rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

珠玉の横顔、最強の媚薬、ドメニコ・ヴェネツィアーノ

2014-07-31 23:07:07 | アート

若い貴婦人像

初期イタリアルネサンスの画家ドメニコ・ヴェネツィアーノ。
彼の描いた二枚の肖像画と一枚の聖母子像は、なんと美しいのだろう。
非の打ち所のない完璧な美、静謐な空間。
この絵に向かった瞬間に心が囚われ、永久に身動きできなくなりそうな魔力も秘めている。
イタリアの重厚な石の壁でできた窓の小さく薄暗い室内に、この絵と二人きりになったなら、私は向かい合う壁にかけられた一枚の絵に変身してしまいそうだ。
そして永遠に誰も訪れることができない閉ざされた空間に向かい合ったまま、ボルヘスの物語のように時が果てるまであるだろう。
でも、それがいやとも怖いとも思えない。
むしろそうなるならば望むところ。
それくらい強烈な媚薬ともいえよう。
いかにしてドメニコ・ヴェネツィアーノはこれらの絵に特別な力を与えたのか。
特別な念が込められたこれら三枚の絵を、どうぞじっくりと御覧あれ。


若い女性の肖像


聖母子像

偏った報道

2014-07-30 22:44:24 | つぶやき&ぼやき
アフリカ西海岸諸国、リベリア・ギニア・シエラレオネ、そして新たにナイジェリアと、エボラ出血熱は猛威を振るっている。
ところがあまり日本のテレビでは報道していないようだ。
グローバル化とは、遠い国で起こっていることが対岸の火事とならないことなのに。
これからお盆の前後、日本は旅行シーズン、海外出国ラッシュを迎える。
それに影響を及ぼすからだろうか、不安をあおる報道がなされないのは。
また、中東のシリアやイラン、ガザなどの戦争、クリミア半島をめぐる紛争も、ショッキングな佐世保の事件に押されて報道が細っている。
たしかに人の好奇心はその事件に向くだろうし、怖いもの見たさという心理を満たすためにマスコミもせっせと情報を集めるからなおさらだ。
報道とは、本来そういうものであってはならないものではないか。
狭い世界のことだけを扱っていたのでは、推奨するグローバリズムに乗り遅れてしまう。
大衆の好む三面記事的な事件の扱い、またどこぞが望まないさまざまな事象を避ける報道をしていることに、大きな危惧を抱く。
報道する側のモラルや知性が劣化したのか、偏向報道を誘導するちからがはたらいているのだろうか。
インターネットから得られる情報がすべて正しいと思えないけれど、ひとつの事柄をさまざまに捉えた事に接されるので、多少のバランスをとれる気がしている。
しかし、今の報道の仕方がいいとはすこしも思えないのはたしかだ。



心洗うヴィヴァルディのオペラ

2014-07-29 22:44:16 | 音楽たちークラシック



Vivaldi Opera Giustino Aria ''Vedro con mio diletto'' Anastasio RV717 by Philippe Jaroussky

アントニオ・ヴィヴァルディのオペラ、典雅で美しい。
日々心が痛み荒むような出来事が起こるとき、癒してくれるものは美だ。
清らかな泉のようなヴィヴァルディの音楽で、心を濯ごう。
闇から湧き出す負の力に打ち負かされないよう、心を清明に保とう。
人の声には、楽器にはないやわらかさ深さがある。
ヴィヴァルディは、その効能を熟知してた。
今ならそのよさがよくわかるのだ。
フランスのカウンターテナーの声楽家フィリップ・ジャルスキーの歌声は、見事なまで叙情的に歌い上げている。



Philippe Jaroussky - Vivaldi aria



Philippe Jaroussky - Stabat Mater. Antonio Vivaldi (part 1)

神々の島、インドネシアのバリ島

2014-07-26 22:41:26 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」ジャワ島のすぐ東にあるバリ島は、バリ・ヒンドゥー教の神聖な山アグン山標高3031mなどの多くの火山を頂く島。
ちなみにケチャで有名なウルワツ寺院、ランプヤン寺院など、アグン山に向けて建てられている。
これら火山は、人々に災厄をもたらすが、同時に肥沃な大地の恩恵も授ける。
クスティ寺院の滝では沐浴が行われていて、バナナの葉の器に花を入れた「チャナン」というお供え物、ひとつは叶えたい願い事を込めて神様に、もうひとつは悪魔に邪魔されないように地面において祈りを行うマナーを守れば、観光客も参加できるという。
また、いくつかの海流が入り混じるバリ島は、世界有数のサーフィンスポットおよびビーチリゾートの地、とくにクタ・ビーチは有名だ。
バリ島からボートで40分のところにあるレンボンガン島は、島をマングローブの森が取り囲む自然豊かなところ。
満月の夜には、巨大エイのマンタが群れをなして泳ぐさまが見られ、通常も高確率でマンタの遊泳する姿を見ることができる。

グルメ。
”ニュー・マタハリ・カフェ”は、極彩色の特大ロブスターの炭火焼、ガーリックソースを食べられる。
”インドローランド”は、B級グルメ、庶民の主食「マルタバ」がいい。
極薄い生地に卵でとじた鶏肉・ネギをのせて包み揚げた、揚げ餃子のようなもの。
”レストラン・クカ”は、「バリの朝食」がお勧め。
一見目玉焼きがのった丼的なものと思えるけれど、実はスウィーツ、パッションフルーツなどムースの上にココナッツの白いムースで全面覆い、その上に黄身に見立てた丸いマンゴーソースをのせたもの。

ショッピング。
”クリシュナ”は、24時間営業のバリ雑貨の店。
いずれもリーズナブルな値段で、「ハンクアン」という芋のスクラブが美肌効果、レモングラスの石鹸は香りが虫除けになるなど、コスメティックなものまである。
”デ・ラ・レイナ”は、インドネシアの伝統的織物イカットを使った品々の店。
イカットを作っているのは主に貧しい地域の女性で、その人たちの支援にとイカット製品を取り扱うようになったらしい。

バリ島の昔からの民間療法に、風邪のときオリーブオイルを体に満遍なく塗ってコインでこする治療法がある。
オリーブオイルは食べるだけではなく、薬として化粧品として古今東西使われているので不思議ではないが、バリ島にオリーブの木があるのかどうか疑問である。
交易でもたらされたのか、それともオランダ統治時代のから始まったのか、いったいどうなのか知りたい。

神々の島バリ島、豊穣な自然にふさわしいヒンドゥー教の島として、その独自性を保ていって欲しい。



ブラックベリー・ジャム

2014-07-25 23:46:57 | 食べ物たち

ブラックベリー・ジャム


ブラックベリーそしてワイルドベリー

98%ブラックベリーのジャムを作った。
今までは、ラズベリーにワイルドベリー、ブルーベリーも混ぜたミックスジャムで、ブッラクベリーの厳つい種もそのままにしてあったけれど、今年はちょっと違うのだ。
なにしろ、ブルーベリーは不作で早々に終わってしまい、豊作だったラズベリーもブラックベリーが熟すまで待ってはいなかった。
それで、ほぼブラックベリーで作るジャムにあのごつい種はとても厄介になる。
だから手間がかかるけれどざる目で種を漉して、ジャムを作った。
ゴムベラで実を押しつぶし種と果肉を分離するときにこすれた種から出た苦味なのか、酸味の効いた野趣のあるやや大人の味で黒みがかった紫の色が美しい。
出来立てのジャムをなめるのが好きな小さい人も、存在感のある味に大絶賛、ブルーベリージャムより美味しいと言っている。
まだ熟さない実が残っていて、黒く熟した実から洗って冷凍庫で保存、あと一回はジャムを作れそうだ。