わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸入門 中級編3(電動轆轤1)

2011-10-02 22:00:40 | 陶芸入門(初級、中級編)
1) 電動轆轤を中心に陶芸を楽しんでいる方に付いて。

  電動轆轤(又は蹴轆轤)などを、3~4年経験した程度人では、まだ独り立ちは出来ていないと

  思います。陶芸にどっぷり浸かった生活をしている人(プロの陶芸家を目指している人達など)は、

  この程度の経験でも、十分自立する事も 可能でしょうが、趣味として轆轤を回している人では、

  まだまだ経験不足なのが一般的です。

 ・ 土練りや土殺しなどの基本的な事は、ある程度出来る様に成っているはずです。

 ・ 電動轆轤や蹴轆轤作業は、両手と足の共同作業です。手の方に注意が向き易く、足の方が

   疎(おろそか)に成り易いです。 

  若い方ならば上達は早いのですが、年配者と成ると、極端に上達は遅くなり、指導者なりの手助け

  無しに 作品を仕上げる事は、困難になります。

 3~4年程度の経験者が、轆轤作業で注意すべき点を挙げるとすると、以下のような事柄があります。

 ① 電動轆轤の基本事項をマスターする事

   基本的な事とは、端的に言うと、土を薄く上方に挽来き上げる事が出来ると言う事です。

   当然、振れや歪みガ無く、肉厚も極端な差が無い状態に出来なければなりません。

   轆轤作業でこの事が出来れば、ほぼ60~70% マスターしていると見なされると言う人すら、

   います。それほど、難しい事とされています。 (勿論形作りも難しい所がありますが)

  ) 土の量が多ければ、背が高く挽き上げられる事が出来ると思われますが、必ずしも正解では

    ありません。量が増えればある程度高く成りますが、限界があり、肉厚だけが厚くなり、

    上に伸びることが出来なく成ります。

  ) 土の種類や、土の硬さにも左右されます。

    轆轤作業のし易い土や、轆轤挽きには向かない土もあります。

    手に滑らかな目の細かい土は、小さな作品には、作り易い土となる場合もありますが、

    大きな作品では、やや粗めの方が、轆轤挽きするのに向いています。

    又、軟らかい土は、土が伸びやすく感じますが、背の高い作品には、向きません。

    軟らかい土は、伸びる事は伸びるのですが、直ぐに沈んできます。

    即ち、直ぐにヘタッテしまいます。

  ) 常に土の厚みを、指先で確認しながら、轆轤挽きする事。

    土を上げる事は、当然土を薄くする事です。それ故、現在どの位の厚みで、挽き上げているかを

    指先で感じながら、作業する必要があります。(途中の厚みは、両手の距離を指先で測りながら

    測ります。当然、両手がしっかり固定されていなければ、測れません。)

  ・ 注意する事は、部分的に薄くし過ぎない事です。肉厚を薄くする事は出来ますが、薄くし過ぎた

    土を、厚くする事は、はなはだ困難です。

    又、薄過ぎる所から、土に撚れが出易く、形作りにも影響が出ます。

    両手で挟みつけて、土を薄くしますが、常に力の入れ具合を調整しながら、作業しなければ

    なりません。肉厚の部分には力を入れ、薄くなった所は撫ぜる程度に力で通過させます。

    当然上に行くほど肉を薄くしますが、下部と上部の肉厚の差が、少ない程上達した事に成ります。

    特に轆轤挽きに慣れていない方は、下部が極端に厚く、口縁が極端に薄くなり勝ちです。

   ・ 注意点として、削り作業で肉が薄く出来るのだから、肉を薄くする必要はないと思う人が

    居るかも知れません。確かに肉を薄くする事が出来ますが、削り作業に頼って仕舞う事は、

    轆轤作業が疎かになり易いです。又、外形を削る事により、形が変わってしまう事も考えられます。

    (但し、磁器の場合は、薄く轆轤挽きする事が困難な為、削り作業で薄くする方法が採られて

     います。)

以下次回に続きます。
   
コメント
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