rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

待望の秋到来

2018-09-23 22:45:47 | つぶやき&ぼやき
恐る恐る、もうこれで大丈夫なのかと思いながら、週間天気予報を眺め、特に最低気温からして、秋になったとしてもいいだろうか。
コオロギなどの虫の音と、夕方より空気が涼しくなって、明け方には肌寒さを感じるようになってきた。
やっと、あの苛烈な夏が去ったようだ。
久しぶりに会う人の口々に、「今年の夏は・・・」と必ずといっていいほど上る文句だった。
そして、無事にやり過ごせてよかったと、お互いの無事を確認した。
それほど、天災級の暑い夏だったのだろう。
また、地震、豪雨による洪水土砂崩れなどの被害も相次いだ。
いまの日本は、災害だけでも満身創痍。
実りの秋で満ち足りた季節のはずなのに、どこか悲壮感が漂うのは、多くの人々が、実感の伴う幸福感を得ていないように見えるから。
実体を伴わない何か空々しい雰囲気が、世界を満たしていると感じないだろうか。
しかし、これに惑わされないために、まずは美味しい秋の恩恵を受けよう。
生きている基本、胃袋と味覚、嗅覚、視覚を満たそうか。

アクリル樹脂標本のような世界、デヴィッド・ホックニー

2018-09-22 23:17:55 | アート

once again,with feeling


stunning english landscape

イギリスの現代アートの巨匠デヴィッド・ホックニー、81歳にして現役の作家だ。
彼の持ち味明るく澄んだ色彩は、翳り失うことなく、今も彼の世界を支えている。
彼は、けして能天気なのではない。
この明るい色彩の間に、どこか冷めた、どこか一定の距離感とでもいったような感覚が潜んでいる。
アクリル樹脂の中に切り取られ固められてしまったかのような、凍りついた時間、標本とも思える印象のせいかもしれない。
特にそれが顕著なのは、人物が配されたものだ。
そのポーズのせいなのか、いやそればかりではないだろう。
人に対する愛惜が、時を止めたい欲求に駆られた結果なのかもしれない。

そのホックニーの絵に惹かれる私は、人に対してどれほどの愛を持っているのだろうか。
もし自分に時を凍結する能力があるとしたならば、果たして人に向かうのかあまり自信が持てないのである。


George Lawson and Wayne Sleep


my parents

ブラジルの国立博物館焼失

2018-09-04 22:43:23 | つぶやき&ぼやき
なんとも残念極まりない映像が、テレビの画面に映し出されていた。ブラジル、リオデジャネイロにあるブラジル国立博物館が、猛烈な炎に包まれて全焼し、2000万点以上に及ぶ貴重な収蔵品が失われてしまったのだ。
原因は、漏電によるもので、オリンピック後予算を大幅にカットされて、建物施設の老朽化と消火施設の不備が改善されなく、最悪の事態に至ったらしい。
たとえ詳細なデーターで残してあったとしても、オリジナルの持つ貴重さを凌ぐことはできない。
人類の存在意義を結集昇華させたもの、進化の足跡、宇宙の片鱗、いづれももう戻りはしない。
ブラジル国民も憤り激しく、抗議運動を起こしているという。
これは予期し、防ぎ、被害を軽減することが可能なことだっただけに、なんとも無念である。
ただし、唯一ままならないのは、人の怠慢、愚かさだった。
中には、警鐘を鳴らしていた懸命な人もいたであろうが、トップに愚者がいた場合、それは聞き入れられることは稀だろう。
おや?何かこれと似たシチュエーションがあったような・・・それによって取り返しのつかないことが起こってしまったことも。
はてさて、なぜもこうに人というものは、こうも不完全で、傲慢なものなのか。
そのような者たちが営々と成してきた結晶をみると、それでも人は愛すべきものなのだろうか、心が漣だってしまうのである。
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