わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

失敗と対策 (釉薬掛け1)

2008-08-01 16:40:50 | 失敗と対策
 素焼の終わった作品は、釉薬を掛ける物と、この段階で終わりにする物に分ける

 ・ 窯から出して、「割れ」や『ひび」が入った物は、本焼きすると確実に傷

  が、広がります。

 ・  陶芸用の接着剤も市販されていますが、たいていは、上手くいきません。

   (この接着剤は、「割れ」や「ひび」より、完全に破損分離した部分を接着

    する方が向いています。)

 ・ どうしても、その作品を助けたい場合は、以下の方法が有ります。

   イ) 本焼きを二度行う。

    即ち、一度目の本焼きで、傷を出来るだけおおきく拡げ、その傷に素焼の

    粉(シャモットという)を塗り込め、割れ目を塞ぎ、釉薬を掛ける。

    二度目の本焼きでは、その傷を釉薬が覆い、目立たなくさせられます。

   ロ) 本焼きすると、土がやや軟らかく成る性質を利用する。

    板状の皿などは、「ひび」「割れ」の両端に、粘土を詰めた貝など置き、

    「ブリッジ状」にして、窯詰めをすると、「ひび」『割れ」部分がやや垂

    れ下がり、両方から押し付けられて、釉薬でくっつく事も出来ます。

   ハ) 釉薬でくっつける。

    完全に割れた部品で、それが自立して、元の作品に取り付ける事が出来れ

    ば、釉薬でくっつける事が可能です。

    但し、施釉の際別々ですと、塗りずらいので、一般的な糊(やまと糊)で

    接着し、固定してから、施釉して下さい。
   

 1)作品表面の引っかかりを、紙ヤスリで削る。(この作業をしない人もいます)

   削りカスは、「スッポンジ」で拭き取る。(カスは、残さない様にする)

   紙ヤスリで、表面に出来た浅い傷や、くっついた「削りカス」などを、削り

   取ります。底(畳付き)も紙やスリを掛けて置くと、窯出し後の「研石掛

   け」も、簡単になります。

  ・ 作品に「削りカス」や「ホコリ」などが付着していると、その部分の釉薬

   が逃げ、「釉ハゲ」の原因になります。

  ・ 素焼後長らく、「たなざらし」になていた作品は、『ホコリ」を払います

 2) 釉薬の厚み、及び下絵付けの濃さによる失敗。

   釉薬は種類によって、釉薬の厚みは、千差万別です。

   普通の厚みに掛ける釉薬(一般にはがき一枚の厚さ)、 厚く掛ける釉薬、

   薄く掛けた方が発色良い釉薬が有ります。

   ・ 厚く掛け過ぎると、(又下絵の濃度ガ濃すぎる)と釉が逃げる易い。

    (わざと厚く掛けて、釉が逃げさせ、模様にする場合がありますが・・)

   ・ どうしても、厚く掛けたい場合、

     イ) 薄くした釉薬を、複数回に分けて、掛ける。 

     ロ) 目的の釉薬を塗る前に、透明釉を薄く掛け、その上に目的の釉薬

        を掛ける。

   ・ 釉薬に拠っては、施釉直後から、素焼素地から釉薬が、まくれ剥がれる

     場合があります。

     この場合には、 釉薬を薄くする。C M C(化学糊)を釉薬に入れる。

     などの方法も有ります。
     

  

コメント
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