ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

イスラム国の蛮行

2015-02-01 | Weblog
 ISIS軍の非道な行為は許せない。理解が困難なイスラム国、あるいはISIS、ISILやダーイシュとかイスラム国組織。一向に定まらないさまざまの呼称が、彼らに対する世界の混乱を象徴しているかのようです。
 この不可解な組織を少しでも理解していくために、わたしが出会った関連の良記事をこのブログで紹介していきたいと思っています。

 第1回目は、豊島逸夫さんの「原油大幅高、2つのサプライズが共振現象」。日本経済新聞電子版1月31日付です。

 30日の原油先物価格(WTI)は大幅高。3月物は前日比3.71ドル高の48.24ドルで引けた。8%近い急上昇で今回の原油安トレンドが始まって以来、初の本格的反騰となった。
 キッカケは中東の過激派「イスラム国」によるイラク国内クルド人地域の主要油田地帯に向けた奇襲攻撃。そして米国のリグ(石油掘削設備)の稼働数急減が発表されたこと。この二つのサプライズ要因が共振現象を引き起こし、月末でもあり先物市場で空売りの買い戻し手じまいが殺到した。ショート・スクイーズを恐れた一部の投機家がパニック的に買いに走ったようだ。
 まず、イスラム国が奇襲を試みた油田地帯はキルクーク。クルド人が支配するイラク北部では最大の原油産出量を持つ。イラクはイラク戦争後、原油生産設備が回復して産出量も日量300万バレルを超え、市場では新たな供給増要因となっていた。後発組ゆえマーケットシェア確保のため、サウジアラビアより1バレルあたり1ドル以上ディスカウントしていたとされる。イラクの生産障害を連想させる出来事に市場は敏感に反応する。
 この奇襲はクルド人部隊と有志連合による空爆でイスラム国の財政も疲弊しつつあるなかで、捨て身の反撃と市場では見られている。これまでクルド人地区内のキルクークまで狙うことはまれであった。その背景としては日本人として気になる展開もある。これまでイスラム国に占拠されていた、シリアとトルコの国境にあるコバニというクルド人の中心都市を、シリア援軍・クルド人部隊が奪還したことだ。これがイスラム国への象徴的勝利として宣伝されている。
 次に米国原油生産減少の兆しについて。
 ベーカー・ヒューズという米大手資源調査会社が毎週発表する米国内の稼働リグ数が、1223と前週比94も急減した。ピーク時からは386と24%減ったことになる。更にカナダでもリグが11減少した。
 最近になり原油価格もやや落ち着きを取り戻しつつあったところに、このサプライズが起こったので、高コストのシェール生産者の減産予測が急速に現実味を帯びてきたわけだ。
 30日の急反騰は月末要因も働いており、すぐに底打ちと見る向きはまだ少ない。ただ、さすがに40ドル台では、先物市場の原油空売りを牛耳ってきた投機家たちも神経質かつ慎重になることは確認されたといえよう。<2015年2月1日>
コメント (2)
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