わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸作品の評価(本人の評価)

2009-08-26 22:35:16 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
「評価する」又は、「評価される」事を、積極的に、望む人もいます。

逆に、この言葉が、嫌いな方も多いと、思います。

特に、自分は他から、どう見られているのか、どう「評価」されているのか、いつも気にし、

不安に思っている方も、多いはずです (特に若者は、他人の目が、気になります。)

「評価」は、好き嫌いに関係なく、色々な場面で顔を出します。

ここでは、陶器で作った作品の、「評価」について、考えて行きたいと思います。

(ご自分で)作った作品には、必ず「評価」が行われます。

「評価」とは、簡単に言えば、「気に入る」「気に入らない」又は、「良く出来た」「出来が悪い」と

言う事です。

  評価する人は、以下の方々です。

 1) 作者当人(作った人)

 2) 作品の当事者

 3) 第三者(個人、家族、友達、仲間)

 4) 第三者(複数)の多数決(審査委員、選考委員)

 5) その他、多数の一般人(既に評価の決まった物に対して)

 以下順番に、述べたいと思います。

 1) 作者本人

   完成した作品を前にして、最初に「評価」を下す人は、作った本人です。

   作品を一目見て、「大満足」、「満足」、「まあまあ」、「普通」、「やや不満」、「失敗作」と

   直ぐに判断(評価)が決まります。

   そして大切な事は、本人が「気に入るか」、「気に入らない」かと言う事で、

   他人が、いかにその作品を、褒めようと、当人が納得しない限り、余り関係ありません。

   逆に、他人が「けなそう」が、本人が「気に入れば」その作品は、その人に取って、

   「評価」が、高い(良い)事に成ります。

   それ故、当教室でも、出来た作品を、本人に見せ、本人がなんと言うかを、待ちます。

   軽々しく、私の意見は、言わない様にしています。

   但し、私が気に入った(良く出来た)作品だと、思った時で、本人が気に入らない場合には、

   作品の良い所を、指摘します。

   しかし第一印象で、悪いイメージを持つと、本人は、中々そこから、抜け出せないです。
  
 2) 作品の当事者

   陶芸に於いては、作品を作る上で、本人以外にも、当事者(関係者)がいます。

   例えば、指導してくれる先生(師匠)や、窯焚き人(自分で焚かない人は、依頼する)、

   陶芸仲間等です。特に「窯出し」の際の人達は、作者本人よりも、早く作品を見、作品の出来具合を

   感じ取ります。

   但しこの人達は、その作品について、褒める事は、良いが、大きな失敗(割れ、ひび等)がない限り、

   その考え(感想)を、作者に話すことは、厳禁です。

   たとえ「出来が良くない」と思っても、本人はどう思うかは、不明です。

   本人の「評価」を待って、意見を望まれたら、自分の考えを、述べる様にしています。

   なぜなら、大事な事は、作者本人が、その作品を、どう思っているのか、と言う事です。
   
  ・ 十人十色と言う言葉が有ります。感じ方は、人により、多種多様です。

    特に形よりも、色の出具合によって、「評価」が分かれる傾向に有ります。

  ・ 作者が気に入らず、壊そうとした作品を、窯出しに来た人が、気に入り、貰い受ける場合

    も有ります。

   (文化勲章を受賞した、板谷波山に、「命乞いの茶碗」の作品が有ります。

    たまたま窯出しに来ていた、実業家、出光佐三が、波山が、不出来で、壊そうとした、

    窯変天目茶碗を、無理に頼んで、貰いうけた作品で、出光美術館に、展示されているそうです)

 但し、物の見方は、年齢や、経験等で、変化する物です。経験を積んだ人の、見方や、意見などは、

 ある程度、気に留める事を、心掛けたいものです。


以下 次回に続きます。

陶芸作品の評価
   
コメント
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