わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸の本について(技術書6)

2011-03-20 21:59:17 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
1) 技術書について

 ④ 「手ひねり編」「電動轆轤編」「釉薬編」「装飾編」「技法辞書編」など。

  ) 装飾編

   b)  特殊な装飾を紹介している、本も多いです。「秘技公開」などと、記載されている物も

     有ります。尚、秘技にも、二つのタイプが有ります。

    イ) 公開された秘技が、思っていたほど、難しい技術でない場合。

       マジックや手品の様に、どうなっているか、不思議に思っていた物が、種明かしを

       すると、以外に簡単な、トリックであったりした場合に、相当する物です。

     ・ 例えば、30数年前では、ほとんど秘技であった、「和紙染」の技法や、「木の葉

       天目」の技法など、技術が公開されると、意外と簡単に出来る事が、解かりました。

       それ故、真似をする事も、さほど困難はありません。

    ロ) 秘技が公開されても、その作業が複雑で、手間隙の掛かる場合。

       この様な、秘技では、高度のテクニックが必要で、公開されても、対応出来ない人も、

       多いと思われます。 一例として、次の本を取上げます。

    ・ 現在「練込 陶芸技法を極める」 室伏英治著 誠文堂新光社を見ています。

     (今まで、あえて、差障りがない様に、本の名を記載せず、話を進めて来ましたが、

      今回は、本の名を挙げておきます。)

      ちなみに、この本は購入し物ではなく、図書館で借りてきた物です。

    入門編: 「カラー粘土の作り方」等が、紹介されています。

     「練込について」、「道具紹介」、「カラーベースの作り方」「色見本帳」などの、

      基本事項が記載されています。

    陶土編: 「陶土で作る練込作品」を紹介しています。初心者向きと、成っていますが、

     これは、陶芸の初心者ではなく、「練込の初心者」向けと言う事のようです。

     「気軽に出来る基本の紋様」として、 組亀甲模様の六角鉢、うろこ模様の角皿、

     クレマチスの楕円鉢、縞模様の壺、 さざんか模様の花器、杉稜模様のうさぎの、

     作り方が紹介されています。

     ・ この技法は、色土で、各「ビース(片)」を作り、これらを集めて、「ユニット」を

       作り、更に、全体に、規則的並べて、「セット」を作り、最後に型等に、押し当て

       形にする方法です。

     ・ 陶芸歴の長い方なら、練込で、「市松模様」の皿等を、作った事が有ると思います。

       その際、模様の合わせ目に、「ひび」が入り、苦労された事とでしょう。

     ・ この技法は、それよりも、数倍模様が細かく、複雑に成っています。

       かなりの熟練を必要とし、失敗も多く、手間隙を掛ける事に成ります。

     ・ どう見ても、「気楽に出来る」代物とは、思われません。
     
     更に、「グラデーション粘土を使った、複雑な紋様」など、高度のテクニックが必要に

     成る物も記載されています。

     磁土編、施釉編、Q & A 編と続きますが、取り扱い難い磁土を、使用するには、更に

     失敗率が高くなります。

    私なりの結論として、この様な技術を、公開されたからと言って、真似(模倣)して、

    見たいとは、思いません。知識としては、役に立つかも知れませんが・・

以下次回に続きます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする