5) 絵唐津に付いて。
⑥ 絵付けされた作品。(前回の続きです)
) 皿類に付いて。
壷や茶碗などは絵を描く面が湾曲し、しかも面積も狭いですが、皿は平面な面積も広い為
描く絵も伸び伸びとしています。絵唐津は皿類の物が一番良く、絵柄も豊富の様に見えます
・ 絵唐津松文皿: 17世紀(江戸初期)。 出光美術館蔵。
高さ 9.0cm、口径 36.2cm、底径 10.8cm。
鉄分を含む肌理の細かい土で、制作は轆轤挽きです。皿の中央に鉄砂で黒い一本の松が
描かれています。枝はまばらでその先端に、まとまった松葉が付いています。
絵心のある専門の陶工が描いた可能性があります。
・ 絵唐津菖蒲文皿: 市ノ瀬高麗神窯出土。
高さ 7.0cm、口径 29.0cm、底径 8.7cm。
「石ハゼ」の含まれる鉄分のある小石混じりの土で、轆轤挽き制作です。
長石釉が還元焼成の為、釉肌は青磁風になり、鉄絵は赤褐色に成っています。
重ね焼きした為、見込み部と高台に四個づつの目跡があります。
・ 絵唐津枝垂柳(しだれやなぎ)文大皿: 甕屋の谷窯の傑作の一つ。梅沢記念館蔵。
高さ 9.6cm、口径 38.7cm、高台径 11.0cm。
口縁は幅広の平縁で、皿の端から端まで、6本の柳の小枝が垂れ流暢に描かれています。
・ 絵唐津沢瀉(おもだか)文四方皿:
高さ 5.2cm、口径 17.5~18.6cm、高台径 5.2cm。
藤の絵皿として有名な皿です。但し、葉の形が藤と異なる為、上下を逆にして沢瀉と
見る人もいます。元々数物であったと思われています。
轆轤挽きした丸皿の四隅を指で摘み上げ、少し内側に抱える形の四方入隅(いりすみ)の
形に仕立てた物です。尚、志野の絵皿にも沢瀉の大皿があり、これが本歌の可能性が
大きいです。
) 鉢、片口に付いて。
・ 絵唐津唐草文大鉢:
高さ 14.9cm、口径 33.9cm、高台径 11.4cm。
幅の狭い横長の外側に葡萄(ぶどう)唐草文が連続して描かれています。
内側の口縁部に木賊文(とくさもん)が要所要所に描かれた鉢です。還元焼成の為、
絵は黒く焼き上がっています。
・ 絵唐津草花文手付大鉢: 出光美術館蔵。
高さ 14.3cm、口径 23.9~26.0cm、高台径 10.6~11.1cm。
捻り土で把手が側面二箇所に付けられた珍しい形です。元々朝鮮にあった形と思われ
ています。外側の側面に筆太で豪放に草花文が描かれています。
・ 絵唐津鳥文片口: 内田皿屋窯跡出土
高さ 13.0cm、口径 21.1~23.4cm、底径 8.6cm。
真ん丸の形が焼成中に口の方に引っ張られて、楕円になったものです。
鉄砂で胴に七羽の千鳥が、縦方向に飛んでいる姿が描かれた、稀な文様です。
) その他の絵唐津の作品。
退屈な話が長くなりますので、以下詳細は省略します。
a) 水指: 絵唐津水草文矢筈(やはず)水指(岡山美術館蔵)。
絵唐津瓢箪水指など多くの種類があります。
b) 花生: 絵唐津耳付花生(出光美術館。逸翁美術館など)
c) 向付: 四方向付、筒向付、蛤形向付など色々な形があり、それに合わせて絵付けが
されています。
d) 徳利、ぐい呑、茶入、香炉などに絵付けがされています。
以下次回に続きます。
⑥ 絵付けされた作品。(前回の続きです)
) 皿類に付いて。
壷や茶碗などは絵を描く面が湾曲し、しかも面積も狭いですが、皿は平面な面積も広い為
描く絵も伸び伸びとしています。絵唐津は皿類の物が一番良く、絵柄も豊富の様に見えます
・ 絵唐津松文皿: 17世紀(江戸初期)。 出光美術館蔵。
高さ 9.0cm、口径 36.2cm、底径 10.8cm。
鉄分を含む肌理の細かい土で、制作は轆轤挽きです。皿の中央に鉄砂で黒い一本の松が
描かれています。枝はまばらでその先端に、まとまった松葉が付いています。
絵心のある専門の陶工が描いた可能性があります。
・ 絵唐津菖蒲文皿: 市ノ瀬高麗神窯出土。
高さ 7.0cm、口径 29.0cm、底径 8.7cm。
「石ハゼ」の含まれる鉄分のある小石混じりの土で、轆轤挽き制作です。
長石釉が還元焼成の為、釉肌は青磁風になり、鉄絵は赤褐色に成っています。
重ね焼きした為、見込み部と高台に四個づつの目跡があります。
・ 絵唐津枝垂柳(しだれやなぎ)文大皿: 甕屋の谷窯の傑作の一つ。梅沢記念館蔵。
高さ 9.6cm、口径 38.7cm、高台径 11.0cm。
口縁は幅広の平縁で、皿の端から端まで、6本の柳の小枝が垂れ流暢に描かれています。
・ 絵唐津沢瀉(おもだか)文四方皿:
高さ 5.2cm、口径 17.5~18.6cm、高台径 5.2cm。
藤の絵皿として有名な皿です。但し、葉の形が藤と異なる為、上下を逆にして沢瀉と
見る人もいます。元々数物であったと思われています。
轆轤挽きした丸皿の四隅を指で摘み上げ、少し内側に抱える形の四方入隅(いりすみ)の
形に仕立てた物です。尚、志野の絵皿にも沢瀉の大皿があり、これが本歌の可能性が
大きいです。
) 鉢、片口に付いて。
・ 絵唐津唐草文大鉢:
高さ 14.9cm、口径 33.9cm、高台径 11.4cm。
幅の狭い横長の外側に葡萄(ぶどう)唐草文が連続して描かれています。
内側の口縁部に木賊文(とくさもん)が要所要所に描かれた鉢です。還元焼成の為、
絵は黒く焼き上がっています。
・ 絵唐津草花文手付大鉢: 出光美術館蔵。
高さ 14.3cm、口径 23.9~26.0cm、高台径 10.6~11.1cm。
捻り土で把手が側面二箇所に付けられた珍しい形です。元々朝鮮にあった形と思われ
ています。外側の側面に筆太で豪放に草花文が描かれています。
・ 絵唐津鳥文片口: 内田皿屋窯跡出土
高さ 13.0cm、口径 21.1~23.4cm、底径 8.6cm。
真ん丸の形が焼成中に口の方に引っ張られて、楕円になったものです。
鉄砂で胴に七羽の千鳥が、縦方向に飛んでいる姿が描かれた、稀な文様です。
) その他の絵唐津の作品。
退屈な話が長くなりますので、以下詳細は省略します。
a) 水指: 絵唐津水草文矢筈(やはず)水指(岡山美術館蔵)。
絵唐津瓢箪水指など多くの種類があります。
b) 花生: 絵唐津耳付花生(出光美術館。逸翁美術館など)
c) 向付: 四方向付、筒向付、蛤形向付など色々な形があり、それに合わせて絵付けが
されています。
d) 徳利、ぐい呑、茶入、香炉などに絵付けがされています。
以下次回に続きます。