rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

乾燥・強風、そして土埃

2014-01-31 22:53:12 | 空・雲・星・太陽たち

昨夜、久しぶりに雨が降った。
でも、たいして多くはなかった。
木の下は乾ききった土、濡れている土も少し掘り返せばやはり乾いた土のままだ。
今日は朝から晴れていた。
しかも気温が高い。
天気予報では風が吹くという。
いやな予感がする、心なしか花粉も飛び始めた気もする。
洗濯物はよく乾くのだが。
10時ごろから次第に風が強くなり始め、11時には突風が吹き出した。
ああ、始まってしまった。
黄土色に煙った土埃の塊が周期的にあたりを襲う。
洗濯物を避難させ、家中の戸締りを確認する。
そして、呆然と外の景色を眺め、諦めの季節に突入したことを知るのだ。
雨が欲しい。
雨が降って欲しい。
優しく穏やかな雨が欲しい。
今年はもうすでに台風がフィリピン沖で発生したそうだ。
1月に台風が発生するのは、29年ぶりだとか。
自然とは、人の思い通りには行かないものなのだ。


霜に耐えた野菜はとても甘く

2014-01-30 22:39:41 | 食べ物たち
畑でじっと蹲り寒さに耐えていた白菜を食べた。
白菜の外側の葉は、寒風と繰り返される凍結で干からびてなかの葉を守るように幾重にも張り付いている。
その張り付いた葉をぺりぺりとはがしてまともなところを持ってきた。
今日の夕食は、その白菜を使って、豚肉と白菜の中華炒めだ。
彩に少しのニンジンと、長ネギをまるごと1本分、ニンニクと生姜で香り付けして豆板醤で辛味を加えた。
食べてみると、生姜が効いて味がしまっているはずなのに、全体が甘くなっている。
肉は問題ないのだが、とにかく野菜が甘いのだ。
だから、イメージしていた味とずれていて、少々不満な出来だった。
しかし、これは仕方がないこと、寒さに耐えるために野菜が糖度を上げるのはもっともだから。
長ネギ、大根、ほうれん草、なんでもそうだ。
夏に収穫して保存してあるジャガイモも、芽を出しながら冬を耐え、糖度を増している。
とはいえ、その甘さが料理の邪魔をするから困ることも多々。
昼に作った、肉うどんにも豊富な大根を入れたなら、醤油と酒の調味料で十分な味付けになったのだもの、そのあたりを考慮して料理をするべきなのだろう。
こうして、冬野菜の甘みを通して、自然の強かさを感じ取ってしまったのであった。


好評なミニトマトとモツァレラチーズのサラダ

2014-01-29 22:48:00 | 食べ物たち

ミニトマトとモツァレラチーズのサラダ 2/2/2014

弟から、我が家に不相応なくらい高級なオリーブオイルをもらった。
スペイン産のエクストラバージンオリーブオイル、1種。
イタリア産のエクストラバージンオリーブオイル、2種。
同じくイタリア産で、唐辛子の入ったもの1種。
我が家の定番は、2リットルのトルコ産バージンオリーブオイルで、これも価格のわりには香りよく十分に美味しい。
しかし、せっかくの高級オイルを加熱してしまうのはもったいないから、ドレッシングにして風味が損なわれないうちに食べることにした。
さて、どのようなドレッシングにするか。
頂き物の美味しいミニトマトがある、モツァレラチーズもある。
シンプルなオリーブオイルと酢のドレッシングもいいけれど、ちょっと味わい深さをもたせたい。
刻みタマネギとパセリ、それに酢はバルサミコ酢にしてみよう。
細かくみじん切りにしたタマネギ大さじ4、パセリのみじん切り大さじ3、バルサミコ酢大さじ2、オリーブオイル大さじ4、塩・荒挽きコショウ・砂糖は適量。
ミニトマト20個は半分に切って、モツァレラチーズ1塊も小さく千切って、ドレッシングと混ぜ合わせる。
少しなじませるためにおいたなら出来上がり。
これが好評で、瞬く間に食べつくされてしまう。
このドレッシング、小さめに千切ったレタスだけあえても美味しい。
レタスとトマトとチーズの組み合わせ、レタスとチーズの組み合わせ、きっとアボカドなんかもいいだろう。
バルサミコ酢をレモン汁にしてもさわやかな風味で美味しい。
とにかく如何様にもバリエーションは広がっていく。
でも決めてはオリーブオイル。
昔、真夏のフィレンツェでランチを食べたとき、たのんだトマトのサラダには塩とコショウと鮮やかな緑色の輝くオリーブオイルが添えられてきた。
そのとき初めてオリーブオイルの香りの素晴しさを知る。
オリーブオイルはそれ自身、替えの利かない調味料だと分かった。
以来、トマトにはオリーブオイルとすり込まれたのであった。
ちょっと前に見たテレビの番組で、スペインにはスーパーの壁一面に陳列されるほどのオリーブオイルの種類が
あって、消費者は自分好みのオイルを数種類家に買い置くといっていた。
用途に合わせて使い分ければ、それもなるほどと思われるくらい、オリーブオイルにぞっこんな私だ。



理想郷の彼方へ、ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ

2014-01-27 23:35:14 | アート

St. Genevieve Watches Over the Sleeping City of Paris

19世紀フランスの画家ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌは、不思議な画家だ。
アカデミックとも思える主題を扱いながらも、彼独特の色彩感覚で時代を超越したものにしてしまった。
そして、重力を感じさせない。
おそらく彼の描くものに、存在の重みを受け止めるべきはっきりとした影が存在しないことが、全ての鍵のように思われる。
始まりも終わりもない、停止しているかのような時空が、彼の絵を支配している。
今まで、意識していた画家ではなかったので、迂闊にも気に入っていた絵のいくつかがシャヴァンヌのものであったことに驚いた。
この浮世の対極ともいえるシャヴァンヌの絵の世界に一時でも逃避していよう。
ますます歪んでくるこの世界のあり方に辟易してしまった無力で小さい自分の空しい心に、美しい世界の澄んだ空気を当ててあげるのだ。


Jeunes filles au bord de la mer


Le Pigeon

ロココの儚い華、アントワーヌ・ヴァトー

2014-01-26 22:44:44 | アート

Pélerinage à l'île de Cythère


The Shepherds

18世紀フランス、ロココ様式を代表する画家アントワーヌ・ヴァトー。
爛熟した貴族文化の結晶ともいえるその絵から、「雅びな宴」(フェート・ギャラント、fêtes galantes)の画家と呼ばれる。
恋の駆け引きに興じる男女の嬌声が聞こえてくるような画面ではあるが、よく見るとどの人物の陽炎のようで実体を感じない。
なのに、”ジル”道化を描いたものはどうだろう、どっしりとした存在感、「虚」を表すものこそが実を持っているとでもいうか如くに。
それでも、彼の目は宙を漂う。
言いようのない哀しさが、諦めが、彼の絵を染めている。
いったいヴァトーの目は、何を見てしまったのだろうか。


Sitting Couple


Gilles