転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



去年、話題にしたファジル・サイの裁判だが、
『禁固10ヶ月、執行猶予5年』という有罪判決が出たそうだ。

トルコの著名ピアニスト、「イスラム侮辱」のツイートで有罪(CNN)
『イスタンブール(CNN) トルコの裁判所は15日、世界的に活躍するトルコ人ピアニスト、ファジル・サイ被告(43)に対し、ツイッターにイスラム教批判を書き込み、「市民が信仰する宗教的価値観を公然と侮辱した」として、禁錮10カ月、執行猶予5年の刑を言い渡した。』『サイ被告は昨年6月、ツイッター上での発言を巡ってイスタンブールの裁判所に訴えられていた。問題のツイートでは、イスラム教の天国の描写について「ワインの川が流れているというが、天国は酒場なのか。1人に2人ずつ女性が与えられるというが、天国は売春宿なのか」などと書いていた。』『同氏はフェイスブックを通し、改めて無実を主張。「私個人というよりトルコ全体の言論の自由、信教の自由が懸念される」との声明を出した。担当弁護士はCNNに、「無罪判決を予想していた」と語った。最大野党、共和人民党(CHP)も「トルコの民主主義にとって恥ずべきことだ」と判決を非難した。』『同氏はまた、10年以上前から同国の政権を握るイスラム系の公正発展党に対しても批判的な発言を繰り返している。』『一方原告側は、「言論の自由というのは他人を見下したり傷つけたり、侮辱したりする権利のことではない」と主張した。』

問題となっているイスラム教の天国の描写については、
ファジル・サイ本人が書いたものではないという説もあったが、
何であれ、イスラム教批判と取れるツイートを書いたこと自体は、
確かなようだった。
そうしたものを、個人の言論の自由と取るかどうかは、
それぞれの国内事情および宗教的背景も絡むことだし、
主張の分かれるところなのだろう。

いずれにしても、『執行猶予5年』ならば、多分、
今後のサイの演奏活動が大きく制限されることまではないと思われる。
トルコの刑法など私は全然詳しくないから希望的観測だが(汗)、
ただちに懲役ということではなかったので、
彼の演奏を聴きたい者にとっては、一安心だろう。

ちなみに、サイの演奏で最近私が感銘を受けたのは、これ↓だ。
Fazıl Say "Appassionata" 3rd Movement Variations(YouTube)
友人某氏に教えて貰った動画なのだが、開始10秒で圧倒された。
ファジル・サイは、イっている。あまりにも。
熱情の三楽章が、私にとって、なんだか別の意味を持ってしまった。
こうなると、ラン・ランの百面相なんてモノの数ではないと思った。

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