rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

花散らしの雨に耐える桜

2021-03-28 22:52:03 | ドライブ&写真






今年の桜の開花はいつになく早く、暖かさも手伝ってあっという間に満開となる。
桜は多くありそうな道を通って元小さな人のところへ向かう。
どこもかしこも桜、桜が見事に咲き誇り、景色が淡い桜色に彩られている。
そして、今日は花散らしとなるであろう雨になった。
日中も少しの間、雨が降っていたが、夜になった今、かなり本気の雨音が聞こえる。
雨に打たれて散る花びらが、桜色の川になる。
濃い藍色の闇に、ほの白く浮かび流れる花びらの川。
道に、川に、漂い流れる桜の川は、光射す晴れでも、すりガラス越しの柔らかな光を作る曇り日でも、美しいけれど、幽玄な美しさを望むなら夜がいい。
桜は、はらはらと中を舞い落ち、雨によって川となる、実のところこの散る様が一番美しい姿なのかもしれないと思うのだ。

ミツマタ群生地

2021-03-16 22:47:58 | 山歩き




今日は、栃木県茂木市にあるミツマタの群生地へ行ってきた。
晴れて暖かいが、この地は梅の花が終盤を迎えていた。
ミツマタの群生地は、里山の美しい景色をずっと進んだ奥にある。
一番奥にある駐車場のひとつ手前に車を止めて、杉木立に囲まれた道を歩いていく。
道の片側には沢があり、清らかで冷たい水がさらさらと流れる。
山の谷間には、この沢に流れ込む細い支流が所々にあるのもまたいい。
水のせせらぎを聞きながら心地よく歩いていくと、お目当てのミツマタの群生するところに着いた。
平日の午前中、そんなに訪問者は多くなく、皆写真を撮ったりゆっくりとミツマタの可憐な花を愛でている。
マスク越しにようやく香るミツマタの梅の香に似た上品なほの甘い匂いが、心を潤す。
パンフレットに、「妖精の森」と謳われていたのがうなずける。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」にある、エルフの森のようでもある。
このような美しい場所は、きちんと保全し、大切に守り継がなければならないのはいうまでもないけれど、この地域の人々の決め細やかな手入れの行き届いた里山を見ると、心配いらないようだ。
長年培われてきた美意識と、土地を大切に守ろうとする気概があるのだろう。
ミツマタ群生地と近隣の里山が、また訪れてみたいと思った場所になった。












小癪なピカソ

2021-03-13 12:14:30 | アート
オレンジ色のベレー帽の女 1937

何をもって小癪なのか?
幼少からのデッサン力の裏打ちでもってぐうの音も出ないほどに人々の認知を獲得し、その後好き放題に手当たり次第に食い散らかしたり、他人のアイディアを昇華させたりと、類を見ないほどの貪欲さにある。
それが小癪という表現に留まるわけは、完璧なオリジナルなど芸術にありえなく、つまりやった者勝ちという側面があるからだ。
どんなに着眼点がいいアイデアも、それだけではなさなく、表現して形を成してこそ芸術として成立する。
音楽もアレンジ如何で名曲としての煌きを放つのか、映画やドラマも脚本の出来次第で名作となるのか、それぞれどういう手法をどこまで極めるかに負うところが大きい。
ピカソのそれは、マルチプロデューサーに近いように思うのだ。
芸術家がその向かうところに一途でストイックでなければならないなどの幻想を、とうより持ち合わせていないが、圧倒的捕食者のようなその画業と、芸術の可能性を広げつつ芽を摘んでしまうことに、猛獣の中の小動物がちらちら見えるようで、釈然としない。
けれど、よく見ているとその巧さに感心してしまい、だから小癪に思うのだ。
ピカソが好きな画家ではないけれど、おおむね彼の絵からは負の印象を感じないところはいいようだ。
ほら、この絵の女性はいかにも幸せそうに微笑んでいる。


二月最後のドライブ

2021-03-04 23:04:05 | ドライブ&写真


二月最後のドライブは、霞ヶ浦の西側をドライブした。
すっきり晴れて写真日和、旧道をのんびりと走らせながら写真スポットを探す。
生活道路でもあるけれど、今は抜け道として使われているのだろう、思いのほか交通量がある。
蓮の田んぼが広がり、霞ヶ浦の向こう遠くには牛久大仏も見えて、なかなかに風光明媚といえようか。
霞ヶ浦環境科学センターの庭には、河津桜や梅の花が咲き、メジロたちが花の蜜を吸っている。
手入れの行き届いた羽黒神社は、梅の古木に囲まれて、ここの神様はとても気持ちがいいだろうと、こちらまでうれしくなってしまう。
いかにもな観光地とは趣の違うさりげない、しかし人々が守り受け継いできた文化を感じられる、こうした地域の神社仏閣、史跡に土地の保全は、とても大切な未来に渡すものではないかと思うのだ。








霞ヶ浦環境科学センター








羽黒神社