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勝手にしやがれ ’59 フランス

2008-10-14 | ドラマ
罪を重ねながら逃亡を続け、好きな女には裏切られ、最後は「まったく最低だ」と言い残し息をひきとる。

このミシェルという男の生き方は束縛を嫌い、大胆で無謀。
3週間前に、南仏のニースで知り合ったというアメリカ娘のパトリシアに惚れてしまったことが運の尽き。

パトリシアは言う。
「あなたを本当は愛していないということがわかったの。 だから警察に通報したのよ」
警官に撃たれたミシェルに、一度は顔を覆ったパトリシアだが、その後の冷淡な表情に、ファム・ファタルな彼女の一面を見逃すことが出来ない。
「最低って、一体何のこと?」

ゴダール独特な作品であるが、’65の『気狂いピエロ』とよく比較したりする。
モノクロに、片や鮮やかな原色カラー。
恋のかけひき、恋人の死、無鉄砲な人生。
このゴダール作品のよいところは、ハイセンスで乙なセリフであるところ。
会話自体が短くて、間の取り方が絶妙なのだ。
お洒落度が高いのである。

この映画の原案はトリュフォーだが、彼ではなく、ゴダールの監督でよかったなと、個人的に思うのだが。


2 コメント

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TBさせていただきました。 (アスカパパ)
2008-10-19 15:08:04
何と大胆!・・繋がりのないショット、、。
何と新鮮!・・悪にたいして嫌悪感を抱かせないような、このムードは一体何なのか。
ほんとに、勝手に撮りやがれ。(笑)のような映画でした。
う~んと唸りました。
トリュフォーは、これはゴダール向きと思ったのでしょうかね。
TBありがとうございました。 (abricot)
2008-10-22 10:48:32
>アスカパパさん

ほんと、思わず唸りたくなるほど斬新な作品ですよね。 ゴダール作品はよく難解とも評されますが、わたしは嫌いではないです、こういう撮り方。

ベルモンドの勝手さも、セバーグの気まぐれも、何度観てもやっぱりカッコイイなぁと、思わされる映画です。

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