釉の原料についての、話を続けます。
5) 熔融剤について
② アルカリ以外の熔融剤
) 昔から良く使われていた原料に、鉛の酸化物があります。
手に入り易い事と、安価な事とで、一般に広く使われていましたが、現在では、鉛の有毒性の
為、一部を除き、使用されなくなっています。(食品衛生上も、禁止されている様です。)
尚、最も低い温度(600~800℃)では、酸化鉛が熔剤になっています。
) 硼酸(ほうさん)(化学式=H2BO3)
硼酸はアルカリに似た、性質を持っており、鉛の様に有毒では有りません。
尚、硼酸は硼砂から取る場合が、多いです。
878℃で融解して無色透明のガラス状となり、多くの金属酸化物を、融解する性質を持つ為、
釉薬の融剤として使われます。又、釉の原料としても、広く使われています。
(ガラスに混ぜると、熱衝撃や化学的浸食に強い、耐熱ガラスなどの原料となります。)
硼酸はアルカリに似た、性質を持っています。
硼酸には以下の特徴があります。
a) 着色酸化物に対して、強力な熔剤と成ります。
b) 適量添加すると、熱膨張を抑えます。
c) 低温で粘度の高い釉に成りますが、高温に成ると流動性が増し、流れや易い釉となります。
d) 屈折率を増し、釉に光沢を与えます。
更に、他の成分の結晶化を防ぎ、失透を起こしません。
e) 熱や酸、アルカリなどに対して、化学的耐久性を改良する融剤です。
) 酸化亜鉛(亜鉛華)(化学式=ZnO )
亜鉛華とも呼ばれ、白い粉末で、溶媒剤として用いられる他、乳濁させる作用があり、
多量に加えると、亜鉛結晶釉になります。
調合例
透明釉の三号石灰釉(1230~1280℃)を、1200℃の光沢透明釉にする。
三号釉100に対し、亜鉛華12を調合(重量比)します。
) その他の熔融剤
a) リチウム(炭酸リチウム)
1%程度の量で、強い流動性を呈します。光沢を増し、ピンホールを防止します。
b) 酸化鉄
酸化鉄は、着色剤として鉄釉に、使用する事が多いですが、熔融剤としても、作用します。
弁柄(酸化第二鉄)、四三酸化鉄(Fe3O4)、水酸化鉄、硫化鉄などがあります。
c) 滑石(タルク )
マグネシア成分を、多く含む物質で、生のまま、或いは、一度焼成したものが用いられる。
媒熔剤としての他、タルク釉として、白さを増す場合に使われ、より多く加えると、
乳濁します。
d) 陶石は、熔融剤とはいいませんが、アルカリ成分と珪酸を、多く含む為、木灰等を、
配合する事により、釉として使えます。
尚、陶石とは、長石質の岩石が、風化等で半分解途中の、物質です。
以下次回に続きます。
5) 熔融剤について
② アルカリ以外の熔融剤
) 昔から良く使われていた原料に、鉛の酸化物があります。
手に入り易い事と、安価な事とで、一般に広く使われていましたが、現在では、鉛の有毒性の
為、一部を除き、使用されなくなっています。(食品衛生上も、禁止されている様です。)
尚、最も低い温度(600~800℃)では、酸化鉛が熔剤になっています。
) 硼酸(ほうさん)(化学式=H2BO3)
硼酸はアルカリに似た、性質を持っており、鉛の様に有毒では有りません。
尚、硼酸は硼砂から取る場合が、多いです。
878℃で融解して無色透明のガラス状となり、多くの金属酸化物を、融解する性質を持つ為、
釉薬の融剤として使われます。又、釉の原料としても、広く使われています。
(ガラスに混ぜると、熱衝撃や化学的浸食に強い、耐熱ガラスなどの原料となります。)
硼酸はアルカリに似た、性質を持っています。
硼酸には以下の特徴があります。
a) 着色酸化物に対して、強力な熔剤と成ります。
b) 適量添加すると、熱膨張を抑えます。
c) 低温で粘度の高い釉に成りますが、高温に成ると流動性が増し、流れや易い釉となります。
d) 屈折率を増し、釉に光沢を与えます。
更に、他の成分の結晶化を防ぎ、失透を起こしません。
e) 熱や酸、アルカリなどに対して、化学的耐久性を改良する融剤です。
) 酸化亜鉛(亜鉛華)(化学式=ZnO )
亜鉛華とも呼ばれ、白い粉末で、溶媒剤として用いられる他、乳濁させる作用があり、
多量に加えると、亜鉛結晶釉になります。
調合例
透明釉の三号石灰釉(1230~1280℃)を、1200℃の光沢透明釉にする。
三号釉100に対し、亜鉛華12を調合(重量比)します。
) その他の熔融剤
a) リチウム(炭酸リチウム)
1%程度の量で、強い流動性を呈します。光沢を増し、ピンホールを防止します。
b) 酸化鉄
酸化鉄は、着色剤として鉄釉に、使用する事が多いですが、熔融剤としても、作用します。
弁柄(酸化第二鉄)、四三酸化鉄(Fe3O4)、水酸化鉄、硫化鉄などがあります。
c) 滑石(タルク )
マグネシア成分を、多く含む物質で、生のまま、或いは、一度焼成したものが用いられる。
媒熔剤としての他、タルク釉として、白さを増す場合に使われ、より多く加えると、
乳濁します。
d) 陶石は、熔融剤とはいいませんが、アルカリ成分と珪酸を、多く含む為、木灰等を、
配合する事により、釉として使えます。
尚、陶石とは、長石質の岩石が、風化等で半分解途中の、物質です。
以下次回に続きます。