アブリコのCinema散策

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朝食、昼食、そして夕食 2010年 スペイン・アルゼンチン

2016-08-19 | ヒューマン・ドラマ
誰と食事をするかで味そのものも違ったりする。
例えば、美味しいはずのものが虫の好かない相手と一緒だと美味しくなかったり、食べ物がどこに入ったかわからないほど緊張するような相手(どんな人?)と食してもつまらない。
好きな人、気のおけない仲間、食事はやっぱり楽しみたいし、そうした時間は有意義なものにしたい。
大層なごちそうでなくてもいい。
ゆるやかな時間(とき)を持てればそれでいい。

人と食の関わりというテーマはいくつも目にするし、映画も多い。
人間模様を映し出すにも食事のシーンは大きな効果がある。
本作品では、その効果をフルに活用していた。

原題は『18の食事』という意味らしいが、数えてはみなかった(苦笑)。
テーマがテーマなだけに、さまざまな者同士の食事の場面が出てくる。
楽しそうな場面は2割ほどで、ほとんどが、虚しさの募るものだ。
冒頭の、前夜から飲んだくれそのまま朝食へと突入し、嬉しそうに飲み明かしたその余韻を残しつつ、ゲラゲラ笑いながら「腹減った」とほざく二人の男たちのなんと明るいこと。
そしてガクンと場面は変わり、虚しさ、悲しさ、寂しさと、そんな暗い形容が並ぶようなカットが続く。

そんな中で、老夫婦の一見わびしい食事シーンが入る。
ふたりは一言も話さない。
妻の方が、やや身体が弱っているように見える。
夫が時折、いたわるように妻に目をむける。
彼らにとって、その食事風景はいつもと何の変りもないものなのだろう。
だが長年連れ添った、顔のしわと同じような深い、ふたりの絆が一言も話さない中で、明確に見えてくるから不思議だ。

料理は愛情とはよく言うが、ひとりの男が懸命に恋人のために食事を用意するシーンがある。
朝食の買い出しに出かけ、テーブルセッティングも完璧!
しかし彼女は来ない。
昼食もアウト。
そして夕食は?
留守電にメッセージは入れたけど・・・。

スペイン映画はどちらかというとシリアスタッチのものが多いから、この作品も料理自体は二の次ってな感じだったけど、せっかくだからもっとスペイン料理(バスク地方の名物料理とか)を堪能したかったなあ。
やっぱり明るい食卓を楽しみたかったというのが、正直な感想である。
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