わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸に於ける有害物質 1

2010-10-31 21:30:38 | 陶芸の困り事
健康診断の問診書の中に、職業としての、陶芸暦の有無を問う、項目があります。

 即ち、陶芸に長く携わっていると、健康に影響を与える事が、あるからです。

1) 有害物質は、主に釉や、絵付け用の、絵の具に含まれて居ます。

   その他に、撥水剤や、防水剤などの薬品や、窯から出る、排気ガスなど、色々な物質が、関係して

   います。勿論、粘土や磁器土は、自然物であり、有害物質は、ほとんど、入っていませんが、

   掃除などで、舞い上がった粉塵等を、多量に吸い込むと、健康に影響します。

2) 陶芸材料店で購入できる、原材料や釉には、直接有害な物質は、少ないはずです。

  ・ 但し、市販の釉が、どんな材料で、どのくらいの量を、含んでいるかは、我々消費者には、判りま

   せんし、メーカーによっても、その組成に違いがあります。

  ・ 粉末状の、釉薬を水に溶く際などは、その粉塵を、吸い込まない様に、注意する必要があります。

   又、御自分で、釉を調合される場合でも、原材料の有害性を、理解していて不都合は、有りません。

3) 以下各物質について、述べていきますが、同じ物質の化合物でも、特に有毒な物や、やや有害な物、

   更には、全く無害な物まで、各種多様です。

4) 有害物質も、急性の物と、長期の吸入や接触により、発症する、慢性的症状があります。

   又、人に対しての、発がん性の有無も、重要な要素に成ります。

  ・ 人に有害かどうかは、摂取量と、期間、及び個人の体質に、大きく依存します。

    それ故、後の各論で述べる事項が、直ぐに、有害物質であるとは、必ずしも言えない事を、予め、

    御了承下さい。

5) 陶芸で使われる、金属化合物は、主に釉や、絵の具に含まれ、着色剤として、使われています。

   以下の様な、物物が有ります。

    紫: 酸化マンガン、銅、マンガン+銅、酸化コバルト、金

    青: 酸化コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、銅

    緑: 酸化クロム、酸化銅、炭酸銅、酸化鉄

    黄: 酸化チタン、ニッケル、酸化クロム、クローム酸鉛、重クローム酸カリ、カドミウム、

    茶: 酸化鉄、鉄+硫黄、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化クローム、酸化ニッケル

    黄赤: セレン+カドミウム

    赤: 酸化銅、酸化クローム、酸化ウラン、塩化金、コバルト、セレン+カドミウム

    赤紫: ネオジウム、マンガン

    黒: 鉄、その他の着色剤を混ぜる。(銅、クロム、ニッケル、マンガン、コバルトなど)

    白: 酸化錫、酸化亜鉛、骨灰、酸化蒼鉛、弗化カルシウム、弗化ソーダ、燐酸カルシュウム、

   但し、上記物質(材料)が、全て有害と言う訳では、ありません。  

 ① 釉の成分は、長石や珪石と溶媒、即ちアルカリ類からなり、それ自体は、粘土と同じ様な、材料と

    なっており、着色剤として、上記で述べた、各種金属類が、混入されています。

    この金属類の一部が、健康に影響を与える、有害物質に成ります。

6) 各々の、有害物質について、

  ① 鉛: 鉛は、釉の一部や、身近な金属として、ハンダや蓄電池などに、利用されています。

以下次回に続きます。

 陶芸の有害物質
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