わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 202 陶芸は脳に良い刺激を与えるのか?2

2015-12-10 20:33:49 | 素朴な疑問
2) 陶芸のどの行為が脳の刺激と成るのか?

 陶芸での指や手の使い方は、多肢に渡ります。勿論、轆轤作業でも指や指先、手を動かす作業は

 多いですが、なにより手捻りで作品を作る方が、手の動(働く)かす種類は多いと思われます。

 ① 手や指を行為の種類。

  ) 用具を使わず、手のみで行う行為。

   a) 主に力が必要な行為。

    手(掌=てのひら)を開いて粘土を叩く、拳骨で叩く、土を握る、土を圧着する、粘土を

    圧縮させながら曲げる、土を捻じ切る、土を練る、土を積み上げる(繋ぎ目を消す)、

    粘土を棒状に延ばす、両手で拝む様にして延ばす、手を広げて机の上で転がして延ばす、

    粘土を摘んで薄く延ばす、粘土を引っ張て延ばす、土を拠る(よる)、土を混ぜ合わせる、

    その他諸々の使い方があり、手の使い方も異なります。

   b) 主に指先の感覚を使う行為。

    土の表面を撫ぜる、擦る(さする)、擦って光沢を出す、表面の凸凹を指で感知する、

    土を摘んで肉厚を計る、爪で表面を弾き音で肉厚を確認する。その他諸々の使い方があり

    ます。電動轆轤では特に指先の感覚が大切になります。即ち土の軟らかさを感知する、

    異物の混入の感知器官として、肉厚の厚さや土の拠れるのを感知し、力の強弱を調整する、

    作品の側面の曲面の程度や、膨らみ具合、表面の凸凹度合いを感知する。その他色々な

    使い方があります。

  )用具を使う手の使い方。

   用具を持つ(用具の種類によって、持ち方や握り方も変わります)。鷲づかみ、鉛筆持ち、

   指先持ち等です。強く握ったり、弱く握るなど場面に応じて調整します。

   用具として、コテ類、竹箆(へら)、剣先(針)、切糸、鉋(カンナ)、絵筆、刷毛、など

   があります。

 ② 腕(力)を使う行為。

  指だけでなく、体全体を使ったり、腕の力が必要な場合もあります。昔の轆轤では人力で轆轤を

  回転させなければ成りませんでしたので、腕力が必要でした。現在でも蹴轆轤(けろくろ)を

  使う方は、足の力が必要です。土を練る時や土殺しの時は、勿論ある程度の力が必要ですが、

 「コツ」をつかめば、さほど腕力は必要としません。

3) 脳に刺激を与える行為は、日常的に使う(慣れた)方法よりも、非日常的な行為の方が有効

  との事です。

 ① 普段あまり使わない、指の動き方をする。

  利き手と反対側の手で、普通の事や複雑な事をしようとすると、何時もと違う脳の動きをします

 ② 両手を同時に使う。但し両手の動きが違う動きの方が効果が大きい。

  身体の右半分は左脳が、左半分は右脳の運動野がコントロールしています。即ち、右手は左脳を

  左手は右脳を刺激する事になります。両手を同時に使う事で、左右両方の脳が同時に刺激され

  ます。左右の脳は中央で連結されていますので、刺激の効果が大きいです。

 ③ 指先の感覚を鍛え、小さな変化も見逃さない様にする。

  指の中でも、指先は特に敏感な部分です。繊細な動きが求められる事も多く、脳への刺激も

  特に大きいと言われています。

 ④ 指先のみでなく、掌(てのひら)全体を使う。

 ⑤ 細かい動きと大きな動きが混在する。

 ⑥ 指や手の動く速さの加減が、臨機応変に対応できる。

   轆轤作業では瞬時の判断が要求される事は稀ではありません。轆轤作業では壊れる時は一瞬で

   壊れてしまいますので、壊れる寸前で状況を判断する必要があります。多くの場合その情報は

   指から得られる事も多いです。

 ⑦ これら指や手を使っている際に、神経が集中している。

   集中力は長く続かない場合が多いです。ある短い時間内は出来るだけ集中させると脳への

   刺激がより強くなるそうです。

 ⑧ 指に通っているほとんどの神経は、脳神経と直結しています。それ故、指を動かす動作は

  脳の前頭葉部分(前頭前野)をフル回転させ、活性化できると言われています。更に、前頭前野

  を効果的に鍛えることで、脳だけではなく、創造力、言語能力や、思考能力、運動能力など

  身体全体が若々しく元気にするとも言われています。

以上の事柄から、陶芸は指や手(掌)を多く使う作業が多いです。それも繊細から大胆と種類も

多く、脳の活性化に優れた刺激を与える事は確実です。それ故、陶芸を長く楽しむ事は心も体の

若々しくなると思われます。

以上で「陶芸は脳に良い刺激を与えるのか?」の話を終わります。

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