わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

本焼き (温度について)

2008-05-23 18:18:19 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
 本焼きの目的は、作品に掛けた釉薬を、高温で溶かし、ガラス化させ、作品の装

飾や強度を持たせる事にあります。

 本焼きの温度は、一般的に陶器では、1200℃~1280℃で、磁器では、

 1250℃~1300℃程度です。

  ・ 市販の釉薬は、陶器で1230℃~1250℃で使う物が多いです。

  ・ 土鍋土は、1200℃以下ど焼成する様に、表示されています。

  温度を測定する方法

 1) 炎の色で判断する方法

   昔からある方法で、温度上昇に従い、暗赤色>赤色>黄色>白色と変化し、

   色見穴から、色で温度を判断する。

   ・ この方法は、熟練を要し、難しい方法です。

 2) 色見を引き出して、溶け具合から、温度を判断する方法

   帯状にした粘土を、三角形にし、その外側を「呉須」等で下絵を施し、

   透明釉を賭け、窯の要所要所に、複数個置く。
    
    目的の温度付近になったら、引き出し棒で、一個一個色見穴から取り出し

   水に入れて急冷し、「呉須」の発色具合で、判断する。

    ・ 溶け不足の場合には、色は不鮮明になります。

    ・ この方法は、他の方法と、併用して使ってください。

 3) ジェーゲル、コーンを使う方法

   三角錐の形をしたコーンを、粘土にやや傾けて挿し、要所要所の外から見え

   る位置に置く。

   ・ 昇温と伴にコーンが軟らかくなり、三角錐の頂点が垂れ下がり、土台の

    粘土に付いた時が、そのコーンの番号の温度を表します。

   ・ コーンの温度は、S K-6a(1200℃)、S K-7(1230℃)、

    S K-8(1250℃)、S K-9(1280℃)、S K-10(1300℃)

    で表示されます。

   ・ コーンは、一時間当たり100℃で温度を上げた場合が条件です。

    即ち S K-8(1250℃)では、12時間半かけて1250℃まで昇温

    した場合に、コーンが倒れると言うことです。

   ・ 現在では、窯やバーナーや、電気のアンペア数の改良で、短時間に必要
  
    な温度まで上げる事が出来、その温度になってもコーンが倒れない、現象

    が起こります。

    それ故 特殊な窯焚(ゆっくり昇温する場合)にのみ使います。
    
 4) 熱電対温度計で測定する

   1300℃程度まで測れる熱電対(白金)を使うのが、一般的です。

   ・ 市販の窯では組み込まれているのが普通です。

   ・ 温度計は0.5%~1.0%程度の誤差が生じます。

    即ち1200℃で、6~12℃の温度差が出ます。

   ・ 熱電対は、窯の雰囲気を測る物で、作品その物の温度を測る物ではあり

    ません。置く場所に寄り、窯全体の温度を推測します。
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