rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

BANANA FISH ー あるアンドロギュヌス神話

2018-12-30 22:39:11 | 漫画やアニメ
吉田秋生原作”BANANA FISH"のアニメが、今年放映されていた。
元の漫画は、1985年から雑誌に連載されていたけれど、あいにくと私の講読する雑誌ではなかったので、その存在をぼんやりと知っていたものの読む機会は得なかった。
それから30年以上のときを経てアニメ化されたのをきっかけとして、文庫版の漫画を購入し読んでみた。
当時の情勢や社会問題を絡めつつハードボイルドなタッチのストーリーに、思春期後半の少年たちの恋愛にも似た友情を描いている。
人は、生れ落ちた環境の良し悪しにかかわらず、その存在を肯定されたり愛情に満たされる保証は得ない。
また、当人にとって不足のない状況であっても不幸なすれ違い行き違いが起きる場合もあれば、過酷な状況でも一滴の水が必要なポイントに滴り落ち潤い満たされる稀に幸運なこともある。
アッシュと英二は、その稀な例で、いわゆるアンドロギュノスなのだろう。
しかも、紆余曲折を経てなどではなくて、ファーストコンタクトですでにそれを感じ取っていた。
だから、お互いがブレるということはなく、周囲の介入と互いを思いやるが故の行動で、安住のときを持てない。
しかし、運命とは残酷なもの、この一対のアンドロギュヌスは、片割れを見つけたもののその身は引き裂かれ、心が一時繋がった事実だけが残った。
これはファンタジー。
でも、誰しも内心強く憧れ求めていることなのだと思っている。
一番は心の強い結びつきで、それを強固に補強したり、確認や占有独占したりするためのものとしてのセックスがあるのではないかと、最近考えている。
この物語のアッシュと英二は、何にも揺るがない心の結びつきを持てた、理想のあり方なのだろう。


2018年12月14日 ふたご座流星群

2018-12-14 23:41:16 | 空・雲・星・太陽たち
今日のふたご座流星群は、結構いい感じで星が流れている。
始めのうちは、見られた流れ星の数を数えていたけれど、そのうちどうでもよくなって、鼻腔から流れ込むキンと冷えた空気を吸い込みながら、トータルで1時間以上空を眺めていた。
9時前のころ、我が家にやってくる中学3年生の男の子たちと一緒に、流れ星を観察した。
今まで流れ星を観たことがあるか尋ねたら、無いとの返事。
私が誘ったからではあるが、今回が初の流星観察、彼らの心に、何かしらの軌跡を残せたならと、淡い期待を抱いている。
流れ星は単純に美しいものだが、宇宙に漂う芥の実在した最後の痕跡であり、大気圏の強固なシールドに守られている地球の幸運さなど、前途ある彼らにいろいろ感じてもらいたい。
さてと寝る前にもう一度夜空を仰いでみようか、つめたい外気の中にいざ往かん。