気仙沼港H11.9 小泉海岸H※17.9 本吉町小金沢H18.3 本吉町大谷E5.2 本吉町中島H10.9 本吉町小泉H12※19.6 本吉町赤牛H22.2 本吉町蔵内H12.9 本吉町日門漁港H※16.3 本吉町前浜H※18.9 本吉町明神岬H12.7※15 本吉町登米沢H※19.7 本吉町小浜H20.2 本吉町三島H※13.6 本吉町大沢E8.2 本吉町小泉歳内G7.5 唐桑半島先端H19 唐桑町石浜E8.5 H15.2 唐桑町只越E8.5 G7 H15 唐桑町荒谷H13.4 唐桑町大田沢H15 唐桑町笹浜H14.3 唐桑町御崎岬H13.3 唐桑町神止H11.4 唐桑町浦 H12.1 唐桑町明戸H12.2 唐桑町御崎H※20.6 唐桑町馬場H※12.6 唐桑町欠浜H※15.1 唐桑町高石浜H※13 唐桑町大畑H※14.6 唐桑町境H※16.5 唐桑町真崎H11 唐桑町大理石海岸H12.4 南町H6.5 唐桑町小鯖E7.5  唐桑町舞根E5.9河原田H5.6 松崎中瀬H※11.3 浜町H7.9 魚町H11.9 御伊勢浜海水浴場H14.7 岩月H※7.8 岩月台ノ沢H10 松崎高谷H※7.1 波路上岩井崎H12.1 母体田H10.5 波路上杉ノ下H※13.4

<南三陸町>陸前港H12.2 歌津大磯H13.1 歌津馬場G6.7 H15.8 馬場中山E10.8 G6.1 歌津駅H14.7 歌津峰畑H※13 歌津浪板H19.5 歌津田ノ浦G5.4 H16.3 歌津石浜E14.3 H※15.3 歌津館浜H※12.2 名足E9.4 津波避難ビル H15.7 志津川港H15.7 志津川藤浜E5.2 志津川細浦H15.1 志津川病院H15 志津川本浜町H7 南三陸町役場H13.9 戸倉波伝谷海岸H13 戸倉水戸H※11 戸倉長清水H※10.6 戸倉寺浜E6.8 船越小泊H※11.3 

<女川町>女川漁港H18.4 女川町役場H14 町立病院H17.6 竹浦H12.1※34.7 御前浜H※9.4 石浜H※16.2

<石巻市>鮎川H8.6 石巻港H5 雄勝町役場H15.4 雄勝町明神町H16.2 雄勝町大浜神袖浜H13.9 雄勝町荒浜H10.5 雄勝町十五浜荒E8.8 G10 雄勝町小泊E6.2 桑浜漁港H※12.6 羽坂漁港H12.1 大須賀港H11.7 南浜町 H5.4 中瀬石森H5.9 門脇地区H6.7 中浦H5.6 大川小学校H※8.7 北上大指E5.2 大谷川G5.2 谷川浜H21※24 鮫浦H※20 鮎川H18.5 桃浦H10

<東松島市>宮戸島H8.8 野蒜字洲崎H8 野蒜海岸H10.3

<松島町>桂島H9 野々島H7 山元町H12.7 宮戸島H5.9

<七ヶ浜町>菖蒲田浜H12.1 吉田花淵港H6

<塩竈市>寒風沢島H7.8 塩釜港H10.3 坂元川水門H12.4 坂元駅H8.8 山下H7.9 花釜H 14 牛橋水門H10.7 吉田浜H12.7 荒浜H11.8 蒲崎H14.9 県南浄化センターH11.4 岩沼海浜緑地公園H13.3 磯浜H10.8 浦戸石浜G7.6

<仙台市>仙台港H9.3 仙台新港H8~14 仙台空港H5.7 若林区荒浜H9.6 若林区藤塚H5.3 冒険広場H※14.7 荒浜小学校H5 蒲生平潟H8.1 宮城野区H6.1 深海海水浴場H12.2 仙台塩釜港H14.4

<名取市>閖上港H9.1

<岩沼市>二の倉H8.8

<亘理町>鳥の海公園H7.3 荒浜H7.7 牛橋H5.4

<山元町>磯浜漁港H※15.3

 

福島県

<相馬市>相馬港H9.3 磯部海浜自然の家近辺H8.1 松川浦大橋H9.1

<南相馬市>(H12.2)[2012年2月19日発表]

<浪江町>(H15.5)

<双葉町>(H16.5)

<大熊町>福島第1原発 H13.1[東電7月8日発表]・建屋付近H11.5~15.5[東電8月24日発表] (H12.2)

<富岡町>(H21.1)

<楢葉町>(H12.4) 福島第2原発H9[東電7月8日発表]

<いわき市>鮫川岸H7.3 サンマリーナH※9.4 永崎H5.3※7.3 江名漁港H6.8 豊間海岸H 9.2 平薄磯H5.9※6.1 四倉管波病院H6.2 道の駅よつくらH5.9 久之浜港H7 新舞子H7 忽来海岸H5.1 須賀H6,7 岩間H7.3※7.9 小浜H7.1 永崎H5.3※7.3 折戸H6.8 

 

茨城県

<北茨城市>平潟H7.3

<日立市>水木H6.5 河原子H5.7 会瀬港R3 久慈港R3

<神栖市>鹿島港H5.7

<大洗町>夏海R3

 

千葉県

<銚子市>外川Z4 H5.3

<旭市>矢指川H7.6 飯岡H7.6 R3.5

<御宿町>御宿Z8

<九十九里町>九十九里R3 Z6

<勝浦市>勝浦Z7.4

<鴨川市>鴨川Z6.1 仁右衛門島Z7 小湊Z6.5

<館山市>館山Z5.6 洲崎F8.1 相浜Z10 F9 布良Z5 F6 【11】

<南房総市>千倉Z8.8 和田Z10.5 岩井Z7.3

<鋸南町>保田Z6.5

<富津市>湊Z5.3

 

東京都

 伊豆大島岡田Z10 F12 八丈小島A6 八丈島A3「16」【17】

 大島町「16.2」【16】 利島村「16」【16】 新島村「29.7」【31】 神津島村「23」【25】 三宅村「17.9」【18】  三宅村【18】 青ヶ島村「13.2」 小笠原村「19.6」【20】

 

神奈川県

<三浦市>三崎F6 城ヶ島F3

<葉山町>葉山F5.4

<鎌倉市>鎌倉Z8 F6 稲村ヶ崎F6【10】

<藤沢市>藤沢Z4 片瀬Z6 F6 江ノ島F5 鵠沼F6

<平塚市>平塚Z4

<小田原市>小田原Z4 小田原前川A3 米神F4.5 

<真鶴町>岩村F6 真鶴F6 

 

静岡県 

<熱海市>熱海Z5 C6.2 F12 下多賀Z5 F7.2 上多賀F4.5 網代C3 F8 和田木F4.5

<伊東市>【10】 宇佐美Z4 C3 宇佐美端村F7.5 伊東C4.5 F9 新井F3 赤沢F3

<東伊豆町>「11.8」【14】 取C5.4 A4 稲取南F6 稲取北F3.6 伊豆熱川C3 F3 白田F3.6 

<伊豆市>「11.1」【11】 八木沢A8~10 内浦A5.5~6 大川F4.1

<河津町>「11.7」【13】 見高F4.5 A3 河津F3

<下田市>「25.3」【33】 下田Z3 A6 C6.8 白浜F3.6 柿崎F4.6 外浦F4.1

<南伊豆町>「25.3」【26】 手石C6.4 入間C13.2~16.5 妻良C6.5 中木C4.3 竹麻Z3

<松崎町>「20.7」【16】 松崎C4.5 阿良里C4.5 宇久須C3 土肥港C4.4

<西伊豆町>【15】

<沼津市>「13.2」【10】 立保C5 重須C6.7 多比C7.2 戸田大浦C5.1 井田C4.2 原A4 C3

<富士市>田子浦C3 吉原A4

<静岡市>「10.9」駿河区【13】 入江C5.7 三保A5 C5.2 清水A4 下島A4.5 用宗A4 由比C3

<牧之原市>「12.3」【14】 原C5.2 相良A6~8 C5 地頭方C6.2

<御前崎市>【19】 浜岡町(注:中部電力浜岡原発)荒井C6 塩原新田C6~7

<掛川市>「13.7」【14】 大須賀小浜C4

<舞阪市>舞阪C5.6 本浦C5.6

<磐田市>「11.8」【12】 福田C3.5 掛塚C4.5

<浜松市>「14.8」南区【16】 川名F6 篠原C3.9 坪井C3 馬郡C3

<湖西市>「17.7」【16】 白須賀A5 大倉戸C6 新居A3

<袋井市>「11.4」【10】 湊Z3 A5    

<焼津市>「10.1」【11】 <御前崎市>「21」 <西伊豆町>「13.8」

 

愛知県

<豊橋市>【19】

<田原市>【22】

<南知多町>【10】

 

新潟県

 桑川M4.9(海面上) 岩船M3.3 両津M3.5 粟島西岸P3.2 上越市九戸浜Q3 佐渡島相川町岩谷口Q3

 

三重県

<伊勢市>大湊A5

<鳥羽市>【27】 堅神C6 鳥羽C5.2 安楽島C7.8 今浦C5.8 国崎C21.1

<志摩市>【26】 和具C7.9 越賀C10.9 国府A7~8 C4.7 J3 阿児町甲賀C5 片田C4 的矢J3

<浜島町>南張C5.4

<南伊勢町>【22】 田曽C5 神津佐A5 C5.7 礫浦C5 相賀C5 五ヶ所浦A5 C4.4 R3.1 下津浦C4 南勢C3 迫間浦C4.5 東宮C4 新桑竈C4.5 吉津J6 

<南島町>阿曽浦C5 慥柄C6.9 贄浦A7~8 C10.8 神前浦A7 C6 方座C5 古和浦A7 C6 

<紀勢町>錦C7.3

<大紀町>【16】 錦A6

<紀北町>【19】 紀伊長島A5 C4.7 矢口R3.5 引本A4.5

<尾鷲市>【17】 尾鷲A8~10 C6~8 R4 九木A5~6 C7.8 早田C9.3 三木里C5.5 K3.8 賀田A8~9 C7~9.6 K5.5 二本島C8 曾根A5 C6.4 K4.5 梶賀C5.5 須賀利A5 矢ノ浜A6~7 三木浦C4.9

<熊野市>【17】 新鹿A10 C10 J6 波多須J3.6 大泊A6 C6 J3.5 K3 木本J3 K4 二木島K3.5 新賀K3

<紀宝町>【11】

<御浜町>【16】

 

 

和歌山県    

<新宮市>【14】 熊野地K3.5

<那智勝浦町>【18】 勝浦A6~7 C6 J4 浦神C4.5 J4.1 K3 宇久井J3 那智J3.8 天満J5

<串本町>「16」【18】 古座川口D7.5 古座A5 C5.5 K3 古座串本A5~6 D4.5 田原D5.5 袋D6.5~7 K5.5 有田D5 K5 江田D5 和深A5 D5 橋杭D4.5 御崎前K4 大ゴクナK3 キナベK3 シバタニK3.5 田並K3.5

<太地町>「12.1」【13】 太地J5

<すさみ町>【20】 周参見A5.5 D5 K4 江住A5 D5

<白浜町>【16】 日置D4 K3 白浜D4.5 K6.5 朝来帰K4 東富田K5 立ケ谷K3.7 瀬戸K3.4 細野K3.5

<田辺市>【12】 跡之浦D5.5 K4.5 新庄A6~7 D6 芳養D5.5 K4.3 田並A5 D4.5 田辺A3.5 D3.5 内ノ浦K4.3 文里西岸K3.5 六町K4 磯間浦K3.5 松原K5.3 大屋K4.5 崖K3 目良K4.5

<御坊市>【16】 南塩屋D6 御坊A3.5 北塩谷D4.7

<印南町>【15】切目D6 印南A5.8~6.3 D6.6 K3.9 印南川西岸K5.8 光川K4.3

<美浜町>【18】 西川流域D5 三尾D8.7

<日高町>【11】 小浦D5.4 津久野浦D5 比井A5 D4.6 阿戸K3.9 日崎村K3 三尾K3.8

<由良町>【11】 由良A5~6 D7.5

<広川町>【10】 広A5~6 D5 西広K4.9 一本松D4.9

<湯浅町>【11】 湯浅A5 中町D4.5 北栄D3.7 新屋敷町D4.7 下津D4.5 大崎D4 栖原A3

<みなべ町>【14】 南部A6 埴田D5 千鹿浦D6~6.5 岩代D6.2 堺D4.2

<海南市>海南A5 D5 K3.5 冷水K3.3

<和歌山市>紀三井寺D3

<有田市>【10】 

 

大阪府

<大阪市>大阪市A3 D3

<堺市>堺港K3

 

島根県

<美保関町>雲津P3

 

徳島県

<阿南市>「16.2」【16】 浅川A6~7 D7 橘町K3.4

<美波町>「19.5」【24】 由岐町D7 三岐田K3.7 日和佐町橘D4 大浜の浜K3.9

<牟岐町>「13.9」【15】 牟岐A6 D6 東牟岐K4.1 大河橋K4.5

<海陽町>「20.3」【21】 宍喰町A5D5 粟浦K4 鞆浦A3

 

高知県   

<室戸市>【24】 佐喜浜A5 K5 室戸A5.5 D3 

<東洋町>「18.4」【19】 甲浦A5 D5 K5 野根K3

<安芸市>【16】 安芸A5 D5 K3 伊尾木町K3 

<夜須町>手結D5

<香南市>「15.1」【15】 岸本A6

<高知市>【16】 浦戸A6 D5 由岐~浦戸A6

<土佐市>【24】 宇佐A8 D8 K4 宇佐~下川口A7.7 新宇佐K5

<須崎市>【25】 須崎A6 D5 K3.5 野見K4.5

<中土佐町>「22.2」【22】 久礼A6 D5.2 K4.5 上ノ加江A5 土元加江K3.7

<四万十市>「26.7」【22】 下田K3

<土佐清水市>【34】 広域D5~5.6(下ノ加江A5 大岐 大浜 中ノ浜 下益野 三崎下 川口)

<黒潮町>「34.4」【34】(沿岸平均19) 伊田D7.5 上川口D7.5 鞭D6.4 佐賀A6

<大月町>「25.8」【27】 古満目D4 柏島D4

<宿毛市>「21」【25】 <奈半利町>「12.6」【16】 <田野町>「11.5」【13】 <安田町>「11.6」【14】 <芸西村>「15.4」【14】 <四万十町>「25.4」【31】 <南国市>【16】

 

愛媛県

<宇和島市>「10.9」【13】 吉田A4 D4

<西予市>【11】 三瓶D3.5 

<伊方町>「12.6」【21】 伊方D3

<愛南町>「17.3」【17】

<八幡浜市>【11】

 

大分県

<臼杵市>臼杵A3.5

<大分市>佐賀関A3

<佐伯市>「14.4」【15】 佐伯A4 宮野内浦A3 浦江A3

 

宮崎県

<延岡市>「15」【14】 延岡A3 浜子A4 土々呂A4.5

<高鍋町>「10.7」【11】 高鍋A3

<宮崎市>「14.8」【16】 木花海岸R3.1

<日南市>「14.1」【14】 <日向市>「14.8」【15】 <串間市>「15.8」【17】 <川南町>「11.7」【13】 <都農町>「12.5」【15】 <門川町>「13.2」【12】 <新富町>【10】 

 

鹿児島県

<種子島>A6 <西之表市>「12.4」【11】 <屋久島町>「12.9」【13】 <肝付町>【10】

 

沖縄県

<名護市>久志R3 杉平R3.2

<宮古島>B20弱 

<下地島>B15前後 

<伊良部島>佐和田B18 仲地B10 伊良部B8

<池間島>B10

<多良間島>B20弱

<水納島>B10以上

<石垣島>東岸北端浦崎B約30 東岸中部B15以上 東部南部B30弱 東岸南西部B10 西岸B6 宮良村B85.4※ 白保村B60※ 安良村B56.4※ 野原崎B46.7※ 大浜村B44.2※ 嘉良岳B39.8※ 伊原間村B32.7※ 玉取崎B32.1※ 平得村B26※ 真栄里村B19.4※ 登野城村B12.2※ 仲興銘村B10.7

<西表島>東岸B5 西岸B4

<波照間島>B18以上

<鳩間島>B3

<竹富島>B5

<黒島>B10以上

<与那国島>B3

<2024年6月29日 南浦邦仁記>

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

錦市場を救った伊藤若冲

2024-06-19 | Weblog
 若冲は五十六歳のころから還暦の直前まで、ほとんどというか、まったく画を描いていません。空白の謎の期間でした。ところが近年、やっと原因が判明しました。滋賀大学経済学部の宇佐美英機教授が、伊藤若冲が生まれ育った錦市場の事件の事を、経済史の立場から解明されたのです。今回の発見と分析は、学問がそれぞれ孤立せず、連携することの大切さを痛感させる大事件でした。
 若冲は存亡の危機にあった錦青物市場の救世主でした。それこそ命をかけて全力で疾走していたのです。これまでの若冲という人物の評価は、世事に疎く画を描くしか能のない畸人とされていました。そのような人物観はものの見事に打ち破られてしまったのです。驚くべき若冲の勇姿が出現しました。

 ところでこの一文は、そもそも若冲が晩年に力を注いだ石峰寺、彼の墓もここにありますが、「伊藤若冲顕彰会」会報に寄稿したものの部分です。そしてその後、このブログシリーズで再掲載。しかし読者は予想より少なすぎた…。それで、衣もほぼ同じですが、再々登場させます。

一七七一年 明和八年 辛卯 五十六歳
〇一二月二十二日 京都東町奉行所より錦高倉青物市場に対し出頭命令があった。商いがそもそも公許を得てのものなのか、その証文はあるか、また営業の内容は正当であるのか、返答書を求められた。このような意外な事態が生じた原因は、同じ青物市場で競っていた五条大橋西の五条問屋市場の謀略であった。錦高倉青物市場の解体、分裂弱体化させての傘下化、さらには錦高倉市場の廃止を画策したのである。
〇一二月二十四日 東町奉行所への返答書に、帯屋町年寄の若冲名「高倉通四条上ル丁/年寄/若冲」

一七七二年 明和九年 壬辰 五十七歳 
〇一月 錦高倉市場は奉行所より営業停止を言い渡される。青物市場四町の代表者である帯屋町年寄の役にあった若冲は、この苦境を解決するために対外交渉に当った。彼は五条市場と妥協することなく、正々堂々と役所と交渉する道を選ぶ。若冲は五条市場からの理不尽な提案に対し、四町は揃って拒絶する旨の書を返した。「五条問屋丁ニしたかい申候訳者一切無御座」。四町は中魚屋町、西魚屋町、帯屋町、貝屋町。
〇二月三十日 いったんは営業再開にこぎつけた。しかし七月にはまたもや営業を停止させられる。
〇幕府直轄の諸都市における町年寄は、他の有力町人とともに江戸城において将軍に拝謁できるという格式を与えられていた。年頭には江戸の町年寄はじめ、上京、下京、大坂、堺、奈良、伏見の町年寄などが白木書院の縁側で将軍に目見を受けた。若冲は京を代表する町年寄ではないが、いざとなれば幕府に訴え出ることが可能な立場であったと思われる。
〇四月 大典が相国寺慈雲庵に復帰。本山からの度々の強い勧告を受け、十三年ぶりに戻った。画ばかり描いている聞中への大典の叱責はこのときか。聞中は若冲から作画を習い、毎日一紙の芦雁を描くことを日課にしていた。聞中はその許可を大典禅師に請うた。すると、禅師は書状をもって「佛徒には重要な一大事がある。それがためには爪を切る暇もないはずだ。文学の如きも、もとより本務ではないが、道を助けるため、性の近き所、才能の能する所をもって、緒余にこれを修めるに過ぎぬ。その他の芸術は、法道において何の所益があるか。父母がおまえに出家を許し、師長が教誡しておまえを導き、檀越檀家がおまえに衣盂の資を供給してくださる等の本意はどこにあるか。よろしく考慮せよ。わたしの許可とか不許可に関する訳では、決してない……」。大典著『小雲棲手簡』二編下(一七八七年刊所収)。驚きそして残念に思うのは、描画を否定するかの厳しい言葉と、苦境にある若冲を大典の相国寺が助けた気配が感じられないことである。相国寺なら幕府に対してそれなりの影響力を示せたのではないか。
〇七月 奉行所はまたもや錦高倉市場の営業停止を命じた。困りぬいた若冲は医者の四条原洲菴に悩みを話した。「市場は差しとめられ、町年寄として末代まで汚名を残すことになり、また数千人の農民百姓町人たちが難儀している」。原洲菴は江戸から入洛していた知人の中印中井清大夫を紹介した。若冲は中井に会い、その意見を取り入れ、困窮している農民を取り込む作戦をたてた。若冲はまず壬生村の庄屋四郎八を説得し連携行動をとる。若冲は四郎八に「どのようなことがあっても、わたしが責任を取る」と語った。
〇秋 若冲たちは西九条村、中堂寺村の賛同も得る。彼らはこのままでは農の生活が成り行かず、年貢の上納にも支障が生じると奉行所に訴え出た。また五条問屋市場と錦青物市場とはまったく性質の異なる市場で、錦青物市場がなくなれば、京の需要がまかなえないとする書状を提出した。賛同する村はその後も増える。若冲は東九条村や御霊村に出向いて説得した。西七条村、西塩小路村、上鳥羽村、東寺廻りも加わり、若冲の努力で九ヵ村連合が結成された。錦市場とは取引のない聖護院村、吉田村、岡崎村までもが加勢を申し出た。
〇八月二十五日 若冲は町年寄をあえて辞任する。彼は錦高倉四町を代表する町年寄であったが、理由は万一市場再開が不可能になれば江戸に下向し「百姓方共御願申上へく存念」。実行すれば、責任者は命を賭す直訴である。若冲は命がけで幕府評定所に出願する決意を固めた。役をついだ町年寄の三右衛門に若冲は「関東に下って江戸奉行に訴え出る覚悟がある」と語っている。自らを平ラ(ひら)にしたのは、その累がせめて錦高倉市場に及ばないようにという配慮である。
〇一一月二日 十二ヵ村代表が寄りあった。中井は「町奉行所から市場再開の許可が下りなければ、七ヵ村の御蔵百姓たちと錦街商人たちが江戸に出願したらどうか。この場におられる若冲さんもその覚悟である」と話した。東九条村はおじけづき役所への願いを取り下げた。御蔵とは幕府直轄の米蔵で、七ヵ村は幕府領地の天領であった。町奉行の直接支配を受けない天領の農民たちは、江戸表の幕府役人に出願することが可能であったのかもしれぬ。またそのような彼らの気配は、奉行所役人にとって容認しがたい、分をわきまえない行動なのではないか。
〇聞中は隠元百回忌の書記をつとめるために、萬福寺に呼びもどされた。翌年には住持の伯珣結制の冬安居の知浴をつとめる。
〇一一月十六日 安永に改元。

一七七三年 安永二年 癸巳 五十八歳
〇この年も錦高倉市場四町の営業再開は許されなかった。決着は翌年に持ち越す。
〇三月二十五日 大坂に移った中井清大夫にかわり若林市左衛門が加わり、この日に若冲とはじめて対面した。若林は「錦高倉四町の結束が揺らいでいる」と教えたが、その後確かに西魚屋町と貝屋町が脱落し、帯屋町と中魚屋町二町のみが、百姓と町民の困窮を役所に訴え続けることになる。
〇六月二十六日 二町は七ヵ村と協調して追願書を提出した。訴願には多額の費用が必要で、村方町方は合力で金二十両と銭六十一貫四百文を取り急ぎ集めた。

〇夏 若冲は、萬福寺二十代住持の伯珣照浩から道号「革叟」(かくそう)と、着ていた僧衣道服を授かる。若冲は偈頌を与えられたが、抜粋意訳すると、黄檗山萬福寺に「来たってはじめて余に謁し、名と服を更めんことを乞う。因って乃ち命ずるに革叟を以てし、弊衣を脱して之を与う。顧みるに夫れ身を世俗より脱して、心を禅道に留む。猶お故を去り新しきを取るがごとし。此に余命ずるに革を以てする所以なり。子其れこれを勉めよ。……」。また「絵事に刻苦すること、ほとんど五十年」と記されている。古くから子どもが習い事、芸事をはじめるのは、六歳の六月六日であった。若冲も同様であったかもしれない。なお「革」は革命の革、「叟」は「翁」の意味。
伯珣偈頌全文を故加藤正俊氏にかつて助けていただき読み下した。「京兆の藤汝鈞、字は景和、若冲と号す。家の者は代々錦街に居す。幼にして丹青を学び、家業を紹(つ)がず。絵事に刻苦すること、ほとんど五十年、時に精玅を称さる。平素世慮淡爾にして足ることを知る。奮然(ふんぜん)として自ら謂(お)もえらく、絵事の業はすでに成る。吾れ敢えて久しく世俗に混ずべけんや。今茲(ここ)に癸己(みずのとみ)の夏、山(黄檗山萬福寺)に来たってはじめて余に碣し、名と服とを更(あらた)めんことを乞う。因って乃ち命ずるに革叟を以てし、弊衣を脱してこれを与う。顧みるに夫(そ)れ身を世俗から脱して、心を禪道に留む。猶(な)お故(ふるき)を去り新しきを取るがごとし。此(ここ)に余命ずるに革を以てする所以(ゆえん)なり。子(し)其れこれを勉めよ。示めすに偈を以て曰く、/久しく囂塵(ごうじん)に処して塵に染まず、丹青刻苦、玅神に通ず。奮然として旧途轍(わだち)を革(あらた)む、水より出ずる芙渠(蓮)は脱骵新たなり。/黄檗賜紫八十翁伯珣書。」
〇宇治の萬福寺は、明人僧の隠元大師を徳川四代将軍家綱が招いて建立した黄檗の寺である。歴代住持の選任には幕府が当たっていた。萬福寺こそ幕府との強い接点をもっていたと考えられる。若冲が錦市場の紛糾を解決すべく、萬福寺に幕府への取り次ぎを願ったことも可能性はあろう。また幕府に直訴するならこの僧衣を身にまとい、出家僧「革叟」を名のるつもりだったか。革叟の名はその後、どこにも見当たらない。

一七七四年 安永三年 甲午 五十九歳
〇八月二十九日 錦高倉青物市場四町の営業再開を、東町奉行所がやっと許した。公認の青物市場として復活がついにかなった。解決の次第を記し、村方町方関係者が連署した内証の一札には「桝屋若冲」の署名がある。また三年近い紛争の間、若冲が画筆をとったという記録は、どこにも見られない。
〇「猿猴摘桃図」に萬福寺の伯旬照浩が賛した。この猿図が数年ぶりにやっと筆をとった若冲の久方ぶりの画作であろう。子を背にした猿の父親が、妻の腕をしっかり握り、いまにも折れそうな枝にぶら下がった三個の桃を摘もうとしている。母猿は真寂、子猿は清房であろうか。賛を意訳すると「桃を食べればお前の寿命は延び、鶴に乗る仙人に従うようになるであろう」。命がけでみなのために目標を達しようとしている若冲の姿を描いているのか。紛争の末期、解決の目途がやっと立って以降に描かれたのだろう。ついに仙桃は得られた。

一七七五年 安永四年 乙未 六十歳
〇六月 大典『小雲棲稿』刊。若冲寿蔵の補訂字句を記す。
〇この年に第二弾が刊行された『平安人物志』に、応挙、若冲、大雅、蕪村の順で載る。はじめて蕭白(1730~1781)の名が出たが、順位は二十名中十五番目と低い。若冲の住所は高倉錦小路上ル町とあるので、帯屋町ではなく高倉錦小路北東角の中魚屋町の北屋敷であろう。応挙の住まいは四条麩屋町西へ入町で、明和五年版の『平安人物志』と異なる。応挙は四条麩屋町のすぐ向いあたりに引っ越したようである。このころ、画家若冲は錦街青物市場を救った義人として、社会的にも評価されていたはずだ。人物志には「藤汝鈞/字景和号若冲/高倉錦小路上ル町/藤若冲」

安永五年 丙申 一七七六年 六十一歳
○四月十三日、池大雅死去。五十四歳。京都浄光寺に葬る。碑銘は大典の書。
○十月二十三日、萬福寺二十代住持の伯珣照浩没。八十二歳。
〇還暦のこの年から石峰寺「五百羅漢石像」群の制作に着手か。『拾遣都名所図會』(天明七年1787刊)に「近年安永のなかばより天明のはじめに到っておおよそ成就した。都の画工、若冲が石面に図を描いて指揮した」。安永年間は十年間であった。安永なかばはこの年か。
<2024年6月19日再録 南浦邦仁>

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする