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ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

原発なき社会を求めて

2024-08-21 | Weblog

 反原発・季刊雑誌「季節 」夏・秋2024―どうすれば日本は原発を止められるのかー

 <原発なき社会>を求めて集う不屈の<脱原発>季刊紙/「季節」創刊10周年特別号/

 「紙の爆弾」2024年9月号増刊/定価880円/発行 鹿砦社(ろくさい)

 発売になりました。アマゾンでの検索は「雑誌 季節」でヒットします。表紙写真は大きな石積みですが、これはエジプトのピラミッドのようです。

 

 ところで、鹿砦社代表の松岡利康さんは、倒れても倒されても七転八起。何度でも立ち上がる不屈の闘士です。わたしも尊敬する出版人です。

 松岡さんは雑誌「季節」でこう述べています。「福島で必死に頑張っている方々を思うと、(雑誌の発行を)放り投げるわけにはいきません。なにしろ類似誌はないわけですから、この雑誌がなくなれば福島の声や全国の反<脱>原発の声を反映する場がなくなります。」発行継続のむずかしいのが、良心や正義を主張する雑誌です。また掲載広告も皆無です。

 わたしも非力ですが、雑誌「季節」を応援します。

 雑誌「季節」にはたくさんの識者が寄稿されています。だいたいがひとり数ページ。全文は同誌でご覧いただくとして、本日はほんの短いフレーズほどですが紹介します。引用文はわたしの個人的選択です。

 

「原子力からこの国が撤退できない理由」小出裕章/元京都大学原子炉実験所助教

 日本では「原子力の平和利用」という言葉が広く宣伝され、浸透してきた。…「Nuclear」という単語を「核」と訳す時は「軍事利用」で、「原子力」と訳す時は「平和割用」であるとし、あたかも両者が違うものであるかのように洗脳してきた。しかし、技術に「軍事」と「平和」の区別はない。

 

「なぜ日本は原発をやめなければならないのか」樋口英明/元福井地裁裁判長

 原発の本質は、①人の継続的なコントロールを必要とし、②コントロールできなくなると暴走し、とてつもない被害をもたらす。この二つが原発の本質であり、原発をやめなければならない世界共通の理由である。

 

「事実を知り、それを人々に伝える」井戸謙一/弁護士・元裁判官

 事実を知れば、人々は合理的な判断をする。年齢には関わらない。問題は、どのようにして必要な情報を人々に伝えるかにあると私は考える。

 

「課題は放置されたまま」後藤政志/元東芝原子力プラント設計技術者

 もしも、1970年代に計画されていた珠洲原発が計画通りに建っていれば、福島以上の大規模な事故になったことを否定できない。地元で粘り強く闘った人たちが、私たちを大規模原発事故から救ってくれたことに心から感謝する。

 

「東京圏の反原発―これまでとこれから」対談:鎌田慧・ルポライター/柳田真・たんぽぽ舎共同代表

 (六ケ所村について)使用済み核燃料を溶かして、ウランとプルトニウムに分離し、その液体をガラスと固め、固化体にする工程のセル(部屋)で、高濃度の廃液が漏れた。その漏れた廃液には原発三発分くらいの放射能が含まれているそうです。その場所には一五年以上経っても近づけないんです。

 

「核融合発電」―蜃気楼に足が生えー」/今中哲ニ・京都大学複合原子力科学研究所研究員

 蜃気楼のような核融合発電の開発に、ベンチャー企業が参入し、ビル・ゲイツのような大金持ちから投資を受けるのはかまわないが、「もうすぐ実現」というプロパガンダで巨額の税金が投入されることを危惧している。

 

「守りに入らず攻めの雑誌を」菅直人/衆議院議員・元内閣総理大臣

 脱原発と自然エネルギー促進を目指す運動には、引き続き取り組んでいく。

 

「混乱とチャンス」中村敦夫/作家・俳優

 問題なのは、一部の人々が、巨額な広告費がつぎ込まれて「安全神話」に、依然マインドコントロールされていることだ。

 

「検証・あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題」なすび/被ばく労働を考えるネットワーク

 人間を物のように使い捨てて産業が成長し国家が延命する、そのような理不尽を許してはならないと、改めて思う。

 

「棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被災地から」北村敏泰/ジャーナリスト

 時の権力に抗し、後にも一向一揆などで民衆の反抗のエネルギーとなった、その親鸞のような抵抗の姿勢が、いまこそ強く求められている。

 

「COP28・原発をめぐる二つの動き 『原発三倍化宣言』と『気候変動対策のための原発推進』合意」原田弘三/翻訳者

 温暖化防止のために原発を推進するなどということは救いようがないほど愚かな選択である。COPがそのような愚行を先導しているという現実を直視する必要がある。

 

 以下、引用文は省略します。理由はあまりに長いレポートになってしまうため。その他の寄稿もぜひご覧ください。

「核武装に執着する者たち」山崎久隆/たんぽぽ舎共同代表

「珠洲原発・建設阻止の戦いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった」北野進/志賀原発を廃炉に!訴訟・原告団長

 まだまだ続きがあります。ぜひ雑誌「季節」を一読ください。

 

<2024年8月21日>

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どうやって生きれば良いですか (匿名)
2024-08-23 11:27:46
「適正,公平な社会のためには、虚偽は到底必要である」と判決を受けて敗訴しました。
   どうやって生きれば良いですか


私は、虚偽事由で侮辱されて提訴され、敗訴し、様々なものを失いました。
これを提訴したところ、「適正,公平な裁判のためには、裁判では虚偽は必要である」として敗訴しました。(本人訴訟)

弁護士会と日弁連は、当弁護士に対し、「噓をつくことは正当な弁護士行為」と議決して懲戒処分せずに、直後に当弁護士を会長・日弁連役職に就任させており、原告が提訴した時には、「当行為を処分しないからといって、原告(国民)に損害を与えていない」と主張しては、再び争いました。
裁判官たちは、権利の濫用を許し、当理由で原告敗訴としました。

国家賠償訴訟(福井地方裁判所.平成24年ワ第159号)事件を提起したところ、 国は「争う」とし、「適正,公平な裁判のためには、裁判では虚偽は到底必要である」と判決して、原告敗訴としました。
 裁判官に深々と頭を下げて喜ぶ国家公務員の方々の姿がありました。
 (その控訴(名古屋高等裁判所.金沢支部.平成24年(ネ)第267号)で敗訴確定)

その後に刑事告発したところ、詐欺罪として受理されました。(時効で不起訴)

近年、再審請求しました。
再審請求では当然に憲法違反を詳細に訴えたのですが、再び「憲法違反の記載がない」を理由に決定を受けました。(第一小法廷)(日弁連経歴者所属)

絶望と恐怖があるのみです。
日本は、法による支配(人権擁護)していますか?

 さて近年、元裁判官の樋口英明氏は、過去の立派な行動(?)を講演し、ドキュメンタリー映画をも作成したと聞きましたが、 当事件において、詐欺加害者に加担するかのように、「適正,公平な裁判のためには、裁判では虚偽は到底必要である」と法を無視して言い渡したのは、樋口英明 です。
あなたは、詐欺被害で苦しむ人々に対して、このような卑劣な判決を言い渡して来たのですか?
 この樋口英明を「正義の人」扱いするのは、妥当ですか。

この判決と原発訴訟の判決の関係を知っていますか。
返信する
正義 (さんろく)
2024-08-24 07:55:13
はじめまして。
樋口氏のことも、虚偽の件も、
まったく知りませんでした。
今後、このことに留意・注意いたします。
ありがとうございました。
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