昨今では、携帯電話の名義変更や預貯金の解約時、ネットカフェ利用時などに身分証明書の提示を求められる。振り込め詐欺やネット犯罪などの知能犯の増加で本人確認がより厳格化されたからだろう。海外旅行時に身分証明書の提示を求められるのは、出入国審査時とトラベラーズチェックを現金化する時くらいである。TCの現金化の際に、その提示を求められたらパスポートを提示すればそれでいいのだが、パスポートの紛失を恐れて、ホテルの部屋の貴重品ボックスに収納したまま外出する場合だってあるだろう。筆者は、ハワイに旅行した際、パスポートを持たずに街に繰り出し、TCの現金化の必要に迫られた事があった。銀行の係員から「Do you have any identification?」と聞かれた時に、咄嗟に思い浮かんだのはアメリカンエキスプレスのゴールドカードであった。これを提示したらすんなり現金に換えてくれた。米国ではクレジットカードの信用性が絶大である事を思い知った出来事だった。米国では運転免許証は身分証明書になるだろうか?何故なら、米国には運転免許の更新制度が無い州もあるようだし、米国人の易移動性に鑑みれば、それが本人確認の役に立つのだろうか。もっとも、テロ事件以後は本人確認が厳格化されたので事情は違っているとは思うが。。。
ちなみに米国には州によって違いはあるものの日本のような車検制度の無い州がほとんど。「車は壊れるまで自己責任で乗れ」と言う国なのである。更に、米国では、日本での運転経験があれば運転免許証は驚くほど容易に取得できた。日本のように免許証取得のために自動車学校に通う必要などはなく、車を真っ直ぐ100メートルほど運転できればそれで実技は合格で、学科試験もあったが、日本の時のように細かくは無かった。車社会の米国ではほぼ全員が合格なのである。米国留学の際、事前に日本で国際運転免許証を取得して行ったが、州によってはそれが無効な場合もあり、更に国際運転免許証の有効期限は1年のため、それを越えて米国に滞在する場合は現地で免許証の取得が必要になるが、心配は一切無用である。本当に簡単に取得できたからだ。筆者は、米国ではボルボの中古車(画像)を購入して乗っていた。ボルボを購入した理由は、頑丈で壊れにくいと聞いていたからである。米国ではガソリンスタンドは全てセルフ給油方式で、給油店員が常駐するスタンドもあったが、値段はさほど変らず、そして日本の三分の一の値段だった。米国生活では、ガソリンスタンドで洗車サービスを受ける車などほとんど見かけた事は無かった。流動性の高い社会である米国では引越しも小型トラックをレンタルして自分で行うのがほとんどである。米国滞在中、有名なトラックレンタル会社(U-Haul)の車が道路を通り過ぎるのを何度も見た。「現代のアメリカが日本の10年先の姿」と、よく言われるが、確かに10数年前のアメリカ生活が今の日本の生活にダブッて見えるこの頃である。