rock_et_nothing

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ブラジルの歌姫、マリーザ・モンチ

2011-01-20 23:30:33 | 音楽たちーいろいろ
“Negro Gato”=「黒猫」を歌うマリーザ・モンチは、ジャニス・ジョップリンを髣髴させる。
パワフルでブルージーな歌声は、聴く者の心を揺さぶる。
マリーザ・モンチのファーストアルバム“MARISA MONTE”に収録されているが、デビュー間もない歌手の完成度とは、とても思えない出来栄えだ。
ガル・コスタも、どんなジャンルの歌もさらりと歌いこなす根っからのシンガーだが、マリーザ・モンチもサンバ、スタンダード・ジャズ、ロック、レゲエなんでも自分の歌として歌いきってしまう。
何でもござれと器用にこなし、いったい何の歌手かなどというのは、野暮だろう。
ブラジルは、移民大国つまり多民族国家。
様々な文化背景を持つ人々から成っているブラジルの歌手である彼女に、特定のジャンルを強要するのはお門違い、民族文化の違いを超えて、人の心に響く歌を歌うならば、あらゆるジャンルにまたがるのは当然の成り行きだ。
残念ながら、彼女のほかのアルバムを聴く機会が得られていない。
しかし、このファーストアルバムだけでも、充分堪能できる。
“Bem Que Se Quis” “Chocolate” “Speak Low” 
どれもすばらしく、何度も繰り返し聴きたくなる歌声。
一度聴いたなら、二度三度とまるで麻薬のように歌が沁みこんでくる。
ちなみに、彼女はとても美しい。
そんな彼女の歌う姿と声は、ギリシャ神話のセイレーンのように、聴く者を彼女の虜にして深い歌の世界に引き込んでしまうかのようだ。