わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸に於ける有害物質 7 (有機化合物1)

2010-11-06 22:50:17 | 陶芸の困り事
陶芸で扱う物質で、有害な物は、釉の原料以外にも、様々な物があります。

 例えば、「トルエン」、「キシレン」など、有害な物質を含む、製品を取り扱う事も有ります。

1) 焼成前に使う、有機化合物: 撥水剤やラテックス、その他の、各種溶剤など

2) 焼成後に使用する、有機化合物: 止水剤などです。

 ① 撥水剤: 施釉する際に、施釉したく無い所に塗り、釉を弾き、釉を塗り残す時に、使用します。

   昔は、「蝋抜き(ろうぬき)」と言い、湯煎で溶かした、蝋を筆などで塗りましたが、現在では、

   撥水剤を、使う事も多くなりました。

  ・ 撥水剤を、素焼した素地に、直に塗る方法や、釉に混ぜて施釉後、その上に掛ける釉を、弾いて、

    色模様に、変化を与える方法が、あります。

  ・ 撥水剤の欠点は、一度塗ってしまった所は、除去出来ない事です。どうしても取り除きたい場合は、

    もう一度、素焼する必要が、有ります。

  ・ この撥水剤も、揮発性の有機化合物で、刺激臭があり、有害物質が、含まれていると、思われます。

    (材料に、何が使われているかは、不明ですが、どぎつい赤、ピンク、青色が、付けられている

     物も、有ります。即ち、有毒の表示も、兼ねているかも、知れません。)

     それ故、使用時には、吸い込まない事と、換気を行うと同時に、床などに、こぼさない事です。

  ・ 使用した筆は、石鹸水などで、洗い落とします。油性ですので、水では洗えません。

    又、手に付いた場合にも、同様に石鹸で洗います。

 ② ラテックス(陶画のり)

   蝋抜きと、同じ作用をする物に、「ラッテックス」が有ります。

  ) のり(糊)状の液体で、素焼された作品の上に、筆などで、模様を描くと、そこには、施釉が、

    出来ません。施釉後、その部分を、針やピンセットなどで、剥がす事が出来ます。

  ) 天然又は合成のゴム液で、マスキング剤として、使用します。乾くと透明になります。

    自然界に存在する、乳状の樹液は、空気に触れると凝固します。タンパク質、アルカロイド、

    糖、油、タンニン、樹脂、天然ゴムを含む、複雑な物質です。

    植物から、分泌される、ラテックスは、ほとんどの場合、白、黄、オレンジ樹液です。

    凝固しない様に、保存剤として、アンモニアを0.6%加えている為、アンモニアの臭いがします。

    使用後の筆は、中性洗剤で洗います。

 ) ラテックスとアレルギー

   ラテックスはアレルゲン(アレルギーの抗原)でもあります。

   頻度は、低いですが、重いラテックス、アレルギーを持つ人々もおり、ゴム手袋などの、ラテックス

   製品に触れると、アナフィラキシーを起こします。

  注: アナフィラキシーとは

   症状: 顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚のカユミ、蕁麻疹、口唇や舌・手足の痺れ感、むくみ、

    吐き気、顔面蒼白、手足が冷たくなる、冷や汗、息苦しさ・胸苦しさなどで、突如として現れます。

    発症後は、急速に症状が進行し、チアノーゼや呼吸困難、意識障害、血圧低下等の、ショック

    症状を引き起こし、生命を脅かす様な、危険な状態に、陥入る事があります。

  ・ 発症してからの進行は、2時間以内と非常に早い事が特徴で、救急車などを利用して、早急に

    救急救命処置が、可能な医療機関を、受診しなければ、致命的となる可能性もあります。

 ③ 薄め液(有機溶剤)

以下次回に続きます。

 撥水剤 ラテックス(陶画のり)

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