MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.052 「僕の大事なコレクション」 (2005年 米 105分 ビスタ)

2006-05-30 01:31:22 | 2006年劇場鑑賞
監督 リーヴ・シュレイバー
出演 イライジャ・ウッド
    ユージン・ハッツ
    ボリス・レスキン



月に2~3回は通う天六シネ5ビルですが、そのほとんどはB級アクションかホラー映画が中心。
DVDが発売されたパッケージに「全国劇場公開作品」の文字に「こんなん何時やっててん?」と思ったときは大抵人知れずこの劇場で公開された作品だったりします。
いつも此処へ見に来るとき時は深夜の部で22時~23時の間の回が多いため大半の観客は寝に来てる人が多く、まともに見てるのは我々一行ぐらいのもんなんです。

しかしこの「僕の大事なコレクション」は23時30分と言う普段よりやや遅めの回で、しかも上映最終日のオールナイトでありながら、明らかに見に来た人たちが多数・・・しかも10人前後の観客のうち寝てる人はゼロ!
驚いたことに男性は我々と前の場違いなオッちゃん意外は全て女性という天六シネ5ビルの深夜の部にしては快挙?な出来事に遭遇してしまいました。
そしてこの「僕の大事なコレクション」て作品はまさにミニシアター系的な作品で、正直何でこの劇場で?ていう印象でした。

主人公のユダヤ人の青年ジョナサンは、亡き祖父と見知らぬ女性が一緒に写っている写真を病床の祖母から渡される。その女性が祖父の若き日の恩人であるらしいと知ったジョナサンは、祖父の故郷ウクライナへ向かい、現地の青年アレックスらと共に写真の女性を探すための旅を開始する。

この青年ジョナサンがとにかく何でも蒐集するコレクターで祖母の入れ歯や弟の歯の矯正器具など一族の色んな物をビニールに入れて部屋の壁一面にぶら下げて飾ってる変な奴!
このオタク青年が祖父のルーツを辿るかのようなロードムービーで彼とウクライナのガイドの青年と祖父(自称盲目てのが笑わす)とペットの盲導犬?の珍道中がユーモラスに展開されます。

さりげないやり取りの中に溢れるユーモアが独特で、ホテルの一室でベジタリアンだというアレックスに仕方なく注文したポテト(と言ってもジャガイモ丸ごと一個が皿の上にあるだけ)をガイドの祖父がナイフで4当分にし、その一つをジョナサンに分け与えた時に、一瞬の間の後にそれを蒐集用のビニールに入れるジョナサン・・・こういった感じの声を出して笑わすというより、ニヤつかせながら見せる所が上手いのです。
またうまくコミニケーションが取れてるようで取れてない、取れてないようで取れてたりと微妙な青年とウクライナのガイドたちの関係も絶妙で面白いです。

ストーリーが進むにつれナチスによるユダヤ人の虐殺がクローズアップされ、今までのホンワカしたムードから一変して、胸にしんみりと来る・・・
見だした時の印象と鑑賞後の印象がこんなに変わる作品も珍しいかも?

冒頭のナレーションによる人物紹介から入る始り方が少しガイ・リッチー風でなかなか印象的で、俳優でもある監督のリーヴ・シュレイバーて結構上手いね。
このリーヴ・シュレイバーてどんな人?て思って調べたら、よう見かける人ですな~



★★★★ 2006.5.26(金) ホクテンザ2 23:30 最後列2番目