わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

焼き物の原料(坏土4)

2011-04-19 17:17:38 | 焼き物の材料(原料とトラブル)
坏土(はいど)の話を、続けます。

 5) 坏土の調整

   採掘した原料を、細かく砕き、必要に応じて精製を行った後は、これらを混合します。

   成形し易い土にする為や、乾燥、焼成などに於いて、必要な性質を満たす為に、各種の原料を

   混合調整する必要があります。(単一の土で、全てを賄える物は、近年少なくなっています。)

  ① 原料を混ぜ合わせる方法は、以下の三方法が考えられます。
 
   ) 粘土が可塑性を持ったまま、混練する方法です。

      この方が、一番簡単な方法です。混練する全ての原料が、そのまま使える程度の

      軟らかさで、練り合わせます。その際に水を加えたり、脱水(乾燥)させる必要が

      無いからです。少ない量では、手練で調合が可能ですが、やや量が多い時には、土練機を

      使います。(真空土練機は、土中の空気も抜いてくれます。但し高価な機械です。)

   ) 粘土を乾燥状態の粉にして、混ぜ合わせ後に、水を加えます。(乾式方法)

      上記の方法に比べ、粘土をより均密に、混合する事が可能です。

      )では、練り土に成っている為、ねばねばして、張り付き易く、一つ一つの粒子が、

      他の土と粘着する事が、出来ない為です。

    ・ 但し、この方法では、出来るだけ、粒子を細かくする必要があり、又、混合後、余分な

      水を取り除く為、十分乾燥させる必要があります。しかも、急激な乾燥を避け、湿度の

      高い場所で行わないと、十分な成形性が、得られないとの指摘もあります。

   ) 泥漿による方法(湿式方法)

      泥漿(でいしょう)とは、水を大量に入れ、粘土が「どろどろ」に成っ状態です。

      微粉砕した、粘土を泥漿の状態で、攪拌させながら、混ぜる方法が、最も良い混合方法と、

      言われています。攪拌が十分でないと、比重の大きい(重い)粒子が、沈殿して仕舞い、

      十分に、混ざり会えない場合があります。

      磁器土の様に、素地の組織が、緻密で完全に混合する場合に、良く行う方法です。

    いずれの方法を取るにしても、大切な事は、水分を充分に、粘土に吸収させる為(水幕を作る

    為)に、「ねかし」を行う事が、成形し易くし、割れや傷を防止するには、必要です。

   更に、実際に使用する際には、菊練や土練機で、良く練ってから使う事です。

  ② 配合調整

    以前お話した(坏土1)の記事で、

    1) 磁器や精陶器(白色陶器)等では、化学的処理された土を、目的に合った土にする為、

      計算調整して、配合を決めますが、その他の焼き物では、試行錯誤的に、配合調整を

      行います。と記述しましたが、なるべく試行錯誤ではなく、ある問題に対して、どの様に

     対応したら良いかを、述べたいと思います。

以下次回に続きます。
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