海外留学には幾つかのメリットがあるが、外から日本と言う国を見つめ直す事ができるのもその一つである。言語、生活習慣、政治体制、文化、風土が全く異なる異郷の地で過ごせば世界観は180度変わる。数週間外国に滞在した程度では世界観などは変わらぬが、少なくとも1年間、留学生活を送ると必ず世界観は変わる。米国では、自己主張をしないと認めてもらえない。日本流の「謙譲の美徳」「沈黙は金、雄弁は銀」などと悠長な事を言っているとおいてけぼりを食う。筆者の主張壁、攻撃性は、この米国留学に根ざしている。アメリカで生活していると、日本がいかに馬鹿げた国かがよく分かるし、逆に、日本の良さを再認識する事もある。日本にはあるが米国には無いものは、タクシーの自動ドア、宅配ピザ屋の屋根付きミニバイク、カプセルホテルだが、米国にあって日本に無い習慣は、小切手帳での買い物、チップ制度、Do it yourselfの徹底であろう。小額の現金しか持ち歩かない米国人はクレジットカードかチェックで支払いをする。レストランでのチップは、美味ければ弾むし、不味ければ支払う必要はない。開拓民のDNAが残る米国人には、家や家電製品、車の修理、引越しなどは全て自力で行う人が多い。そして何故か金持ちの家は奥深い山中にあり、毎日別荘から通勤しているかのようである。山中の一軒家では、佐渡と違い治安は保障されてはいないので自身の身は自分で守らねばならぬ。それゆえ、護身用の銃を保持する人が多いのは当たり前。もう10数年以上も前の事件だが、20年前のハロウイーンの日に、米国ルイジアナ州バトンルージュで、仮装した日本の若者(当時高校生だった名古屋市の服部剛丈(よしひろ)君)が、お菓子をもらおうと、見知らぬ家を訪ね、「Please(お願いします)」と言った積りが、その米国人には「Freeze(動くな!)と聞こえ、強盗に押し入られたと勘違いされ、その若者は射殺されてしまった。この米国人の正当防衛権が認められたため、誤射による殺人の正当化を許すまじと、銃根絶社会を目指す機運が米国で盛り上がったのを覚えている読者は多かろう。発音がまずいと射殺されかねない国、それが米国と、頭に刷り込まれた人は多かったのかもしれまい。
留学生活を終えて帰国し、過度にアメリカナイズされた頭で同僚に接すると、必ず反発を買う。そこはそれ、「郷に入らば郷に従え」で、徐々にリハビリを重ね、日本の流儀に慣れねばならぬ。そしてすっかり日本の流儀に染まると、あの留学生活は何だったのかと思うようになる。筆者の留学は10数年前の出来事だが、今思い返すと、昨日の事のように思えるから不思議である。画像1は、留学中のとあるハロウイーンの夜に、「trick or treat?」と言いながらおねーさんに引率されてキャンデーを貰いに来た、仮装した近所の可愛い女の子達である。
追記:9月28日に、佐渡市の世界遺産推進課に対し、「佐渡市の文化財のHPに、問い合わせ用のメールフォームをリンクして欲しい」旨をブログ上で要望したところ、昨日、そのメールフォームへのリンクが完成しているのを確認した(実際には10月1日に完成していたようですが。。)。わずか1週間以内での陳情処理である、市役所にしては素晴らしい速さではないか!佐渡市世界遺産推進課は、佐渡金銀山の世界遺産登録を心待ちにし、それを確信している者の一人である、筆者の心強い味方である。担当は「金子」さんと言ったっけなあ~、充分給与に見合う仕事をしていらっしゃいますよ。市長さん、褒めてやって下さい。こういう隠れた縁の下の力持ちがいるからこそ、佐渡金銀山の世界遺産登録に対する自信がみなぎって来るのです。「金子」さんには紙面を借りて重ねて厚くお礼申し上げる次第です。
企業の経営者が人を上手く使う際の要諦は、「やって見せ、言って聞かせてさせて見て、褒めてやらねば人は動かじ」である。つまり、人の上に立つ者と言うものは、まず率先垂範して行動して見せる。しかる後に、そのやり方を教えてやらせて見る、そして上手く出来たら褒めてやる。それを地道に繰り返せば人は自ずと付いてくる。